ニコニコ大百科

>>659
「父嵩、乞丐し攜養し、贓によりて位をかり、金を輿に璧を輦に、貨を權門にいたし、鼎司を竊盜す」は曹嵩は曹騰に乞われて養子になって金品を積んで地位を手に入れたくらいの意味では？乞食？

乞丐はカタイと言って一応意味は乞食と同じ。
もちろん曹騰の一族が乞食するほど衰えていたとは考えにくいので
この辺は「どこの馬の骨ともわからん奴が」程度の意味じゃね？
曹操の父親である曹嵩は、どこの馬の骨ともわからん奴だったのに、
（曹騰に）養われて、金で官位を買い贅沢三昧して、賄賂で三公の地位についた
ふてえ野郎だ、ってのがおおよその意味だと思うけどね

「異土の乞食（かたゐ）となるとても」（小景異情）って習ったなあ
まあほんとに乞食やってたら宦官の養子なんて地位は買えないだろうしこき下ろすための誇張表現だろう

>>658
https://hongkong-bs.com/topics/20180327/

『（前略）河南省文物考古研究院は墓の建築構造などから遺骨はほぼ間違えなく曹操であると発表しました。（後略）』。
魏武帝陵の発掘は事実として理論展開している以上は追認に過ぎないだろうが、一応紹介して置きたい。

すげー素朴な疑問なんだけど、なんで徐州でたくさん人を殺してしまったんだ？
うまく立ち回れば「父の仇を討つ為に立ち上がった孝行息子」って評判もゲット出来たのに……
やっぱり冷静じゃなかったのか？、それとも配下が暴走した？

>>665
当時のミリタリーバランス的に、曹操軍の強さとヤバさを見せつける必要があった説

直接的な原因としては帰順直後で野盗同然な青州兵を使ったこと
それが計算外だったのか意図したものか、後者ならその狙いは…は絞りきれんね
玉虫色だけど全部ある程度あった気もする
復讐心や武力誇示である程度以上には暴れさせるつもりだったけど思った以上に抑えが利かなかったみたいな

于禁なんか味方から略奪してる青州兵討伐したくらいだから
まあ抑えが効いてなかったのであろう
ただし想定はしてただろうからそれ以上はもう想像するしかなくなる

官渡の戦い前に袁紹側の陳琳が書いた曹操の誹謗中傷を行う檄文にも
徐州の大虐殺は書かれていない。つまり曹操主導でないことは明らか。

ただ、徐州は本来戦乱から逃れる者が集まった土地であり、そういった
ところに曹操が兵を出して己の勢力を拡大しよう、乱世に巻き込もうとしたこと
そのものに反発している感はある。正史では先に曹操が徐州を攻めて陶謙を破り、
その後陶謙が曹嵩を殺害、（殺害理由はどうも曹嵩の護衛が多すぎて輜重隊と誤認した説がある）
最終的にそれでも戦争は続いたというのが事の顛末。

曹操が徐州で大虐殺を行ったというのは呉側の記録であり、徐州出身の豪族名士が
曹操のバッシングも含めてやってる感は否めない。ちなみに曹操の父親である
曹嵩が死んだ時、どうも諸葛珪も同じ場所で死んだのではないかと言われている。
のちの蜀の名宰相、諸葛亮の実父である。歴史の因果。

屯田制によって曹操軍の兵糧事情が解決した的なことが言われているが、実際は話袁紹を倒して華北の肥沃な土地を手に入れるまでは曹操軍の兵站は全く安定していない
そんな状態で公孫瓚に青州を叩き出された流民や賊を配下にしてもやることなんて大規模な略奪ぐらいしかない
青州兵が曹操に求めた降伏の条件は恐らく日本の戦国時代で言う乱妨取りの公認だったんだろう
自前の兵力は貧弱（揚州で集めた兵にも逃げられた後）な上に公孫瓚や袁術、陶謙に包囲攻撃されてた曹操としては藁をも縋る思いで流民たちに略奪のOKサイン出したんじゃないの

>>669
陳琳の檄文に書いてないのは袁紹も曹操を支援して関わってたからでしょ

と言うか陳琳の例の檄文は曹操がどんなに酷い奴か＆曹操のせいでどれだけ人々が嘆き悲しんでるかはツラツラ書いてあるけど具体的に何をしたせいでってことは殆ど書かれてない
せいぜい皇室を牛耳っているぞー、くらいか

陶謙が攻められたのはそもそも闕宣を支援してたからじゃなかったっけ？

陶謙と曹操の対立は闕宣の前から
公孫瓚の要請に応じて劉備・陶謙・単経・田楷らに袁紹を圧迫させた際に曹操が陶謙を撃破している
闕宣と結んで兗州で略奪したのは闕宣軍の吸収だけでなくその報復も兼ねてたんだろう
だから徐州虐殺があった前提でも、虐殺はともかく侵攻自体が行われたのは時間の問題

脱線するが当時陶謙は呂範を拘束して拷問する等袁術とも手切れになっていた節があるので徐州は遠からず誰かによって攻められていた

陳琳の文に徐州虐殺が触れられてないってのは盲点だった

あの辺、史書以上に色々ありそうなんだよな～
袁紹VS袁術の間にどれだけ史実に残らない密書があったか
孫家とかもそうだけどさ

虐殺の真偽はともかく
徐州からの避難組ネットワークから曹操が嫌われていたのは確か
虐殺ではなく派手な粛清行ったのかもしれない

公孫瓚に追い出されて青州から流れてきた百万（誇張だろうが）の流民の飯を搔き集めるには徐州に攻め込んで略奪するなり強制移民させるなりしか方法がなかったんじゃないの
おまけに呂布に兗州の殆どを奪取されるわ飢饉が起きるわ
徐州侵攻～兗州再統一の間で青州から来た連中の内、兵隊はともかくその家族はかなりの割合が死んだと思う

青州黄巾党という名の大量移民、それも兗州の人民にとっては侵略者である彼らを受け入れ、兗州民が生産した食料を提供
青州流民の生業のために土地も提供した
乱世で放棄されていた土地は多かっただろうが、荒れ地でも余所者に居座られたら、兗州民は当然脅かされた筈だし人士の中で郷土愛が強い人々は憤ったんじゃないかな
それと古代中国は（現代でも中国の田舎は割とそうだが）州が違うともう話し言葉からして全く通じない。共通語話せたのは人士と商売人だけだった
そもそも漢帝国は今で言う多民族国家だったからね
曹操は現代で言うところの移民問題を引き起こしたわけだ

曹操の立場からしたら敵を減らす、民と兵を増やすための唯一最良の方法だったが

この失敗が後の屯田制につながるんじゃないかな

そうだろうね
史書も屯田についてはベタ褒めしてるが根本的な食糧難が解決できたのは肥沃な華北を手中に収めてからだけど
結局農民の流出・私民化で生産力が慢性的に欠乏してる状況じゃ屯田制も限度があるししょうがないが

結局、曹操は天下を平定できなかったのが五胡十六国時代の遠因だと思う。

異民族を兵力として戦争に駆り出すってのがちょうどこの時代に原型があったからね
袁紹、曹操、孫権、諸葛亮、姜維、皆異民族を兵力の頼みとして戦った。
そりゃ内紛が絶えなかった西晋の連中が異民族抑圧なんて無理だわ。

ローマ帝国みたいだな

漢帝国がつぶれたら、ローマ帝国も連鎖反応的につぶれたからね。

>>665
徐州民虐殺についてはそもそも「親父が殺されたから報復する」って大義名分あるからやることについて大した問題はない
それ以外にもここで色々言われてる思惑(陶謙との対立、軍勇を見せつける、侵略して人民食わせる)があっただろうしやりたいことやるにはちょうどいいタイミングだったんだろ

漢帝国は一国家一民族というより今のＥＵに近い
民族の起源も共同体の成立過程も話し言葉含む文化も異なる諸国家・諸民族を400年も統合した奇跡の帝国
もしかすると曹操含む当時の人士には、北方の民族を北狄と蔑みつつも彼らを戦力として導入し結果彼らが家族ぐるみ・部族単位で漢帝国内に大量移住することにさほど抵抗や嫌悪感は感じないグローバリストのような人々が少なくなかったのかも
それで民衆に近い地元豪族や地域密着型の人士と対立することもあったのかなあと

五胡十六国時代の責任を曹操に転嫁するのはどうだろうね
そもそも異民族を取り込む必要が出たのは後漢末の混乱による人口激減が原因で呉なんかも蛮族政策として討伐という名の人狩りを行ってる
むしろ三国鼎立時代は取り込んだ諸民族を上手くコントロールしてた時代として再評価してもいいぐらいだからね

>>685
徐州虐殺について現実的な要因を推察するとやっぱり青洲兵の取り込みがな
殆ど流民だったこの大軍を食わせるためには徐州の民を殺して土地と食を奪う必要があった可能性は高い

そもそも北方での両騎馬民族の侵入・定住化は前漢の頃から断続的に起きていたもので、後漢の時代になると定住した彼らを騎兵として集団徴用するのも一般化している（光武帝の時代にすでにその記録がある）。

後漢末～三国時代の異民族の軍事利用はまったくその延長線上であって、彼らが特別なことをしたというわけではない。
彼らが決定的な権勢を確立したのは西晋の八王の乱以降で、これがなければまた別の形に行きついていた可能性も高い。

素人考えなんだけど、曹操が最終的に目指したのって漢王室の権威を擁して天下を牛耳る仕組みだったんじゃないかな。
前に漢王朝を簒奪した王莽の末路を見れば、禅譲という形であっても二の足は踏むだろうし、成功するとしても臣下は曹家の権威や理念でなく力にのみひれ伏すことになる。力が失われれば、臣下はたやすく寝返るか、少なくとも命がけで曹家を守ろうとはしない。
それならいっそ、春秋時代の東周王家と覇者のような関係を構築する。その覇者としての基盤としての魏国を創設したんじゃないかな。

ただ、だとすると「自分は周の文王で良い」なんて言わないよなあ。やっぱり帝位に対する色気自体はあったのか。

文王じゃなくて周公じゃなかったか？
帝位取らないの？って疑問を否定する文脈だったと思うし