ニコニコ大百科

ローマ帝国は内憂外患過ぎてこれと言った衰退原因一つ上げるのが難し過ぎる
次々新しい学説で問題が指摘されたり否定されたりする
しかもすっぱり絶滅せずに、衰退期が長い上に分裂しても一応存続していたから、この時期のローマの駄目な所はここ！みたいなのが際限なく出て来る

ローマ帝国がアメリカ大陸を発見して植民地にしてたら（結構無理あるけど）どうなってたと思う？「what if the roman empire discovered America」ってググれば結構出てくるんだが、なんかどれもこれも「コレジャナイ感」があってな…みんなの意見が聞きたいわ。

新大陸の存在に気付いて植民団送っても大半は海の藻屑でしょ
仮に運よく辿り着いても、交易どころか連絡すらまともに取れずに現地で自然消滅
奇跡的にローマ人勢力圏を作っても、それがローマ帝国の一部として機能するとは思えない
地中海沿岸部への拡大で限界を迎えたローマ帝国にブリタニア以遠を目指すのは厳し過ぎる
しかも中世中期と違って、ローマ帝国の頃はアイスランドが温暖じゃないから（アイスランド先住民は全滅してる）中継地として機能しないし、ノース人が行った航路探索より苦行

>>213 薄々勘づいていたがやはり無理か…そりゃそうか。ローマが遠洋航海出来る船持ってない(頑張れば開発出来たんだろうが)し、そもそも論でローマ帝国が探検や航路開拓をする動機が見当たらないもんな…。もし本気でローマを存続させたいならローマ市民への給付削減とか奴隷制廃止とか抜本的に改革しなきゃダメか。

>>211
良ければ、ローマ帝国の問題点を列挙してくれないか？ワイは漠然と「ローマは属州からの略奪経済で成り立っていた」程度しか知らないから…

>>215
2世紀ごろは経済だけでなく軍事まで属州依存だった
補助兵などと銘打って、属州や同盟国で志願兵を集めたり、市民には免除される徴兵をしたり
軍団の反乱を防ぐ為に兵を遠隔地へわざと派遣しないといけないが、それが滞るとどんどん軍閥化が進む
奴隷の供給が途絶えて、さらにアントニヌス勅令以降名ばかり市民全員に属州民並みに重税課してるわけで、下層民は首が回らなくなって農奴化が進む
農奴を使役する地主や貴族が力を強めていって、軍閥と結びついて封建制のような状態に
そのうち皇帝の座も強力な軍団を私物化できる人間が奪い合い
じゃあ市民権安売りしなかったらどうなるのと言えば、反乱起こされて力ずくで市民権ぶんどられる同盟市戦争がその前に起こってる
税を増やして交通網整備とか国境城塞建築して国土守ろう、っていう五賢帝時代の初期にはすでに軍事力の維持に限界が来ていた
属州が強大化して、相対的にイタリア半島が弱体化していたもんだからどんどん発言力を奪われた
収奪して弱らせようにも属州のご機嫌を損ねられなくなって主従が逆転し始め、慌てて属州の細分化したりしてるけど、群雄割拠な暗黒時代の道を切り開いていた様なもの
そのうち帝国の分割統治で誤魔化し始めて、東西ローマの成立はもう避けられない流

パクス・ロマーナなんていうけど、黄金期とされる2世紀頭には色々詰みになってた
もう余裕が無いってんでハドリアヌスの頃にちょっと東方で妥協したけど、元老が粛清されるわ皇族が自殺するわの大騒ぎになって、自転車操業の帝国主義を止められる空気でもない

>>216 こんなの何処から手をつけりゃいいんだ…

とりあえず皇帝に歯向かわないように貴族や大地主を粛清して弱体化させよう（思考停止）

属州が纏まらない為にブリカスみたいな分割統治方式にしたり、貴族や大地主に莫大な税をかけたり、もっと言えば元老院の権限を拡大して民主化する…とかこんな感じ？もっといい案が浮かんだら誰か教えて。

滅びようとも、征服されようが「中華」の概念だけは残り続けた中国みたいに
一度破壊してはリセットを繰り返し続ける、高い文化力で侵略した異民族を逆に取り込む

>>216　因みにニキなら何処から手を付ける？

第2次ポニエ戦争後すぐに穀物生産の不足を奴隷と属州で補って、軍事力を担う上級市民が貴族化してる
カルタゴとの戦いで財政ガタガタにしたうえ、反乱を抑えきれない土地と人を手に入れて軍事力も足りない

早いうちに無理な覇権を追い求める市民に失脚・暗殺覚悟で為政者が冷水を浴びせないと、拡大と引き換えに首が締まる

領土拡大に比べて技術の進歩が追い付いてないってコト！？

そう考えると集権制のローマ帝国が崩壊してヨーロッパが中世に入り、多数の封建制国家が成立したのは
制度が退化したというよりは納まるべきところに納まったのかもしれない

>>224
実際「ローマ帝国は衰退したのではなく、維持できないほどに肥大化したから複数の分枝に分裂したのだ」って解説する歴史家もいる

ローマ皇帝って
あくまでも市民の代表、皇帝と言えども一夫一妻、皇帝と言えども国内法に縛られる

神の様な絶対権力者だったファラオ、シャー、中華皇帝と比べると本当に異質な皇帝だったんだよな

>>226
それ、それぞれ全く皇帝とは無関係な ファラオ、シャー、ローマ皇帝 にも「皇帝」って語を使い回してるだけ……

>>224
むしろ諸侯の台頭を抑え込もうとしていたのがローマの寿命を縮めたまである
反乱地獄に軍事費暴騰で、反感だけ買って肝心の皇帝の権威も守れなかった
ついでに宗教権威の拡大も恐れていて、うまく活用できなかったのも痛い

まあ、だからと言って「植民地捨てて地方分権を強めて教会に跪いて分割統治して我らが海は諦めよう」なんて無茶苦茶な改革が出来る訳も無いけど…

地方分権でも「我らが海」を諦める必要はないのでは？
現に西帝廃止後のゲルマン王国時代には地中海貿易が活発化したし

何で中華みたいにローマの概念出来なかったん？

>>230
できてると思うが、たとえばどこらへんができてない？

今はもうあの辺全部ヨーロッパじゃん

SPQRって略称格好良くて好き神聖四文字よりも神聖

>>227
言いたいことはわかるがその論理は原語を無視し過ぎだ

ファラオやシャーはともかく、ローマの皇帝は原語のラテン語に戻すとimperator（インペラトル）
この呼び方は後継者を自任する神聖ローマ皇帝やフランス皇帝はもちろん
中華皇帝や天皇に対しても用いられる
（中華皇帝をラテン語に翻訳するとImperatores Sinarum、天皇をラテン語に翻訳するとImperatores Iaponiaeになる）

ラテン語に直すとローマ皇帝もフランス皇帝も中華皇帝も天皇もみんなimperatorになってしまうんだから、訳語が同じ「皇帝」になってしまうのもやむなしだよ
一部の人が勝手に言っているのではなく、大きな流れの中で同一という扱いになってしまった結果だ

>>227
いや、それは完全に逆で、その考え方が「原語を無視し過ぎ」なのよ
「ラテン語に直すと中華皇帝も天皇もみんな（今は）imperator」って、どれも原語じゃ imperator じゃなくて別の名前なものに imperator って訳語を使い回してるだけだし
だからこそ、原語を無視できない専門家らからは「エンペラーやエンパイアを皇帝や帝国と訳してしまったのは誤りだった」としばしば批判されてきたわけよ

ちなみに、皇帝の訳は最初から imperator だったわけじゃないし imperator の訳も最初から皇帝だったわけではないよ
たとえば神聖ローマ皇帝なんかも当初は「総王」「一級王」「教化王」なんかの日本語名で呼ばれてて「皇帝」と呼ばれるようになったのは19世紀後半のことだし、ローマ皇帝なんかも昔は「皇帝」が定訳とは限らなかったし
で、「今の翻訳がそうなっている」ってのは「大きな流れの中で同一の訳語が使われるようになってしまった結果」であって、同一の訳語が使われる理由の説明にはなってない

結局のところ、日本語から見ようがラテン語から見ようが、元々は全く無関係だったものに「imperator」や「皇帝」って訳語が使い回されるようになっているにすぎないって>>227に戻ってくるわけ

アンカー完全に間違えた
>>235 は >>234 に向けてね

いったんラテン語に直して云々てのは天皇も皇帝も英語でエンペラーと呼べるから天皇は皇帝！みたいなのと言ってることあんま変わらん気が
あるいはカツオもマグロも英語ならツナと呼べるからカツオもマグロ！とか

もともと、それぞれの語の成立過程がまったく違うからな
一応、天皇＝エンペラーと訳した当時に関して言えば、日本も蝦夷地・琉球・朝鮮と複数の地域を統治していたから
エンペラーという側面はあったけど
それ以前から天皇は天皇なんだから、別物とみるべき

>>235
言いたいことはまあわかった　自分の意見が間違っていたとは思わんが、君の言うことも一理はある

そもそも>>234を書いたきっかけはimperatorを皇帝と訳したことについて
「全く無関係」とか「使い回し」とか余りにも強い言葉で否定してたのが引っかかっただけなんよ
imperatorという言葉を生み出した当のラテン語のユーザーが、今や中華皇帝や天皇のことを普通にImperatores SinarumやImperatores Iaponiaeと言い表してて、imperatorという言葉や概念をゆるい定義で使うことを許可してくれてんだから、そこまで厳しく否定することなくね？　っていう話でさ

日本の天皇や「上様」みたいに御簾の奥にとどまっているイメージとはだいぶ違うね