ピアフの記事で恐縮だが、確かに
世界的に
カリスマな
シャンソンの
歌姫はピアフなのだが、
彼女の
友人だったもう一人の
スターについて悲しい報せが入ったので
記録しておきたい。イ
ベット・
ジローが、97歳で亡くなった。
あじさい娘、
パリカナイユ、
ミラボー
橋は有名だが、かの
愛の賛歌も、もとはイ
ベットに曲
提供するためにピアフが
作詞したのだが、ピアフの
恋人が急死してしまい、それを悼んでピアフ自身が
レコーディングすることになったのだというから、ピアフの
恋人の悲劇がなかったら、
ジローの
愛の賛歌になっていたところだったのだ。
超個性的な
クセの強いピアフに対し、
ジローの持ち味は
洒脱な語り口だった。ピアフが
魂の叫びだとすると、
ジローは
人生を淡々と語っていく
詩人、そんな雰囲気があった。
大の
日本びいきということもあり、何度も来日していたので、ここ
日本では
ジローのほうが
人気があったかもしれないくらいだ。しかし、
月日の流れとともに次第に忘れ去られ、
今日では
ジローの名を知らない
シャンソンファンも増えつつある。
確かに、
世界的に
カリスマなのはピアフであろう。
海外の
シャンソンファンが、特別な
歌手はピアフだけ、というのは仕方ないかも知れない。
しかし,
日本の
シャンソンファンがそれではあまりに情けない。少なくとも、
日本ではイ
ベット・
ジローの名は忘れられることはあってはならない。
ジローの
洒落た歌
声は、これから
もずっと聴き継がれていくことだろう。今まで本当に長いこと、お疲れさまでしたと言いたい。