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カムイ(kamuy)とはアイヌ語の語彙のひとつで、簡単に言ってしまえば「神」といったような意味を持つ言葉である。漢字をあてると「神威」「神居」など。
カムイとはあらゆるものに宿り、人間にはない能力を有し恩恵や災厄をもたらす存在であって、人間(アイヌ)と対比される概念として捉えられている。たとえば、人間を凌駕する力を持つと同時に毛皮や肉をもたらしてくれるヒグマや、病気をもたらす疫病神…これらはアイヌの人々に「カムイ」と呼ばれ信仰の対象となってきた。日本語では単純に「神」と訳されることが多く、日本語における神とカムイに同一の起源を求める説もある。
カムイは、普段はカムイの世界(カムイモシリ)に住んでおり、そこでは人間と同様の姿をしているという。人間の世界(アイヌモシリ)で見られるカムイは仮の姿とされている。
カムイ信仰の特徴的な点として、カムイとアイヌが対等の関係にあることが挙げられる。そもそも、一般的な宗教において「神」と呼ばれる存在は、人間の力の及ばない事象をつかさどるものであり、基本的に人間の上位に立つと考えられていることが多い。しかし、カムイ信仰においてはカムイが人間にない能力を有するのと同じように、アイヌにもまたカムイには為し得ない役割があるとされている。そして、カムイとアイヌとが互助的な関係にあることで、世界が成り立っていると考えられていたのである。
その神秘性や語感の格好良さ(中二病臭さ?)のためか、よく創作作品における固有名詞として使われる単語であり、日本人にとって比較的なじみのあるアイヌ語のひとつである…かも知れない。
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