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1987年、国鉄分割民営化によって誕生したJR東海はサービス向上のため旧式車を新型車に置き換える計画を立てた。その中で特に置き換えが急務だった車両としてキハ82系があげられた。
キハ82系はエンジン出力が低すぎて山岳地帯の走行には不向きであった。車内も製造から20年以上が経っていて、古めかしいアコモデーションが問題となっていたのを見過ごすことはできなかった。このことにより開発されたのがキハ85である。
最大の特徴はなんといっても搭載する2基のカミンズ製エンジンであろう。民営化によって国産エンジンにこだわることなくエンジンを選択できるようになり、目を付けたのがアメリカのカミンズ社のモデルだった。350馬力のエンジンを1両当たり2基搭載するため180馬力×2のキハ80系と比べて約2倍のパワーを持つことになった。車体重量や新型のトルクコンバータの効率などを考えれば実質的な差は2倍以上に広がった。特に直結2段式のトルコンは中速域での性能低下を大幅に抑え、電車と遜色ない走行性能を手に入れることができた。
JR東海はよほど気に入ったのか、キハ40やキハ58の近代化改造の際にこのエンジンに換装、キハ11やキハ75といった新型近郊型気動車にもこのエンジンを採用した。
特にキハ75は走行装置はキハ85と同一のものを採用し、走行性能は全く遜色ないものとなっている。
車体は軽量なステンレス製で、ヨーダンパ付きの120キロ対応のボルスタレス台車を履く。ボルスタレス台車にしたことにより曲線通過速度が向上し、所要時間短縮に貢献した。
▲見晴らしの良い大型の側面窓を備え、普通車はシートピッチ1,000ミリで回転リクライニングシートを装備する。フットレスト付き。
グリーン車はキロハ84では1,160ミリ間隔で2列×2列のリクライニングシート、キロ85では2列と1列で前面展望可能な座席を備える。
1989年より高山本線の特急「ひだ」に投入され、1990年に全列車をキハ82から置き換え完了。
「ひだ」と同じくキハ82を使用していた紀勢本線の特急「南紀」も1992年に全列車を置き換えた。
当初はキロハ84の入った編成を「ひだ」、キロ85の入った編成を「南紀」としたが、2001年に利用率の低かった「南紀」のグリーン車を「ひだ」に転用し、「南紀」はモノクラス編成となった。
2009年に再びグリーン車の連結を始めた。
2017年6月、JR東海はキハ85の後継車について発表をした。新型車はハイブリッド駆動システムを採用し、最高速度は120km/hを予定している。エンジン1基となる予定で、静粛性は現行のキハ85よりも向上するとのこと。
今後2019年末に試験走行車を製作し、それを用いて約1年間試験走行を行いデータを収集。量産車を2022年度に投入する予定である。
なお、それにより置き換えられるキハ85系の処遇については未定となっている。
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