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人間昆虫記

>>840
(あまりこの言葉は好かないけど)所謂「黒手塚」と言われる作品群を読んでみると面白いかも知れません(『アラバスター』や『奇子』、『きりひと讃歌』、『ばるぼら』etc.)。でも『ジャングル大帝』とか『ブラック・ジャック』、『火の鳥』のようなメジャーにも手塚のダークな魅力は溢れてるし、いつでも異色で新しい人だと思うから、何でも読んでみるのがベストと思う。
個人的には、読切だけど『ペーター・キュルテンの記録』が面白い。あれは実録マンガとして手塚の中でも異色かも知れないし。

今でも生きてたらハーレム物や異世界転生物を絶対批判してただろうな
美少女で釣る様な軟弱な漫画家に喝を入れてくれただろう

いや、俺の方が上手くハーレムや転生を描けると対抗する

そうね。
ダッチワイフに生命が宿るドタバタラブコメとか、
ある日突然超古代文明人の超能力に目覚めた少年が現代文明を滅ぼして自分の国を作るためにやりたい放題する漫画とか、
そういうの痛烈に批判しただろうね。

今生きてたらむしろ>>843みたいな「創作は高尚（）たるべし、昨今のは大衆に迎合し軟弱なのである」みたいな知ったかぶり批判を作品でぶん殴ってたと思われ。というか何なら仮定じゃなくても生前からそんな感じ

>>843 ～ >>846
忘れられがちだけど手塚治虫ってかなり高い審美眼の持ち主でそこまで体系だってはしてないけど批評家としても結構鋭いから、単に美少女が出たから駄作・傑作言う人じゃないだろう、無論手塚を援用するオタクがたまに望む手放しな称賛もしない。
ハーレム物ならそこに確固たる人間ドラマが有るか、そういうのが好きなオタクに向けた内輪ウケを狙ってはいないか、普遍性があるか、それにマンネリズムな手癖に堕していないかに言及すると思う。実際そっちの方がPTAの悪書云々より余程厳しい。
実際、吾妻ひでおに好意的な言及してたり、豪ちゃんと仲良かったりするしで、手塚自身結構エログロナンセンス、ギャグに親和的な作家だけどだからと言ってそういう作品を無条件に肯定する訳では無いだろう、寧ろ親和性があるから厳しく扱き下ろす事もあるだろう。

後誰か手塚作品記事作成ブームにあやかって『ジャングル大帝』と『きりひと讃歌』の記事作って(小声)

>>847
口さが無く言えば、蓋し手塚作品のエロスってメタモルフォーゼ的なエロスで、メタモルフォーゼのエロスは敢えて言えばセックスのコミュニケーション―粘膜の交接(男女の合体)、勃起、妊娠、性徴、或いはそのサディスティックな否定―のエロスだから、
手塚を持ち出して議論してる擁護派も否定派もそれがおっぱいが見えたパンティが見えたペニスが映ったレベルのオナニー指向的なエロ表現ならズレてるとしか言いようがない

結局「ぱいどん」て面白かったんか？

三つ目が通るなのは分かったw

>>846
ツイッターでフェミニスト叩いてそう

ハーレム異世界で英雄になって美女にモテモテなんて物語は
手塚が漫画よりもずっと古いシロモノだから
いまさら描くには古臭いなあと言うことは言ったかもな

ツイッターやってる暇あったら漫画描けって言ってるよ

>>849
良く言えば手塚治虫の熱烈なファンが初めて描いた漫画みたいな作品

話題変わるけど『きりひと讃歌』の記事作ってくれた人ありがとう。「罹患」が「羅漢」になってる所以外のいい記事でした

そりゃ鬼滅とかソシャゲ系なら手塚治虫も嫉妬メラメラで対抗した気はするけど
なろう系程度で嫉妬する気もしねえなあ

異世界ブラックジャックとかあったけど全く話題になってなかったし、ありゃ結局金払いのいい中年層の少数ファンが支えてるビジネスみたいなもんだろ？

ロリコンブームとかはサブカル界隈というか「知識人」が持て囃してたからプライムローズみたいなのを書いたのはわかるし、アトム今昔物語みたいなのも世相に合わせて書いたのはわかるけどなろう系がそこまでのものとは思えん
はっきり言って歯牙にもかけないレベルじゃないか

>>856
なろう系の作品的価値は措いておくけど、手塚がジェラシーを感じた逸話がある作家―ぱっと思いつく限りで彼を追い込んだ劇画家の白土三平,梶原一騎,さいとう・たかを、石ノ森章太郎、水木しげる、大友克洋、あとライバルではないと思うけど吾妻ひでお―みんな(全集が整備されてる手塚ほどじゃなくても)読み継がれてますからね

>>857
(続)尤も今でも残ってる作家に対してだけそういう逸話が残ってる事によるある種の生存バイアスかもしれませんが…

>残ってる作家に対してだけそういう逸話が残ってる

それはそうだと思う
結局、有名な漫画家との交流エピソードしか後世に伝わっていかないから、結果的に「手塚治虫が嫉妬した・注目した人はみんな大成していく」ように見えるだけな気はする

ちなみに、生前の手塚治虫がある時「後世に残るであろう漫画家」として挙げたのは、山上たつひこ、バロン吉元だったんだけど、この二人が現在そんなに注目されてるかっていうと…まあ、そんなでもないかな…

今までの話ぶった切るが、中学生時代の強烈な思い出として、父方の祖母の家に同居していた未婚で亡くなった叔母の書棚を覗いたら、日本文学全集とかに混じってあったんだ、「寄子」が。
未だにどう解釈していいやら迷っている。

左翼っぽい思想が垣間見えるよね
所謂トキワ荘世代の漫画家って戦争とか公権力に対しての忌避感みたいのをやたら感じるんだよな、藤子とか赤塚も

そりゃ戦争経験時代の人だからね
若者にとっては過去の出来事だけど経験した人らにとっては地続きの歴史だから
理不尽な扱いも受けただろうし、理不尽を強いた連中がのうのうと生きていると思えば不信も積もる

まぁ一応当人はリベラルを自称していて、左翼嫌いっぽいんだけどね
特に新左翼に対してはボロクソ言ってるし、漫画だと大抵悪役

左翼と言いつつも学生運動には批判的よね

そら、ヘルメットと角材で暴れるより
勉強してちゃんとした大人になってくれた方がいいもの

>>862
>>863
左翼批判に関しては手塚も会社の経営してる実務家や漫画界の重鎮の面もあってラディカリズムに簡単に同調出来なかったのも大きいんじゃないかと思う。

>>865
(続)
他には確か横尾忠則との対談で絵描きはより感覚的・直感的に理想世界を描こうとすると言っていたような気もするし、そういう芸術的ロマンチストが漸進的な政治的あれこれにコントロールされるのは左右に関わらず嫌がりそうだ。学生運動や新左翼について何の知識の無い自分があれこれ言うのもなんだけどそういう現実的地位と強いロマン志向の両立とそれを成り立たせた育ちの良さやユーモアが手塚にはあると思う。

誰か作れそうならダスト8、ライオンブックスの記事作成お願いします(小声)

今にして思えば
作風は後進の漫画家には影響与えたけど
一般受けはしないよなぁって
もし一般受けするなら
ドラえもんや仮面ライダーやサザエさんみたいに
国民的アニメが出来てるはずだが

変態性の濃い作品も少なくないからなあｗ
そこがまた個人的に刺さるんだが

>>868
鉄腕アトムを忘れたのか…確かに今は人気も錆付いてるけどさぁ
とはいえ手塚の場合国民的アニメを輩出したという功績より
一般受けしないであろうジャンルですら飛びついて常に先人となり
作品を意欲的に出してくる幅広い作風だな
今日漫画は多様化し様々なジャンルの漫画が描かれるようになったが
その度に新雪を踏んだ手塚氏がクローズアップされて伝説が強化される訳だ