7/2(月)よりスマホまたはPCでアクセスした場合、各デバイス向けのサイトへ自動で転送致します
カール・グスタフ・ケンプ(Karl Gustav Kempf)は「銀河英雄伝説」の登場人物。
CVは玄田哲章(石黒監督版)、安元洋貴(Die Neue These)。
ラインハルト・フォン・ローエングラム麾下の提督。
艦隊旗艦はヨーツンハイム(石黒監督版OVA)、ガルフピッゲン(Die Neue These)。
時系列上の初登場は外伝「千億の星、千億の光」の第六次イゼルローン攻防戦において。戦艦の艦長、階級は大佐で、敵軍の只中、回頭しつつ主砲を斉射するという大胆な戦法で同盟軍の戦艦二隻を沈める妙技を行使し離脱を果たす(OVAでは第三空戦隊長となっており、ワルキューレのパイロットに変更されている)。
黎明篇、ラインハルトの元帥府開設にともない、中将・艦隊司令官として登用される。同盟軍の帝国領侵攻では、ヤン率いる第13艦隊と交戦。艦砲とワルキューレを用いた巧みな戦術で、オリビエ・ポプランの僚友であるウォーレン・ヒューズ、サレ・アジズ・シェイクリの両撃墜王を撃墜させる事に成功したものの、ヤンの攻撃で劣勢に追い込まれ、再編中の隙を突かれて逃げられる事となった。
リップシュタット戦役では、諸提督達と共にオーディンの制圧にあたり、ガイエスブルク要塞の戦いなど、貴族連合軍との戦闘でも武勲をあげる。オーディン再制圧にも参加。
▲ラインハルトが帝国の権を握ると大将に昇進。イゼルローン方面の警備責任者となる。年少者であるロイエンタール、ミッターマイヤーが上級大将となったことを残念がり、また最近は麾下のアイヘンドルフがヤン艦隊との遭遇戦で敗北していた事から焦燥を覚え始めていた。
そんな時にガイエスブルク要塞をワープさせてイゼルローン要塞を攻略せよと命令を受け、ミュラーを副司令官としたガイエスブルク派遣部隊総司令官に任ぜられる。
しかしこの作戦は無用の出師との批判も多く、総司令官の人事が最善のものでなかったり、要塞を占拠するのか?破壊するのか?の方針を決めていなかったり、最初から要塞ごとぶつければいいんじゃねえの?とラインハルトにしてはアバウトなものであった。ラインハルト自身、成功すれば良し、しなかったらそれまで、と常勝の手筈を欠いていた。
跳躍実験を成功の後、イゼルローン近郊に移動させる事に成功。第八次イゼルローン要塞攻防戦となる。
正攻・奇策を用いて、ヤン不在のイゼルローンに苦戦を強いたものの、シェーンコップ、メルカッツの活躍もあって戦局は膠着。次第に冷静さを欠いて、副司令官ミュラーとの間にも齟齬をきたした。ミュラーが企画した、現在不在でイゼルローンに向かっているであろうヤンを捕らえる策を信じようとせずに退ける(ただしミュラーの方でも勝手に段取りをして事後承諾の形となり、功を焦った節もあった)。本国には「わが軍、有利」と曖昧に報告してラインハルトから限界を看破され、ミッターマイヤー、ロイエンタールの援軍が派遣される事となった。
やがてイゼルローンに近づいている同盟の援軍(ヤン指揮)を発見して対応を迫られる事となり、時間差を利用した各個対処戦法で対策。芸術的ともいうべき作戦であったが、イゼルローンでの会議中にたまたまコーヒーを運んできたユリアン少年にシェーンコップが冗談のつもりで敵の意図を訊ねた事から見破られた。結果ヤンとメルカッツに逆手にとられて挟撃戦の好餌となり、艦隊は大敗。
窮地に及んでガイエスブルク要塞をイゼルローン要塞にぶつけようとしたものの、ヤンにより通常航行用エンジンのひとつを砲撃、破壊された為、要塞は周囲の残存艦隊も巻き込み暴走。とどめにトゥールハンマーを撃ちこまれて爆滅した。ケンプも致命傷を負い、要塞と運命を共にして戦死。この戦闘で帝国軍の16,000隻以上の艦隊は700隻まで激減し、全兵力の九割である180万以上の将兵を失う事となった。
訃報は同僚のメックリンガーにより妻子のもとへと伝えられ、死後は上級大将の称号と帝国軍葬をもって送られた。
遺族には充分な年金が与えられる事となった。
ロイエンタールは同情こそしなかったが、ケンプへの処遇を切り捨てられた駒と考え、ラインハルトに対してかすかな不審を抱き始める。
ケンプ艦隊も全滅に近い打撃を被った。艦隊戦に破れた後はガイエスブルク要塞に撤退したため、フーセネガーほか艦隊司令部にも生き残りがいるとみられるが、アイヘンドルフ、パトリッケンといった分艦隊司令は以後登場していおらず、戦死の可能性が高い(トゥルナイゼン、リュッケは要塞戦以前に転属)。フーセネガーは大本営に入り、情報主任参謀となった。
ミュラーは復讐に燃えてヤンの首級を掴む事を大神オーディンに誓うものの、後のバーミリオン会戦で一矢報いた事や、ヤンとの面識で、その人柄に好意をいだいた等の事から、復讐の念は敬意へと昇華した。一連の経験を機に大きく頭角をあらわし、後にミッターマイヤーに次ぐ名望を得るが……それは別の物語となる。
▲かつては名を馳せた撃墜王であり、若き日は銀翼のワルキューレを駆って、数十機の敵機を撃墜した歴戦の勇者。勇猛なだけでなく統率力も非凡で、艦長~艦隊司令官としても有能であったが、ロイエンタール、ミッターマイヤーに比すれば用兵に柔軟さを欠いた。彼らを使わない作戦で出番がまわってきた事から、当時の元帥府大将での評価は高かったようである。ローエングラム陣営で、複数の艦隊司令官により構成され、独立した大規模な作戦を行う総司令官級となった人物は、キルヒアイス、ミッターマイヤー、ロイエンタール、ケンプの4人のみ。
軍営の実務家としても優れ、10万近い工兵を指揮してガイエスブルク要塞の移動計画を成功させた。パイロット、艦長、艦隊司令官、現場監督、要塞司令官をこなした、ある意味レパートリー豊富な軍人。
統 率 | 運 営 | 情 報 | 機 動 | 攻 撃 | 防 御 | 陸 戦 | 空 戦 |
90 | 20 | 36 | 84 | 96 | 78 | 80 | 100 |
茶色の髪を短く刈った、線の太い堂々たる偉丈夫で、花崗岩の風格があった。内実も豪放で公明正大な人物。提督達では比較的年長者でオーベルシュタインと同い年(黎明編≒34才~雌伏編≒36才)。
同位の提督達の中では競争意識が激しく、感情的でやや人格に安定を欠いた。しかし、死を迎えて本来の度量を取り戻し、ミュラーへの詫びを遺している。
艦長時代(OVAでは空戦隊長時代)は、援軍をよこさなかった総司令部に暴言を叩きつけようとしたり(通信オペが気を利かせて伝えなかった)と過激な一面も見せている。反面、第8次イゼルローン攻防戦では戦闘の前に挨拶をして礼儀を示す古風な面も持っていた。
家族は妻と長男グスタフ・イザーク8才、次男カール・フランツ5才の四人家族。家では優しい夫、父親としての顔を見せ、妻の実家に仕送りを行っており、良き家庭人でもあった。
▲■azB004Q3QSBM
■azB004Q3QSBW
■azB00012T0YY