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アルスラーン戦記とは、田中芳樹によって執筆、角川文庫およびカッパ・ノベルスレーベルで出版された小説シリーズである。ジャンルはファンタジー・戦記モノ。全七巻完結、ごめん嘘。全十六巻完結。表紙および挿絵イラストは角川文庫版が天野喜孝、カッパ・ノベルス版は丹野忍がそれぞれ担当している。
小説版のストーリーを下地にした漫画版(著者は中村地里)、カセットブック、および劇場版(2作)・OVA(4作)も存在するほか、2013年からは荒川弘による再漫画化がスタート。同漫画版のキャラクターデザインで2015年春より毎日放送制作日曜夕方5時枠(日5枠)の2クールTVアニメとして放送された。2016年夏には同じ枠で第二期にあたる「アルスラーン戦記 風塵乱舞」が放送。
ペルシャをモチーフにした架空の王国パルスを舞台とする、英雄たちの闘いの軌跡を描いた作品。14歳の若きアルスラーン王子のもとに集う勇士たちの一騎当千の闘いや、大軍や国家間の軍略政略の掛け合い騙しあい、そして田中芳樹の十八番の皮肉や偽悪趣味やアイロニー満載の会話の数々が楽しい小説である。
当初は、角川文庫版で書き下ろしイラストノベルとして刊行されていたが、第九巻から、かなり間が空いた後にやっと出版された、第十巻『妖雲群行』で刊行がいったんストップしてしまい、以降はカッパ・ノベルス版で新書サイズに移行する形で続刊となっている。またカッパ・ノベルスで十一巻以降が刊行されるのにあわせ、角川版の第一巻から十巻までを二巻ずつ合本した内容で、カッパ・ノベルスの新書サイズで再発行しており、現在はカッパ・ノベルス版だけで全てのストーリーを読むことができる。ノベルス版では誤字などの修正も行われている。なお、本記事における以降の巻数表記は、第十巻までは角川文庫版、第十一巻以降はカッパ・ノベルス版に準拠している。
アルスラーン戦記の本編は二部構成となっており、第一部は第一巻『王都炎上』から第七巻『王都奪還』まで。第二部は第八巻『仮面兵団』から第十六巻『天涯無限』をもって全篇完結した。第一部はパルスに侵攻したルシタニア軍との戦争が主体であり、軍記モノとしての味付けが強く、第二部は地中に眠る暴虐の君主『蛇王ザッハーク』と、その眷属たる魔物たちとの闘いを中心として描いておりファンタジー色が強い。
▲時はパルス暦三二〇年。北方のルシタニア国から、肥沃な大地と富を求めて軍勢がパルス国の領地に押し寄せる。しかし大陸に名をはせた、パルスの精鋭騎馬軍団が弱小ルシタニアの雑兵に負けるはずはない・・・パルス人たちは誰もがそう考えていた。しかし予想は裏切られた。奇妙な天候や周到な罠、そして決定的な味方の裏切りによって凄まじい大敗を喫するパルス軍。ルシタニア軍は虐殺をほしいままにし、多くの兵馬がアトロパテネの野に斃れた。
有力なパルスの将の多くも戦死し、アンドラゴラス国王すら行方知れずとなってしまう。わずかに残された希望は、国王のただ一人の息子である王太子アルスラーン、彼が百戦錬磨の将軍ダリューンの奮戦によって、ともに戦場を脱出できたことであった。
ルシタニアの侵攻を打ち破りパルスの平和をとりもどすべく、またアルスラーン自身が生き延びるべく、彼と彼の仲間たちは多くの敵と闘い、物語は綴られていく・・・
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