りぽぐら! (講談社ノベルス)

  • 種別: 新書
  • 作ったひと: 西尾 維新,講談社
  • 販売数: 11
  • 発売日: 2014-01-08
  • 定価: ¥972
  • 値段: ¥972

りぽぐら! (講談社ノベルス)商品

りぽぐら!』とは、西尾維新による実験小説・“リポグラムノベル”である。

初出は『メフィスト2012年VOL. 3から翌VOL. 2。単行本は2014年1月に刊行された。

次にも書かれているように、リポグラムとは「特定または特定文字を使わないという制約のもとに書かれた作品。」のこと。十数ページの短編3作と、それぞれに制約のもとで書きなおされた4パターンの作品の、合わせて都合15作が収録され、久米田康治真島ヒロを始めとした総勢15人のイラストレーターが1作ずつ口絵を担当している。

は人殺し!』
の部屋で死体を発見した。クラスメイトを殺したらしい。人殺しのという立場は自分の将来に大きな影を与えると考えたは、死体を処理するべく犯人たると共に山へと向かう。
ギャンブル「札束崩し」』
いくらあるのか、自分でも把握できないほどの借を抱えたのない小部屋、テーブルの上に雑に積まれた札束。見世物となった2人の男による、命をかけたマネーゲーム「札束崩し」が始まる。
倫理社会
きみ達の時代から見た未来、ぼく達の社会自由と引き換えに平和を手にした。カメラによって管理され、もが倫理的な行為に努める理想郷。そう思っていた。ビルの谷間自由に寝転ぶ男を見るまでは。
  1. 最初に短編小説を制限なく執筆。
  2. 五十音46字から、任意の6字を選択。
  3. 残った40字を、くじ引きで10字ずつ、4グループに分ける。
  4. その10字を使用しないで、1.の短編小説グループごと4パターン、執筆する!
  5. 濁音・半濁音・拗音・促音は、基本の音と同じ扱い。音引きはその際の音とする。
  6. 2.の6字は、どのパターンでも使用可。

以上は『は人殺し!』に適用されたLV. 1のルール。LV. 2(『ギャンブル「札束崩し」』)では46字からくじ引きし、残った6字が自動的にフリーワードとなる。LV. 3(『倫理社会』)では、残った6字が厳禁ワードとなり、4パターンすべてで使用が禁止される。

雑記
  • あとがきすらもリポグラム化され、通常のあとがきの前に五十音の半分が使えなくなった2パターンのあとがきが掲載されている。
  • カバーの表と袖には、同じく言葉遊びでありリポグラムとは逆にすべての文字を使って書く「パンラム」、それもすべての文字を1度ずつ使う「パンラム」がそれぞれ掲載されている。表は各短編のストーリー、袖はリポグラムそのものについての内容。
  • 対談集『本題』によると、企画意図を説明するのがけっこう大変だったとのこと。
    • 「こういうことがやりたいんですけれども」
      「……それは何が面いんですか?」
  • 日本語リポグラム小説の先行作品としては筒井康隆の『残像に口紅を』が挙げられるが、筒井は発音に準拠して音を消しているのに対して、本作は文字を基準として制限している所に違いが見られる。

原文
グループA グループB グループC グループD
× 禁断ワード き つ ぬ ふ へ
ほ ま め ら わ
く な ひ み む
ゆ よ れ ろ を
え か け さ す
せ て と は り
あ こ そ た ち
ね の も や る
フリーワード い う お し に ん
A
× 禁断ワード き つ ぬ ふ へ ほ ま め ら わ

『もじなし!』とは、西尾維新による試み著作・“文字削除読み物”である。

最初は講談社読み物誌の2012年3号より翌第2号に連載。単行書は2014年ジャニュアリーに刊行された。

次にも書かれているように、文字削除書とは「特定あるいは特定文字を使用しないという制約のもとに書かれた作品。」のこと。十数葉のショートストーリー3作と、それぞれに制約のもとで作された4パターンの作品の、合計15作が収録され、伊藤潤二田はるこなどの総勢15人の絵師が各作の口絵を担当している。

は人殺し!』
ルームに死体を見出した。が学友を殺したようだ。人殺しのという立場は自身の今後に大いに差しくと考えたは死体を処理しようと、犯人たると共に山に向かう。
『賭け事「崩し」』
どれだけあるのか、自身でも把握困難な程度のお金の借りを抱えたウィンドウのない小ルーム、卓の上で粗野ににされた銭。見世物と化した男と男による、命をかけたお金ゲーム崩し」が開始する。
倫理社会
あなた達の時代より見た後世、おれ達の社会自由を生け贄に安寧を手にした。ビデオにより管理され、もが倫理に適う行為に励むユートピア。そう考えていた。ビルとビルの間で自由に寝転んだ男を見る以前は。
  1. 最初にショートストーリーを制限なく書く。
  2. 五十音46字より、任意の6字を選択。
  3. 残りの40字を、くじを引いて各10字、4群にセパレート。
  4. その10字を使用しないで、1.のショートストーリーを群毎に4パターン書く!
  5. 濁音・半濁音・拗音・促音は、もとの音と同じ対処。長音はその際の「あ・い・う・え・お」とする。
  6. 2.の6字は、どのパターンでも使用可。

以上は『は人殺し!』に運用されたレヴェル1のルールレヴェル2(『賭け事「崩し」』)では46字よりくじ引いて、残りの6字が自ずと自由字となる。レヴェル3(『倫理社会』)では、残りの6字が縛り字となり、4パターンいずれにも使用してはいけない。

その他(た)

原文
グループA グループB グループC グループD
× 禁断ワード き つ ぬ ふ へ
ほ ま め ら わ
く な ひ み む
ゆ よ れ ろ を
え か け さ す
せ て と は り
あ こ そ た ち
ね の も や る
フリーワード い う お し に ん
B
× 禁断ワード く な ひ み む ゆ よ れ ろ を

『もじけし!』とは、西尾維新が書いた実験ノベル・“文字消しノベル”である。

概説

初めは『メフィスト平成最後の年第3号から次の年の第2号に掲載。単行本は午年1月に刊行。

ジャケットや巻頭にも書いてある通り、文字消し文とは「決まったまたは決まった文字が使えぬ制限のもとに書いた文。」のこと。十(とお)と数ページの短編3本と、個々に制限のもとで書き変わったフォーパターンの短編の、合わせて都合十(とお)と5本が収まり、同数のイラスト描きがおのおの挿絵の担当に就いている。

殺人犯!』
の部屋で死体発見。が殺した友達らしい。殺人犯のという立場は自分の今後に大きい差し障りがあると考えた私は、死体の始末のために犯人たると共に山へと運ぶ。
ギャンブル「札束崩壊」』
如何ほどあるのか、自分でも認識できぬほどの借だらけの私。の消えた小部屋、テーブルの上に雑に積んである札束。コンテンツと化した2人の男の、命のかかったマネーマッチ「札束崩壊」が始まる。
倫理社会
殿達の時代からしたら後世、私達の社会は気ままの替わりに平和が手に入った。カメラの管理の下、全人類が倫理的行為に努める理想の世界。そう思っていた。高層建造物の谷間で気ままに寝伏す男と遭うまでは。

あ. 初めに制限せずに短編1本書き上げる。
い. 「あいうえお」から「ん」までの全文字から、半ダースだけ任意に選ぶ。
う. 残った文字すべてでガチャし、十(とお)ずつの塊に四分する。
え. その十(とお)の文字が使えぬ下で、始めの短編から塊毎にフォーパターンに再構成する!
お. 点々や丸、小さい字は、基本の音と同一視。伸ばし棒はその際の音とする。
か. 選んだ半ダース文字は、どのパターンでも使える。

上は『殺人犯!』で使った1のルール2(『ギャンブル「札束崩壊」』)では初めから全文字ガチャし、残った半ダースの字が自動的にフリーワード化する。3(『倫理社会』)では、残った半ダースの字がフォーパターンすべてで使えぬ厳禁ワード化する。

雑記
  • あとがきすらも文字消しし、普通のあとがきの前に全文字の半分が使えぬ2パターンのあとがきが載っている。
  • カバーの表と袖には、同断に言葉で遊ぶが文字消し文とは反対に全文字使う「総文字文」、しかも全文字1度ずつの「全総文字文」がおのおの載っている。表は個々の短編のストーリー、袖は文字消し文そのものについての総説。
  • 対談まとめ『本題』で言うには、企図の意図説明がけっこう大変だったとのこと。
    • 「こういうことがやりたいんですけど」
      「……どこが楽しいんですか?」
  • 日本語文字消しの先行ノベルとしては筒井康隆の『残像に』が挙がるが、筒井は発音に基づいて音消ししているのに対して、本ノベル文字に基づいて制限している部分に違いがある。
関係ページ

原文
グループA グループB グループC グループD
× 禁断ワード き つ ぬ ふ へ
ほ ま め ら わ
く な ひ み む
ゆ よ れ ろ を
え か け さ す
せ て と は り
あ こ そ た ち
ね の も や る
フリーワード い う お し に ん
C
× 禁断ワード え か け さ す せ て と は り

西尾維新による試み書物・“文字消去ノベル”、これこそ『もじなし!』。

大要

'12年の3つめの号以降翌2つめの号に至る、悪魔の名を持つノベル誌に初出。'14年睦月に単行本を印行。

次にも表記のように、「あるないしある文字の使用を不能にし作られた文章。」こそ文字消去文。十余ペイジの短編3つに、それぞれに文字使用不能にし翻案した4種の短編の、総和都合15本を収録し、久米田康治真島ヒロを代表に総員15人の美術師、ピクチャーを1枚づつ担う。

あらまし
実妹による殺し!』
実妹の部屋に死体を見出だした。実妹、級友を殺したらしい。殺しの容疑者のの身分、自分の将来に大きくくように思った、死体を始末しに殺しの本人たる実妹を連れ立ち山へ行く。
ギャンブル紙幣山崩落」』
いくらあるのやら、自分にも認識不能なくらいの借を持った牖のない小部屋、卓上に粗放に積まれた紙幣の山。ショーになった男子2名による、命の載った遊戯紙幣山崩落」、幕開き。
序時代』
きみ達の時代を基準に見た未来、ぼく達の世、自由を代償に平和を手中にした。キャメラに常に見られ、しも序に見合う行為に勤しむ夢の世。そう思う日々だった。なのに、ビルの谷間自由に寝転ぶヤツを見たのだ。

ひ. 端緒に短編を自由に執筆。
ふ. 五十音46字のうち、任意の6字をピックアップ
み. 残った40字を、くじ引きし10字づつ、4グループに区分。
よ. その10字を使用しないように、件の短編をグループにつき1種、都合4種執筆!
いつ. 濁音の類い及び拗音・促音の処置、基本の字に同じ。音引き、読まれる音の対処。
む. ピックアップした6字、始終使用に問題なし。

以上、『実妹による殺し!』に使用のレベル1のルールレベル2(『ギャンブル紙幣山崩落」』)なら46字をくじ引きし、残った6字、そのまま自由字になる。3つめのレベル(『序時代』)なら、残った6字を禁止字にし、4種オールに使用禁止。

その他(た)
  • 後記に至るも文字消去の対に含まれ、五十音の2分の1を使用不能にした2種の後記の後ろに、通常の後記を収録。
  • 書皮の表及び折れ部分に、同じく文字遊びの、文字消去文の逆に漏れ文字を使用し作る「総文字文」、それも文字をそれぞれ一遍づつのみ使用の「純総文字文」をそれぞれ収録。表にそれぞれの短編のあらまし、折れ部分に文字消去文そのものにつく内容。
  • 対談集『本題』にく、構想の趣旨を論じるのもいくぶん大変だったらしい。
    • 「こういうのをしたいんだ」
      「……それ、面いの?」
  • 日本語文字消去ノベルに、筒井御大の『残った像に口を』の例あるものの、筒井の実音に準拠した音(おん)の消去に対し、本ノベル文字を基準に消去した部分に相違を見られる。
まつわる項

原文
グループA グループB グループC グループD
× 禁断ワード き つ ぬ ふ へ
ほ ま め ら わ
く な ひ み む
ゆ よ れ ろ を
え か け さ す
せ て と は り
あ こ そ た ち
ね の も や る
フリーワード い う お し に ん
D
× 禁断ワード あ こ そ た ち ね の も や る

りぽぐら!』とは、西尾維新によりて書かれし実験小説・“リポグラム噺”なり。

初出は『メフィスト2012ボリューム・スリーから翌ボリューム・ツー。統括本は2014睦月に発刊されけり。

インデックスに記載な通り、リポグラムとは「特定辞ないしは特定字を使わぬという制限下で書かれし作品。」をす。ショートストーリー(十数ページ)3作と、めいめいに制限下で書きなおされし作品4種、全部で10と5つ作品が収録され、伊藤潤二真島ヒロを始めとしてイラスト描きが同人数、1作ずつ挿絵を描けり。

実妹殺人犯!』
実妹が暮らす私室で死人を発見せり。実妹クラスメイトを殺しつめり。実妹殺人犯という身分はが将来に大きな影を及ぼすと考え、は死骸を処理すべく犯人実妹を連れて山へと向かう。
『貨幣遊戯紙幣崩し」』
いくら位か、自分ですら認識できぬほど負債を負うなしな一室、机上に雑に積まれて状な紙幣ショーと化すツーマンによりて、身命を賭す貨幣ゲーム紙幣崩し」が幕ひらく。
倫理世界
きみらが生く時間から見れば未来ぼくらが生く時間は自由と引き換えに平和世界なり。カメラによりて管理され、全人間倫理的な言動に努む郷。かつては斯く信じき。路地裏で自由に伏す彼を見しまでは。

い. 最初にショートストーリーを制限なく執筆。
ろ. 現いろは46字から、6字を任意に選ぶ。
は. 残分40字を、くじ引きで10字ずつ、4群に配分。
に. 当10字を使用せずに、い.で書きしショートストーリーを群別に4種、執筆す!
ほ. 点々・ぱ行・拗音・つまり字は、基本音と同一視。音引きは実際に読む音とす。
へ. ろ.で選びし6字は、全群で使用可。

以上は『実妹殺人犯!』に適用されし掟で、“い”難度なり。“ろ”難度(『貨幣遊戯紙幣崩し」』)では46字からくじ引きし、残6字を自動的に自由字とせり。“は”難度(『倫理世界』)では、残6字が厳禁字となり、4群すべてで使用禁止なり。

雑記
  • 跋文すらリポグラム化され、通常な跋文より前に、現いろはから半分を使えぬようにせし跋文2種が掲載されけり。
  • 書皮表と折返しには、同じく字遊戯でリポグラムとは逆さまに全字を使いて書く「パンラム」、とりわけ全字を1回ずつ使う「パンラム」をめいめい掲載。表は各ショートストーリー、折返しは「リポグラムとは」というような内容。
  • 会話集『メインテーマ』によれば、企画意図説明がいと難しかりけり。
    • 「斯様な作品を書かまほしけれど」
      「……当作、何が愉快なりか?」
  • 和文リポグラム小説には既作として筒井先生によりて『残影にを』が書かれしけれど、筒井が発音に準拠して音を消ししにべ、本作は字を基準として制限せし部分に差異が見られけり。
関連ページ

原文
グループA グループB グループC グループD
× 禁断ワード き つ ぬ ふ へ
ほ ま め ら わ
く な ひ み む
ゆ よ れ ろ を
え か け さ す
せ て と は り
あ こ そ た ち
ね の も や る
フリーワード い う お し に ん

【スポンサーリンク】

スマホ版URL:
https://dic.nicovideo.jp/t/i/az4061828975

この記事の掲示板に最近描かれたお絵カキコ

お絵カキコがありません

この記事の掲示板に最近投稿されたピコカキコ

ピコカキコがありません

りぽぐら! (講談社ノベルス)

1 ななしのよっしん
2019/05/10(金) 04:39:33 ID: 2q1QJMUENe
記事乙
残像に口紅を』と
ジョルジュペレックの本の日訳『煙滅』(全編イ段禁止)は読んだことがある