ニコニコ大百科

時代とはあまり関係なく楽しめる映画だと思うけどね。まあ好き嫌い激しいのは、この手の（アートっぽい）映画の典型だから、しょーがないだろうね。

でも諦める必要は無い。俺もドンパチドカーンのハリウッドアクションは大好きだし、数千本は見たと思うけど、キューブリックの映画も大好きだ。理解できるようになったのは、映画オタクになってから数年経ってからだった。

今後、魅力が理解できる可能性は、あると思うよ。まあ、たとえそうでなかったとしても、それはその人の感性だからね。

それにしてもキューブリックの映画は退屈だな　なのに何度も見たくなる
それに、一つ一つのシーンが強烈だ　
多分これは、一つの重大なシーンを引き伸ばして尺を長くし、
焦らしに焦らして、後に違和感が残るようにしたのかもしれない　
だからなんとなくでも一つ一つのシーンを覚えることができるし、
その違和感があるおかげで何度も観たくなる　それで見ていく内に、
これは素晴らしいものだと気づいていって、つい演出やカメラワーク、
物語を真似したくなる　創作系やってる人は、
キューブリックの作品を見たことあるなら大体はこうだし　
現に日本のアニメでも、キューブリックの作品で見たような演出を見かける

キューブリックの作品は2度めに見る時が異常に面白く感じる
初見はそうでもないのに

キューブリックの映画に似ている演出は確かに、映画史上にもアニメ史上にも無数に見かけるよね。でも、キューブリックですら、他の監督の作品を参考にしなかったわけじゃない。

キューブリックが参考にしたのは、判明している中ではマックス・オフュルス、松本俊夫、ウィリアム・クラインなど。お世辞にも一般的な映画ファンが好みそうではない監督ばかり。

逆に言えば、それだけ広い感性で映画を見て、自分の作品に必要な要素をセンス良くピックアップしていったんだろうね。

実は完全なオリジナル脚本の長編が一本も無かったりなど、キューブリック本人は自分の「発想力」よりも、既存のアイデアを融合する能力や、選択を誤らない判断力のほうに重きを置いていたようだ。

今で言えばＤＪ的な感覚だよね。

＞実は完全なオリジナル脚本の長編が一本も無かったりなど
そうなのか…
でも凄くいいストーリーの映画が多いんだよね
フルメタルジャケットの前半のローレンスが狂って行く様は何度見てもいいし
時計仕掛けのオレンジも素晴らしいラストの「完全に直ったね」のシーンは最高だと思う

キューブリックのシニカルで熱の全くこもってない映画は好みが分かれそうだけど自分はまあまあ好きになれたな
その点でスパルタカスは異質だよね嫌いじゃないんだけどちょっと驚いた

あと絶賛されてる（？）シャイニングは凄く映像や演出が魅力的だし面白いのは分からないでもないけどストーリーという点では残念だと思った

まずは良い原作を選ぶセンスが凄いんだね。そして、その原作が自分に向いているかを判断するセンスも良い。実際、ポシャった企画の中には、とてもキューブリックには向かないような企画が多いんだけど、きっと心のどっかで「こりゃ、俺じゃないほうがいいな」と諦めをつけていたのかもね。

後は、脚本を一人で書かないことによって、馬鹿げた独りよがりになるのを巧妙に防いでいると思う。共同作業者を徹底的にこき使うことで有名なキューブリックだけど、良いと思うアイデアはあっさり取り入れる。

現場独裁主義のウィークポイントを巧妙に避ける方策を周到に仕込んでいるところが偉いと思う。

そういやスパルタクスはキューブリックにとって黒歴史らしいがどうしてだろ？
結構いい作品だと思うのに

うんいい映画かもしれないけどキューブリックの映画っぽくないんだよね
あまりにも人間ドラマしすぎた
キューブリックがそういうの嫌いなんだろう
突撃のラストもそんな感じ

お得意のシンメトリーな構図もあんまりなかったような･･･

というのもこの映画ってちゃんとキューブリックが監督といえるような指揮ができなかった事が原因らしい

蛇足だけどそう考えるとキューブリック成分が一番多い映画はバリーリンドンじゃないかな？
映像にもこだわってるし、人間を冷たく淡々と描いてシニカルな映画だし
人間なんて下らないって終わり方でいかにもという感じだった

>>34
一番影響を受けたのはオーソン・ウェルズだと思うけどね。
特に市民ケーンとか。
市民ケーンが「史上最も偉大な映画」に選ばれ、監督受けがいい所以。

>>36
評価の低い「ロリータ」なんかは原作を扱いきれなかった例に感じる。
原作を「小娘一人に翻弄される情けない大人」みたいなキューブリック好みのテーマに落とし込んだ結果、原作に比べてショボくなってしまったというか。
厳しい規制の影響もあったし、わざわざ脚本まで書かされたナボコフが可哀想になる作品だったな。

たまにだけどキューブリック監督とヒッチコック監督がごっちゃになることがある

退屈なのに目が離せない
2001年の休憩シーンは全く飛ばせなかった
なんだあの魔力

2001年だと最初の3分とか飛ばせないOPなんだよねぇ。何か意味があるんじゃないかなと。

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>>37
ハリウッドの製作システムに自分が合わないと痛感した作品だったから
キューブリックはスパルタカスでは完全な雇われ監督
自分のアイディアや意見は全く採用されなかった
唯一、剣闘士にペイントして殺傷ポイントを解説する場面が通ったくらい
この窮屈さに嫌気がさして、以降はイギリスで撮ってる

ヒューマニズム嫌いで人間嫌い
そんなキューブリックさんが僕は大好きです

ロリータは演劇的なシーン割のせいか、得意の独特の構図とか緊張感がなくて残念だったな
後期に撮ってればもっと違った感じになったかも

そういや彼の映画って地上波で流れてた所観た事無かったな。
フルメタとかが放送出来ないのはそうとしても他のは別に問題なさそうなんだが

マルコム・マクダウェルは失明っていうか
「角膜を傷つけた。コンタクトレンズでしてしまうみたいにね。
撮影を止めてもらえなくて、撮影終了と同時に麻酔をしてもらって安静にしたら、１日（だったっけ）で治った。治るまでは目がごろごろして気持ち悪かった。」
みたいな話だったぞ。by本人の『時計じかけのオレンジ』オーディオコメンタリー
まあ、危ないのには変わりないんだけどさ。

「時計じかけのオレンジ」も原作者には激しく嫌われてるんだってさ。
「あんな映画の原作者と思われるぐらいなら書かなきゃよかった」とまで言ってる。
原作弄りの名手ゆえに原作者から嫌われることに定評のある監督。

キューブリックって監督数少ないけど、ジャンルは結構多彩だよな。
ブラック・コメディ「博士の異常な愛情」、フィルムノワール「現金に体を張れ」、軍法裁判「突撃」、戦争「フルメタル・ジャケット」、歴史「バリー・リンドン」、ＳＦ「2001年宇宙の旅」、ホラー「シャイニング」等。

「スパルタカス」とかも雇われとはいえ、アンソニー・マン(名職人監督)から引き継いだ仕事をキッチリやり遂げるあたりやっぱ凄いわ。

個人的には人間の狂気をぶつけ合う戦争ものが一番好きだったりすんだよな～

原作の大幅改変が目立つのも確かだけど、意外にも時計じかけのオレンジはエピローグ端折った以外はかなり原作に忠実だったりするね(そのエピローグがあるかないかで大きく話が違ってくるのも事実かもしれんが)

あとバリー・リンドンなんかはキューブリックの意向でなるべく原作いじらなかったんだとか

「時計じかけのオレンジ」は原作者も脅迫の対象になったから、スケープゴートとして「この映画は嫌い」と言った。
それは主演のマルコム・マクダウェルもそうだった。
また、「バージェス＝時計じかけのオレンジ」という等式が嫌だったんだろう。
第一、原作者なら一番分かってるはずの暴力描写を「誤解させている」という理由で嫌うなんて意味不明。

時計じかけのオレンジに関してはキューブリック自身こんなコメント残してるしな
「このストーリーはいわばサタイア(風刺)的な物だ。真実の反対をあたかも真実であるように描く事こそサタイアの特質である」

完全な自由の中で暴れ回ってる主人公グループもそれを無理矢理洗脳して抑え込もうとしてる大人も、いわば全部サタイア

早死にしたイメージだったけど、亡くなった時は既に70歳だったのな
生きてりゃ90歳か、あと数作は新作見てみたかったけどなぁ
晩節を汚さず良い時期に亡くなったと思うべきか

スタンリー・"キューブ"リック
Stanley Kubrick
Totally Cubic
Totally Cube RickRoll'D

シャイニングのカットされたボールを投げ渡すシーンは善人という風に描かれた支配人が実はダニー一家をホテルの幽霊たちへの生贄に捧げたのでは？という考察があるから何気ないシーンというわけではないのでは？
132リテイクは多すぎだけどｗ

>>57
間違えた。ダニー一家じゃなくてジャック一家。

時計じかけのオレンジって
確か最終章を削って出版したバージョンを映画にした
って話だったと思うけど
最終章の存在って知ってたの?キューブリック監督

どうやら時系列としては
小説出版(この時点ではまだアレックスが改心する最終章はない)
↓
その小説を元にキューブリックが映画を制作
↓
映画制作の最中に改心ラストを加筆した小説が出版
↓
キューブリックも加筆版の存在を知ったが「噛み合わないし蛇足じゃね？」と判断して加筆版ラストは撮らなかった

って事らしいな
だから映画は改変というより最初に出版された内容までを網羅してるって事だと思う
ちなみに読んだ人は気づいたかもしれないが小説版は映画以上に暴力描写が苛烈だったりする
映画は当時色々言われたみたいだけどあれでも削った方なんだよね