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ガンプラとはガンダムのプラモデルを略した愛称である。創通の登録商標。
バンダイ(2019年を以ってガンプラブランドは「BANDAI SPIRITS」に移行している)によるガンプラの公式な説明では以下のようになっている。
「機動戦士ガンダム」のシリーズに登場するモビルスーツ、モビルアーマーと呼ばれるロボットや戦艦などを立体化したプラモデルの総称です。
アニメ、漫画、小説、ゲームを問わず、ガンダム作品に登場した機体をプラスチックモデルキット化したシリーズ。1980年に発売されてからバンダイのひとつの顔となっている。ガンダムの主力商品と言えばまずこの「ガンプラ」が挙げられるだろう。数々の社会現象なども起こし幅広い年代に人気があり、今でもガンプラは続々新作が発売されている。
基本的に接着剤は使用せず、比較的組み立てが簡単なモデルが多い。また、近年(といっても後述のMGなど既に20年を優に超えているが)ガンプラは色分けにもこだわっており、塗装がほぼ不要なほど。バンダイの高い技術力が惜しげもなくつぎ込まれており、年々完成度が進化していく様は「バンダイ驚異の技術力」と称され、根強いファンが多い理由の一つでもある。
なお、これらのガンプラは国内の静岡に存在する「バンダイホビーセンター」で企画、開発、生産の全てが行われている。膨大な商品数を抱える割には再生産も積極的に行われており、公式で絶版をアナウンスされたモデルは「HG ガンダム」のみである(実際には短期で終了したシリーズやガンダマン等再生産が行われないモデルはいくつか存在する)。
スケールは1/144、1/100、1/72、1/60、1/48、1/500、1/1200…など多くの大きさで立体化されているが、現在は1/144、1/100、1/60の3種のスケールが主流となっている(後述)。
ニコニコ動画においては、初めから組んでいくレビューや、コマ撮りで劇場を行ったりするものが多い。
▲主に1/144スケール(初代ガンダムが約12.5cmサイズになるスケール)のプラモデル。1990年初頭から展開されたHG(ハイグレード)シリーズと、1999年から展開が始まったHGUC(ハイグレードユニバーサルセンチュリー)が存在し、現在は後者が主流となっている。
価格は1000円~2000円程度だが、大型MS・MAはこの限りではない。
ガンプラにおけるスタンダードサイズとして最も多くの機種が発売され、飾る場所にあまり制約が出ず(但し大型MS・MAはこの限りではない。大事なことなので二度言います)、コレクション目的にオススメなタイプ。価格やサイズを抑えた分、色分けやギミックが不十分な点もあるが、これを補うための改造や塗装の入門にも最適であろう。
息の長いグレードであり、発売時期によって出来の良さが大きく異なる。一部に地雷モデルがあるのでそれはリサーチすべし。
なお、HGUCはその名の通り宇宙世紀作品のキットが主流であったが、現在は機動新世紀ガンダムX(HGAW)、機動武闘伝Gガンダム(HGFC)、新機動戦記ガンダムW(HGAC)、∀ガンダム(HGCC)、機動戦士ガンダムSEED/SEED DESTINY(HGCE)のキットもHGUCのナンバリングに含める形でリリースするようになり、ブランドの統合を図りつつある。
HGUCに相当する新作ガンダムのキットとして、その当時のシリーズのガンプラである「SEED HG」、「HG GUNDAM 00」、「HG GUNDAM AGE」、「HG GUNDAM IBO(鉄血のオルフェンズ)」等が存在する。
近年、バンダイスピリッツが展開するプラモデルの別ブランド『30 MINUTES MISSIONS』(30MM)シリーズからの技術導入もあり、HGACリーオーやマグアナック、HGCEウィンダム、HGAWドートレス等に採用されている。
2013年7月には「HGオールガンダムプロジェクト」と銘打った構想が発表された。
このプロジェクトで以下のキットが発売された。
この顔ぶれを見て「デスサイズが出てないからやり直し」などと思ってしまったのではないだろうか?
「オール」と銘打たれているため、受け手からは「ガンダムの名を冠せられたキット」を積極的に展開していく構想だと捉えられたが(媒体によっては全ガンダムのつもりで発信されたものもあるかもしれない)、バンダイ的には「ガンダム各作品の主役機」を積極的に展開していくプロジェクトだったのである。(しかも各作品とは映像化された作品を指しているようだ)
「秘密兵器」のまま、出す機会を逃し続けてきたようなキットが発売されたことは評価される反面、「オールガンダムプロジェクト」という(ある程度)共通のコンセプトをもって設計されたため、F91やVの約15m級の機体のフォルムを表現するには若干無理があったことや、値段を抑えるためか手首パーツが握り手・武器持ちのみという仕様(∀は対処されている)だったことには不満の声が上がっている。
2014年4月の∀で連続でのリリースを一旦打ち止め、後述のHG REVIVEに発展解消という形で落ち着いたようだが、いずれは漫画など外伝作品の主役機や「オール」に枠を拡大して再動するかもしれない。
2015年6月からは「HG REVIVE」として、HGUC初期及び他シリーズのHGキットを最新技術で再構築した展開も始まった。
オールガンダムプロジェクトと時同じく、2013年にスタートしたガンプラが題材とした作品「ガンダムビルドファイターズ」シリーズや「ガンダムビルドダイバーズ」のキットは前述の通り「ガンプラで楽しむ」を主眼に置いた拡張性が高いキットになっており、様々なカスタマイズに対応している(後のHGUCや他媒体のガンプラも同様なスタンスになっている)
こちらはガンキャノンやギャン・キュベレイといったキットが発売され、キット自体は概ね好評であったものの、「ビルド」シリーズのキットを初期HGUCのキットをベースにして発売したり、オリジンのキットを出す方向に開発ラインが割かれたりと連動感に欠ける展開が続いていたが、2020年現在はガンプラバトルアニメである「ビルドファイターズ」「ビルドダイバーズ」シリーズで出たカスタム機からベースキットがリリースされるケースも散見されるようになっている(例:R・ギャギャ→R・ジャジャ、ガンダムジャスティスナイト→インフィニットジャスティスガンダム)。
2017年からはREVIVEのコンセプトを発展させたような、ガンダム40周年記念となる2020年に向けた「GUNPLA EVOLUTION PROJECT」が始まっていて、Ζやブルーディスティニー・・・といったキットが再構築されて発売されている。その集大成として2020年6月「HGRX-78-2ガンダム〔BEYOND GLOBAL]」発売。HGのガンプラ40年時点の技術の集大成として驚異的な可動を披露している。
・・・更には近年のメカ少女ブームに便乗、もとい先駆者である「MS少女」を具現化させたすーぱーふみなやはいぱーギャン子がHGBFで発売。ドラゴンボールや仮面ライダーのキャラクターをキット化しているブランド「フィギュアライズ スタンダードシリーズ」でダイバーナミ・ダイバーアヤメをリリース、などなど今までのガンプラの枠を飛び出した展開が行なわれている。
1/100スケール(初代ガンダムが約18cm)のプラモデル。価格は3000円~限定版でも10000円。
塗装せずとも充分な色分けがなされており、内部フレームに装甲を被せるという構造や、凝ったギミックが組み入れられている。パーツ分けや工程もHGと比較して複雑になるため、それなりに工作欲を満たせるであろう。劇中で印象的だったシーンを再現するためのギミックや付属品も充実したモデルが多い。
ウイングゼロ、デスティニー、ストライクフリーダムなど巨大な翼のついたモデルは飾る場所に少々苦労するかもしれない。
一部に地雷モデルが存在する点はHGと同じ。2002年よりガンダムシリーズのデザイナー第一人者であるカトキハジメ氏監修の『Ver.Ka』シリーズがあり、繊細なディティールやデカールに特徴がある。一部のキットはリメイクされて通常のMGシリーズでのリリースもされている。
1/60スケール(初代ガンダムが約30cm)のプラモデル。価格は10000円~30000円弱。
電飾、各部メンテナンスハッチの開放、装甲の隙間から覗かせるフレームのディテール、関節の可動に伴って伸縮するシリンダーまで再現されていたりと、スケールの大きさを利用して多くのギミックが詰め込まれている。総パーツ数が1000個を超えるモデルもあり組立には長時間を要するが、完成した際の達成感は大きいだろう。
プラモデルに自信のある人しか手を出してはいけないと思われがちだが、工程が多く手間がかかる点を除けば組立の難度はMGと変わらない。工作欲や所有欲を満たすには打ってつけのモデル。
飾るスペースを非常に取るので注意が必要である。
HGと同じ1/144スケールながら、精密感を徹底的に追求したプラモデル。フレームに装甲を被せるという構造はMGと似ているが、外装パーツの分割数はMGをも凌ぐ。色分けのレベルも非常に高く、外箱や説明書のサンプル写真はスミ入れ、コーティングを施した以外は無塗装の完成品が用いられているほどである。
反面、パーツ数が多い、細かい作業を強いられがちなので初心者がいきなり作ることはお勧めしない。もちろん、説明書どおりに作ればちゃんと組みあがるが、初心者には難度は極めて高い。
内部フレームはランナーの状態である程度組みあがっているのも特徴で、バンダイの技術力の高さと組み立てやすさへの配慮がうかがえるが、外装パーツは非常に細かく分割されているので、ニッパーやナイフできちんとゲートを切り落とさなければ組み立てに支障が出るかもしれない。
2013年1月に発売されたΖガンダムは、1/144スケールプラモデルで設定通りの変形を初めて実現した。今後も精密な設計と成型を活かした商品展開に期待したい。
MGと同じ1/100スケールであり、非MG1/100モデルのHG的位置づけ。MGが正統派な機体が多いのに対し、こちらは少々マニアックな機体がラインナップされている。新作MGモデルが発売されるとほぼ同時にRE/100でライバル機や派生機等がラインナップされる傾向がある。
RGとは逆にフレームレス化やくさびゲートなどの技術を投入し組み立てやすさを高め、制作時間の大幅な軽減をはかりつつ外装にもこだわったモデル。ポリキャップが3種類しか存在しないなど組み立ての簡略化には徹底している。「REBORN」(再生)の名が示す通り後述する旧キットの現代版アップデートと云える。
内部フレームを廃したことによる低価格化の実現により、今までプラモデル化が難しかった機体の商品化が期待される。
ガンプラには上記の各グレード以外にも、多くのシリーズが存在する。
その名の通り、「古い」ガンプラを指す。シリーズやスケールを問わず、HGシリーズ開始前後(年代からして1990年代前半が該当。HG=1/144スケールに固定される以前を指すモデラーもいる)のキットが全体的にこう呼ばれることが多い。ガンプラには絶版がほとんどないため、現在でも数十年前の作品放送時に発売された旧キットが不定期に再生産されて、当時と同じ定価で店頭に並んでいる。
1986年のガンダムΖΖ期までのガンプラ(に加えて一部の高精度キット)は、組み立てにプラモデル用接着剤が必要(推奨)となる。そのため、「スナップフィット」(パーツをはめ合わせて組み立てる、接着剤がいらない方式)を採用している近年のガンプラに比べると、組み立て難易度は少々高い。また1989年の『逆襲のシャア』『ポケットの中の戦争』期以降は、「いろプラ」「システムインジェクション」と呼ばれる多色成型(複数の色パーツが一枚のランナーに混在・塗装済みパーツを組み込むこと)を採用しており、よりカラフルになっているが、逆に言えばそれまでのガンプラは成型色が少なかった(1/144ガンダムの場合、白一色のみ)ため、見栄えを良くするには塗装をすることがより求められることになる。