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ゲーム&ウオッチ(げーむうぉっち)とは、1980年より任天堂から発売された任天堂初の携帯型液晶ゲームである。
電卓の液晶とチップを応用した手のひらサイズの携帯型液晶ゲーム機。正確な公式の文字表記は「ォ」が小さくなく「オ」と大きい。(でもテレビCM[動]での発音はゲームウォッチ。&も発音しない)
モノクロの画面でシンプルなゲームを淡々とプレイし、高得点を狙うというのが基本的な形だが、後期にはキャラがカラーで表示されたり、二人で対戦できるようにコントローラーがついたりと様々な工夫が凝らされるようになった。
携帯型ゲーム機はゲーム&ウオッチ以前にも存在していたが、ゲーム&ウオッチはその文化を広く根付かせた。子供達にゲーム&ウオッチ旋風を巻き起こし、社会現象にもなった。国内だけでも1287万個、全世界では4340万個を売り上げた。
そのあまりの人気故に、模倣品、類似品も爆発的に出回った。国内では類似品で早くに廃れたが、海外では10年近くに渡り売れ続けた。類似品も含めればその販売数は一億個にも上ると思われる。当時80億近く借金があった任天堂の業績を好転させ、ファミコン開発の礎となった。借金は完済し、貯金は40億になったそうな。
マルチスクリーンのドンキーコングは、世界初の「十字キーが付けられたゲーム機」でもある。十字キーはのちに発売されるファミコンにも付けられた。また、ゲームボーイのルーツでもあり、画面が二つあるマルチスクリーンはニンテンドーDSの原型でもある。
ニンテンドーDSが世間に発表された時は、「これゲーム&ウオッチだ!」と思った人が沢山いたらしい。
この記事を読んでいる良い子の君のお父さんお母さんも、小さいころに夢中で遊んでいたかもしれないよ!
発案者は横井軍平。アイディアのきっかけは電卓で遊ぶサラリーマンを新幹線で見たことだった。「サラリーマンが暇つぶしに遊べる小さなゲーム機はどうだろう」というのが最初の発想だったのだが、横井自身はそれほど見込みがあるアイディアとは思っていなかったようで「あのことがなかったらおそらく忘れ去っていた」と語っている。
ある日横井は、風邪で休んだ専属運転士の代わりに山内組長社長を車で送迎することになった(どうやら横井が外車好きで、左ハンドルに慣れているため適任だろうと人事部長が選んだらしい)。
「俺は運転士じゃなくて開発部長なんだから仕事の話をしないと」と横井は山内に先のアイディアを相談。山内も聞き流すような様子ではあったのだが、その日たまたま会合でシャープの社長と会った社長が話を取り付けたことから、一週間ほどで開発がスタートした。もし運転士が風邪を引かなかったら、もし横井が車内で雑談をしなければ、もし社長がシャープの社長と会わなかったら、ファミコンも、ゲームボーイも、現在の任天堂も無かったとも言えるわけである。
またシャープも当時デジタル電卓の「小さく薄く安く」という価格競争のあと、供給過多で価格が下落した液晶を持て余していたようで、電卓より大きな液晶を使うゲーム&ウオッチはまさに渡りに船だったわけである。横井曰く「ゲーム&ウオッチが無かったらシャープの液晶部門はここまで来なかった」とシャープの偉いさんからよく言われたという。
「サラリーマンが両手で隠して遊べるように」と名刺のような手のひらサイズ、シンプルなボタン操作になったが、実際は小学生によく売れた。これを受けて「手に隠して操作は押すだけ」というところから脱却していったのが、折りたたみ式で十字キーを備えたマルチスクリーンシリーズだったりする。初期の頃は「隠れて遊ぶもの」だったゲーム機が、次第に市民権を得ていったことが伺える。
▲初めて登場したシリーズ。画面は白黒で本体の前面が銀色になっている。価格は5800円。
ゲーム名 | 発売日 | 内容 |
ボール [画像を見る] |
1980年 4月28日 |
両手でボールを落とさないようにお手玉を続けるゲーム。 後の作品にはこれの変形版が多く、ゲーム&ウオッチの礎を築いたソフトといえる。 |
フラッグマン [画像を見る] |
1980年 6月5日 |
指定された通りに4つのボタンを押していく記憶ゲーム。ゲームBは指定されたボタンを素早く押す瞬発力ゲームになっている。 |
バーミン [画像を見る] |
1980年 7月10日 |
両手のハンマーでモグラを退治するモグラたたきゲーム。ミスカウントはモグラ。 |
ファイア [画像を見る] |
1980年 7月31日 |
ビル火災現場から落下してくる人を救急車までバウンドさせて運ぶゲーム。開発版(移植版で遊べる)は画面構成が左右逆だった。ミスカウントは天使(というか死人)。 |
ジャッジ [画像を見る] |
1980年 10月4日 |
プラカードに表示される数字の大きさを瞬時に判断し、大きいほうが相手を叩くゲーム。本体を左右から2人で持つことで2人対戦ができる。 |
本体の前面が金色になっている。本体裏に立てかけスタンドが付き、アラーム機能も搭載された。白黒だった画面が一部カラー化された。また、一定の点数を取ると今までのミスが無かったことにされる仕様になった。価格は6000円。
ゲーム名 | 発売月 | 内容 |
マンホール [画像を見る] |
1981年 1月27日 |
通行人が落ちないようにマンホールの蓋を支えるゲーム。 ミスカウントは濡れたシャツ。 |
ヘルメット [画像を見る] |
1981年 2月21日 |
工具が降ってくる中を頭に当たらないように走り抜けるゲーム。ミスカウントは驚いた顔。 |
ライオン [画像を見る] |
1981年 4月27日 |
ライオンがオリから出ないように椅子で中に押し戻すゲーム。ミスカウントはライオンの顔。 |
その名の通り液晶の大きさが1.7倍に。ゲーム&ウオッチブームの火付け役となった。価格は6000円。
ゲーム名 | 発売日 | 内容 |
パラシュート [画像を見る] |
1981年 6月16日 |
空から落下傘で降りてくる人をボートでキャッチするゲーム。ミスカウントはサメ。 |
オクトパス [画像を見る] |
1981年 7月16日 |
大蛸の足を避けながら財宝を船に持ち帰るゲーム。ミスカウントは船上の人数。 |
ポパイ | 1981年 8月5日 |
オリーブが投げる瓶や缶をキャッチするゲーム。ミスカウントは空き缶。 |
シェフ [画像を見る] |
1981年 9月8日 |
食材を落とさないようにフライパンでキャッチするゲーム。ミスカウントはネズミ。 |
エッグ [画像を見る] |
1981年 10月9日 |
鶏舎から転がってくる卵をキャッチするゲーム。ミスカウントはヒヨコ。 |
ミッキーマウス | 同上 | ↑のキャラ変更版。移植版ではエッグの方が使われている。日本ではエッグは発売されておらず、こちらの方が販売された(海外では両方発売されている)。 |
ファイア [画像を見る] |
1981年 12月4日 |
シルバーシリーズの同タイトルを移植。仕様は若干違うもののほぼ同じである。 |
タートルブリッジ [画像を見る] |
1982年 2月1日 |
気まぐれに沈む亀の橋を渡って対岸へ荷物を届けるゲーム。ミスカウントは亀。 |
ファイアアタック [画像を見る] |
1982年 3月26日 |
インディアンから火を付けられないようにログハウスを防衛するゲーム。流石にマズかったのか移植版では変更されている。ミスカウントはインディアンの顔。 |
スヌーピーテニス | 1982年 4月28日 |
スヌーピーを操作しボールを打ち返すゲーム。ミスカウントは割れたビン。 |
折りたたみ式になり、画面が上下あるいは左右二画面になった。価格は6000円。