ニコニコ大百科

>>30
厳密に言えば「八八艦隊計画を強行しようとした人間」は一人もいない。

立案・推進者である加藤友三郎ははじめっから対米対抗のために計画立ててたから
アメリカが（思惑はどうあれ）軍備制限を言い出したのを見てすぐに「趣旨において大いに賛同する」とおもいっきり持ち上げ米の退路を断った。その一方で「具体的な削減は専門家交渉でしっかり議論しよう」と、米英が日本の海軍力のみを廃絶させようとすることをきっちり封じてもいる。
そんなわけで彼の後継者たちがそのまま「条約派」として海軍の多数派を形成してた。

軍縮条約に反対したいわゆる「艦隊派」とは、その削減幅をどうするかということについて
「俺らの計算では対米7割ないと戦えないから7割絶対厳守、できないなら脱退しても仕方ねー」っていうスタンスをとってた一部の現場組。
だから対米7割が確保できるんであれば文句を差し挟む根拠も元々彼らには無かった。

話をこじらせたのはロンドン条約当時に軍令部長やってた「宮様」こと伏見宮博恭王の「軍令部は海軍省の制御を越えなきゃいけない」論、
終身元帥としてアンタッチャブルな存在になってた「神様」こと東郷平八郎の「条約派は何事も弱気で話にならない」論、
そして犬養毅・鳩山一郎の「軍は天皇の統帥権があるから政府が制御してはいけない」論の3つが重なったことで
艦隊派が一気に増長してしまい、条約派の将官たちは次々と追放されてしまったという次第。

つまり国家財政の問題以前、もっと低いレベルのただの部署間・政党間の争いの道具にしかされなかったのな。

>>24
むしろ海自が目指すのは「八四艦隊」っぽい。
ヘリ空母4隻＋イージス8隻体制ね。

>>32 そうそう。一つの隊群は、
対潜隊＝ＤＤＨ、ＤＤＧ（イージス）、ＤＤ×２
対空隊＝ＤＤＧ（イージス）、ＤＤＧ（ＦＣＳ３）、ＤＤ×２
という風になりつつある。
これをセット或いは別個に運用するのが今の考えだろうと思う。

ああ、ＦＣＳ３が搭載されててもＤＤＧじゃなくてＤＤなのか……。

http://m.dcinside.com/view.php?id=kancolle&no=1255167&page=1

中国の完全パクリじゃないほうの艦これが八八艦隊をバカにしている件についで（イベント名が『妄想艦隊を絶滅せよ！』で写真のボス部屋の名が「妄想機動艦隊」）

ジェネラルサポートから八八艦隊をネタにしたゲームが出ているようですね
http://www.general-support.co.jp/88fleet/f88.html
価格は三千円で割と手頃ですね。

長門型、加賀型、紀伊型の８隻、天城型、第十三号艦型の８隻
これは最終案であって手初めてとして作られたのは川内、摂津、金剛でそのあと八四→八六→八八と増えていったんだよ。

>>37
誤変換
川内じゃなく河内

八八艦隊計画で一番頭おかしい部分って、期限の指定もなく『艦齢八年未満の戦艦群を16隻』とか書いちゃってるとこだと思う。

年2隻を超えるペースで延々と戦艦を竣工させ続けるとか……
ペースを維持できても十六号艦ができた頃には長門代艦が必要になるし、ちょっと遅延すれば一応のゴールすらできないときた。

>>39
大丈夫じゃないだろこれ…

>>39『艦齢八年未満の戦艦群を16隻』
予算承認された時期を考えると、そこまで無茶でない上に必然性に基づいた話なんだぜ？
八八艦隊予算が通過したのは1920年、言わずと知れた長門が竣工した年。
ではこの8年前と言うと、ようやく金剛が回航されてくる年、自前では河内型が主力だった。
当然長門と比較すれば河内など論外、金剛でも言うほど速度が変わらず攻防は圧倒的、勝負にならない
逆に8年後を見通すと、八八艦隊完成。つまり16in砲12門以上かつ30ktの高速戦艦が完成している予定
防御方式も大きく進歩し、攻防速のいずれを比べても長門では逆の意味で勝負にならない

つまり当時の常識では、8年もたてば戦艦は一線級足りえない。
だったらその位のペースで揃え続ける必要がある、と言う事になる、それだけの事
そして構想段階の時点では戦艦の建造費は三千万円前後、経済成長も加味すれば無茶では無かった。
日本のみならず、主要列強は当時どこもそんな感じで戦艦建造計画を立てているしね。
ただ、戦艦の加速的性能向上とともに建造費も高騰し、更に特需終了による経済鈍化により無茶に至る。

実際
「どうにかこうにか国産戦艦を揃えたと思ったら弩級ショックでことごとく旧式化」
っていう惨事があって、大正のはじめくらいから
「金剛型8隻扶桑型8隻揃えないとヤバイ」っていっていろいろ計画はじめてるしなぁ
それが財政緊縮と二個師団増設問題にぶつかってえらい事になったり

改めて見直すと、八八艦隊を取り巻く政治状況についてはかなり濃いけど、肝心の八八艦隊そのものについては主力艦の要目がさわり程度にしか載ってないんだなこの記事・・・
加筆したいんだけど「ユーザー記事をうんちゃら」とか結構ルールが複雑そうで良く分からんので困る

>>43
プレ垢の俺、自分のユーザ記事は難しく考えなくていいよ。俺は別に手加えてないし。

>>44
お、そうなん？と思って更新ページもっかい見てみたら一般会員はダメだった事に今気付いた…すまぬ

自衛隊の八八艦隊も加筆してあげたら？「沈黙の艦隊」とかに出てるし

要するに大戦特需というラッキーに恵まれておきながらこの程度の艦隊を整備する国力すら養えてない時点で日本に帝国主義時代を乗り切ることなんて土台無理な話だったんだな…

>この程度の艦隊を整備する国力すら養えてない時点
この程度、って・・・
おまえ、最低でも長門以上の大型高速戦艦１６隻整備した国なんて一体どこにあると思ってるんだ？

1ヶ月で翔鶴以上の空母量産できるあの国とか、イギリスなんか1年で8隻も戦艦建造したこともあったし、末期帝政ロシアですら戦艦24隻、巡洋戦艦12隻配備する計画あったし、同時期やWW1前後の列強の建艦計画見てると八八艦隊ってかなりおとなしい計画に見える。

>>49
>1ヶ月で翔鶴以上の空母量産できるあの国
あの国基準でモノ言ったら、>>47は
「世界経済の半分強を占めないと帝国主義時代を乗り切ることなんて土台無理な話」
って話になりますやん？暴論にも程があるし、
時代や戦備（空母主体、世界的経済推移）が違うんで比較も困難
そもそもあの国だって八八艦隊計画と同時期の三年計画は八八艦隊と大して規模変わらんし。

>末期帝政ロシアですら
実現不可能な例を出してもね。紙に戦艦の数書くだけだったら自分でもできる
金の面に目を瞑っても、当時のロシアの造船力から考えて
一体超弩級戦艦３６隻って何十年計画よ？と問いたいんですが。

続き
>イギリスなんか1年で8隻も戦艦建造したこともあったし
これについては比較対象になるのだが、上でも触れられてるが
八八艦隊計画が危うい計画になった理由の一つに「戦艦建造費が高騰したから」というのがある
１年で８隻も、と言った所であの時の戦艦（コロッサス級辺り）の規模と言ったら
満載でも２．２万ｔ程度と八八艦隊最小の長門型と比べても半分ちょい程度の規模しかない。
しかも価格自体の高騰はより急で、コロッサス級１５０万ポンドに対して
八八艦隊計画艦と同時期同規模の戦艦フッドは６００万ポンドにまで高騰している。
これを元に言えば、当時の１年８隻なんて毎年やってようやく八八艦隊ペース。

貨幣価値の変動もあるが、高価な大馬力機関や厚い焼き入れ装甲板、
大口径砲と高度な射撃装置を有する超弩級高速戦艦はそれだけ高いんだよ。

そうでしたか、色々と勉強不足でした。すみません
一応ロシアの計画は
1908年からの10カ年で太平洋・バルチック・黒海の3方面にそれぞれ戦艦8隻・巡洋戦艦4隻を基幹とする艦隊を整備。
合計戦艦24隻、巡洋戦艦12隻。らしいんですが、多分ガンクート級戦艦やボロジノ級巡洋戦艦レベルの艦が中心でしょうから八八艦隊とは一概に比較できませんね。
他にも
ドイツ
既存艦を含めて戦艦41隻、巡洋戦艦20隻、巡洋艦40隻他からなる艦隊を構築。戦艦・巡洋戦艦の運用年数は20年。
イギリス
具体的な数字はないが、「ドイツの2倍」という基本方針。戦艦・巡洋戦艦120隻？
の建艦競争を行ってたらしいので数字だけ見て誤解していました。失礼しました。しかし、ホントひどい時代だったんですね…

ロシアは1908年計画で言うと、
竣工までは大戦の影響で厳しいと言っても1915年までで起工まで行ったのすら12隻止まり、
1909年ガングート起工から数えても既に7年経過だからなぁ
このペースで戦艦24隻、巡洋戦艦12隻作ろうと思ったら大戦が無くても早くても２０年計画になる
しかも分かってる限りで最後発のボロジノ級に至っては主砲開発に失敗したとあり
間違いなくロシア帝国の能力を超えた計画だった、としか

>ドイツ６０隻、イギリス１２０隻
あそこらの半ばノリで言ってるような話まで入れて良いとしたら、
八八艦隊計画じたい、１６隻と言うのは"艦齢８年以内"であって、運用年数自体は２４年と想定していたそうな。
つまり、１６隻目以降もずーっと毎年２隻起工し、長門が引退に差し掛かる頃には
第三次八八艦隊が完成、長門を最小として４８隻の巨大戦艦を有している事になる、というのが全容なんで
話の勢いでは良い勝負だと思うよ？

やめて良かった国家事業の代表

最近の海自と空自の当備品調達予算膨張、下手をすると八八艦隊の轍を踏みそうで冷や冷やしている
当時と違うのは、膨張しているのが米国の有償軍事援助（FMS）なのと、海事と空自の予算膨張のかなりの部分が陸自予算の縮小で賄われていることだが

陸自の縮小とか、兵器輸入のしわ寄せで生じている国内からの装備品調達予算の圧縮もそれはそれで憂慮される事態だし、制服組からは不満が出そうだな

軍拡競争が続くと日本の一人負けは避けられない以上、今の東アジアに必要なのはワシントン海軍軍縮条約的な軍縮条約の締結だが、

アメリカはトランプだし、安倍ちゃんはイケイケだし、ロシア中国には軍縮の意図はもとよりないし絶望的。

>>56
>今の東アジアに必要なのはワシントン海軍軍縮条約的な軍縮条約の締結

あるとしたら中国で史上類を見ない規模の大恐慌が発生するとかかな。
中国国民ですら｢軍拡よりも生活の安定を｣ってデモ・暴動を起こすくらいの。
いの一番に米第三・第七艦隊の削減、ミサイル防衛凍結を条件に求めてくるだろうけど。

>今の東アジアに必要なのはワシントン海軍軍縮条約的な軍縮条約の締結
難しいわな、そんな物をやろうとするともっとも攻撃的な海軍艦艇、つまり空母が軍縮の中核になる
かつて同会議では主力艦制限をする際、もっとも持てる側のイギリスが二位（アメリカ）の分まで
削減を許容する事で、軍拡基調の強めだったアメリカも大人しく従った
日本は口じゃ色々言ってたが、米英が妥協して５０万ｔまで降りて来たから従ったし、そも金が無かった
今これをやろうとすると、間違いなくアメリカが中国の建造中数の最低でも倍程度にまで空母を減らすのか？
って話にならざるを得ない。さも無きゃ中国の現行計画までを許容するか。
今更米が空母を半減させる事などできないし、逆に中国の計画を認めたらお墨付きを献上するだけに終わる

現在中国が保有、計画中の空母は５隻だが、全部完成しても４０万ｔに遠く及ばない
アメリカは今運用中の１１隻だけで９０万ｔにもなるが、
このままの状態で「中国は空母作るな！」と言った所で中国にボロクソに非難されるだけ。
上が言われるような韓国・日本のミサイル防衛網破棄、在日在韓艦隊廃止を引き換えなら別だが…

記事作成者への応援として、八八艦隊の補助艦について捕捉

・空母
鳳翔の他、鳳翔の拡大型の12500ｔ級空母として翔鶴型2隻（二番艦名は「飛翔」説有り）を計画
八八艦隊計画としては4隻の空母を整備する計画だったとあるが、翔鶴型以降は予定が無く
水上機母艦若宮（当時の艦種は"航空母艦"だった）を含んでいたと思われる

・巡洋艦
当初は天龍型と7700ｔ級軽巡の二本立てが整備される予定だったが、天龍型では不足と判断され
5500ｔ型18隻の大量整備が組み込まれた。（後に4隻がキャンセル、1隻が夕張型に変更）
また、オマハ型大型軽巡への対抗として8,000t級大型巡洋艦4隻（後の古鷹・青葉型）が計画された

・駆逐艦
一等駆逐艦として峯風～睦月型、二等型駆逐艦（樅型～若竹型）がこれに当たる
特型駆逐艦の登場が主力艦制限を補う発想であった事を考えると、八八艦隊計画が遂行された場合
特型に属する大型駆逐艦は登場しないか大きく遅れた可能性が高い（と言うか絶対カネが足りなくなる）

・戦艦（予算）
八八艦隊計画のうち戦艦の多くは中止されたが、予算は大部分が大正十二年度艦艇補充計画に転用されている
つまり、この頃計画された妙高型重巡、吹雪型駆逐艦は八八艦隊計画艦の生まれ変わりと言える

前提条件として海軍省と軍令部との力関係理解していないとこの問題、やっぱり煩雑だな……

事例としては、普遍的な中央と現場のパワーバランスだったり、外交と軍事の一体性だったりなので学べることは多いと思う。