ニコニコ大百科

それなりにシリアス展開もあった盾の勇者とかでも悪党はただひたすら悪党なだけだったなあ

盾の勇者とかありふれとかそうだけど、昔ながらの勧善懲悪を揶揄した「王道勇者」が敵として出て来て、現代の勧善懲悪の象徴たる主人公（主に、同じ人間に叩きのめされた結果甘さを捨て世界を憎むようになった感じのキャラ）がそれを叩き潰す描写がある作品は時代の流れに沿ってて信用できる

いわゆる昔ながらの勧善懲悪を揶揄してそれを象徴したキャラを叩き潰しても、大義名分が変わっただけでやってる構図としては勧善懲悪と変わらんもんな
それがかつて人に痛めつけられたからみたいな動機があっても、結局はルサンチマンだしな
いわゆるアンチ勧善懲悪ってそれを叩き潰すのではなく、何が正しいのかわからない正義を相対的に描く作風なんだと思う

>>182
王道勇者を叩く展開あんま好きじゃないわ
そういう作品って魔王側を美化するけどそれって結局ベクトルが違うだけでやってる事同じやん

まあ王道叩き、なろう的展開を嫌う声もあるし、鬼滅の刃みたいに（多少残酷向きだが）王道の強さを見る限り、時代の流れってより、ネット一部のサブカル・なろう界隈は作者も読者もオタク化して、ガラパゴス化してるだけって感じはあるなぁ。

自身の欲望を肯定したいが他者の欲望は醜いから嫌い、綺麗事は嫌いだが正しくないことや悪は認められないとかの矛盾ぎみの思想が強く混じり、王道的な勧善懲悪の不都合な面が排除されたり、カリカチュアされた勧善懲悪っていうか。

ぶっちゃけ復讐物として見ても、昔の復讐物と比べたら、不純なもんが入っているし。

なんというか王道勇者を揶揄して扱き下ろすのは勧善懲悪に対するルサンチマンを感じなくもない
綺麗事が嫌いなのも自分を助けてくれなかったことへの裏返しのように思える

昔っから主役じゃないヒーローは道化役とか悪役押し付けられることあったよ
そのまんま勇者を虐殺する悪役として描いた名作ゲームもあるんだし

なんかルサンチマン言いたいだけの奴がおって草

>>188
そら勧善懲悪の善に見立てた勇者を復讐という形で打ち倒すのはやってることはまんま魔王を打ち倒すのと構造的に変わらんし、ニーチェの言ってることにそっくり合致する例じゃない？
勧善懲悪への憎悪によって道徳的優位に立とうとしているというべきか

むしろ今って正義の反対は正義ですよとか敵にも悲しい過去やどうしようもない事情があるんだよみたいな作品が食傷気味になってて勧善懲悪再評価の流れかと思ってたんだがそうでも無いのか？

「勇者」とか「ヒーロー」とかそういう如何にもな正義の味方が勧善懲悪の悪役ポジションに置かれるケースがなろうとかを中心に増えてるだけで勧善懲悪の流れではある。

平成初期ライダー辺りでの「主人公もまた暴力で物事を解決する存在」みたいな思想は消えて
「悪にそんな事情は無いので潰して問題ない」と戦うことが肯定されるようになってきたし

一方で過去の勧善懲悪と違うのは、最近のプリキュアで言われた事だけど
「救えない奴は救う必要なし」と全体に奉仕する必要なしという新しい価値観に沿ったものになってる

そのシリーズで異端なだけであって別に新しい価値観でもない気がする
異世界に転生してチートスキルゲットした主人公が基本自分のためにしか動かない作品は随分前からあるし

主人公一党or連邦は善、ジオンは悪党で描かれないと発狂するガノタが結構いるのはビックリした。
ノイジーマイノリティかも知れないけど。

>>192
新しい、ってのは語弊があった
要は「現代的な価値観」と言いたかった

主人公に完璧を求める事からの脱却というか、全て救えという呪縛からの解放、要は「赦し」
昔のウルトラマンとかに顕著だった「認められなくても、人が幾ら愚かでも救わなければ」と苦悩させられてた描写に、平成初期ライダーの「正義を御旗に暴力で自分のエゴイズムを貫いてる怪人にすぎない」という描写。
これらに対して現代は「敵は救わなくて良いんだよ」「力で解決しても良いんだよ」という寛容さが主流だからね。

一方で、社会が蹴落とし合いになってる現代において、悪役に「正義の勇者」が加わってるのは
「主人公（読者・視聴者）を軽視、冷遇、追放した社会の象徴」たる存在だからだろうか、と見るのも面白い。

平成初期ライダーってむしろ出来るだけ手の届くところは救おうとするかなりの善人みたいなの多くないか？
クウガもそうだしアギト剣あたりもそういう傾向龍騎にしろ主人公はかなりの善人だし、ライダーバトル自体は正義じゃなくて願いのために戦ってる
2000年代前半は9.11とかイラク戦争みたいに混迷する時代や相対化する正義ってのが大きく影響与えてはいるだろうけど
相対化した正義同士の対立を対立を描くのではなく王道勇者を矮小化する作品もあるけど、これには何が影響を与えてるんだろうか

昭和ライダーでも救えなかった人は普通にいるけど（シャドームーンとか象徴的）救いというより正義の味方でも全てを救えるほど甘くはないっていう残酷な現実だと思うよ
どれだけ愛と平和を大事にしててもやらなきゃやられるからね

昭和の「全ては救えない」って展開はどんなに頑張ってもとりこぼされたり、上手くいかん時があるって話であって、やらなきゃやられるって話という訳ではないと思うが。平成なると誰かの善は誰かの悪になる、正義＝大の為に小が犠牲になるみたいな形に、残酷な現実像は変化したが。

というか平成初期こそ暴力や倒す苦悩、話し合い重要ってのも多いし（クウガとか守る為とはいえ暴力を振るい続けた報いとして死なす予定だった位に潔癖）、平成中期なんて殺す赦しというが、敵だけど殺したくないとかは許さず、実態は民（俺達）を危険にさらす行為は身勝手だ殺せってやつで、殺したら殺したで罪悪感感じ続けろ！と、むしろ昭和よりもずっと厳しかった気がする。

最近の「全ては救わない」みたいなノリは、現実を見てるようにで否定してたり、世界の残酷さをやたら描く割に自分周りは碌に犠牲が出ないって、残酷な現実を拒絶するような都合いい話になってたりってのはあるかも（犠牲が出ても、身も蓋もないが死んでいいサブキャラ、死んで活躍する奴だったりと喪失感は薄い）。

世の中の流れでしかないんじゃないの
甘いものばかりだと刺激が欲しくなるし、辛いものばかりだと甘いものが欲しくなるようなもので、勧善懲悪ものが多いと飽きて違うジャンルが欲しくなる人が増えるんじゃないか？
反対に、小難しい正義のぶつかり合いを描いた作品が多くなるとそのうちスッキリした勧善懲悪ものが読みたくなるだろうし
もちろん飽きがこないって人も居るとは思うけど、大半の人は新しいもの、味わっていないものを求めてると思ってる。

>>193
ジオン物の外伝マンガだと、連邦側は非人道的なヒャッハー系だったり
やられ役だったりと、露骨に改悪されているが、ジオン兵側は美化されているけどな。

難民であるが侵略者でもあるバルタン星人を全滅させた(何匹も生き残ってる)とか
(ウルトラ星を操って地球を壊そうとするババルウ星人が化けたニセ)アストラをオレ達は殺す(殺さねば地球が滅ぶ)とか
何十年も変わらずネチネチ言われ続けてる

常に中立の立場の流れ者の主人公が残忍な奴隷商人の側に立って奴隷の叛乱を阻止して首謀者達を全員吊して商人は無事奴隷を売り払って結構な額の礼金を貰ってホクホク、みたいな話があったとしても「やっぱうまく立ち回る奴が賢いんだな」と現代的に感じる

現代的に考えたら倫理的問題以前に叛乱起こされるような奴隷商人は無能としか思えんし、それを鎮圧できるような流れ者なら傭兵や護衛としてもっとまともな仕事できるでしょ
どういう世界観の奴隷商人にもよるが一時期残虐を極めてた黒人奴隷に対する扱いならともかく、まともな奴隷商人なら残忍すぎる扱いで労働力をダメにしないでしょ

削除しました

創作は、善が勝とうが悪が勝とうが、作者に都合よく描かれてるもんだし、>>201も、金と力と頭や残酷さを「善」として、それに反する物を「悪」とした、形の違う勧善懲悪でしかないだろう。露悪的ななろうもこれに近い。

正直者は報われない、正義は勝てないんだ、とかの読者の現代観（これも悪は否定され、正義が勝つってのとぶっちゃけ変わらない、どこまでいっても主観的なもの）に合い、悪どく立ち回ればきっと勝ち組になれる、悪に味方しながら中立でいられる（批難される悪人になりたくない）と、都合のいい願望の投影先の面があるもの。

実際は現実でやっても上手くいく保証がない、そもそも読者にはできないって点で、既存のヒーロー物とさほど変わらない。

削除しました

正直者が損をする=吐き気を催す邪悪の勝利にはならんでしょ
どういう作品を想定してるのかはわからないが、吐き気を催す邪悪なんて作中世界でも大多数の人から支持を得られなくて負けるのは当然なんじゃないか
あと損をするタイプの正直者って要領が悪かったり、独自のこだわりがあったりして競争に負けて損をするって感じだし、そういうタイプと対照的に描くとしても要領がよくて利に聡い人間とかになるんじゃない？
正直者=正義感を大事にする人ってわけでもないからそれだけだと何とも言えんのもあるが

削除しました

それ以前にまず吐き気を催す邪悪レベルの悪党って大多数の人にとって悪いことばかりするんだろうから支持を得られないだろうし、仮に圧倒的な武力を持って圧政を敷いたとしても反乱起きるか力が衰えた瞬間に崩壊するでしょ
悪党が権力握って荒れた社会では大多数の人が損をするし、反抗を抑えるために譲歩を見せたらそれはもう悪党じゃないわけで

>>205
エロ本とかだと割とあると思う
当然それは物語のテーマが「少女が敗北して凌辱される」という嗜虐的な性的欲求を満たすためであるから、敵が卑劣な方がそのテーマに沿っているし、作品の目的を達しているので批判される事はあまりない
『ヒーローの行っていることが本当に正義なのか？』という形の作品は多数存在するが、悪が勝つことだけでは正義のアンチテーゼにはならない、なので単に不快な存在が勝つだけでは胸糞な話になるだけなわけだ
もしアンチテーゼとするなら『天道是か非か』いったものを前面に押し出した構成にするなど、テーマをしっかりさせないとダメなんじゃないかと思う

お前は存在してはいけない生き物だとか
こういう奴は生かしておいちゃいけないって…わかるはずだ！
と言わせるような悪役なら勧善懲悪でもいいんだけど
そう思わせない奴が絶対悪として描かれててる状況にはもにょるというか
個人的なセーフティラインが広いからとも言えるけど