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サイバトロン(英名:Autobots【Transformers】、Maximals【BeastWars】)とは、「戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー」および、それに続く一連のトランスフォーマーシリーズに登場する組織である。
元々はトランスフォーマー達の母星たる『セイバートロン星』の原語版における名前。
厳密には『Cybertron(サイバートロン)』と読む。
が、実写版を始めとした、海外名称への準拠後に作られた新シリーズにおいては、『サイバトロン星』とほぼ統一して呼称されている。
だが日本人としては、どちらかと言えばオートボットの和名としてのほうが知名度が高い。
ただしあくまで過去作に関してはオートボットの和名として未だに公式では使用されているため、過去作品の名称までも改称されたわけではないことは留意されたし。ったく、ややこしいったらありませんぜ……
善悪二元論という非常に単純な構造で展開されるトランスフォーマーシリーズの「善玉」に当たり、悪玉であるデストロン(英名:Decepticons)の破壊行為をくい止めるために自主的に組織された「民兵隊」である。そのため、変形するモチーフはAutobots = Automobile Robots (自動車ロボットたち)なお実写版映画では Automonous Robotic Organisms (自律的ロボット生命体たち)の略称と再定義された。の名が示す通り民間車両が多く、またデストロンでは「~参謀」「~兵」という役職名で呼ばれる軍人の代わりに「~官」「~員」などの役職名で呼ばれる戦士たちが戦闘行動の中心を占めるただしこれら役職名の違いは日本語版のみの設定であり、海外版ではこのような区別は無い。サイバトロンたちが普通に戦闘行動を行ってることからも明らかなように民兵隊も軍隊の一種なのだが、どうあれこうした言い替えにより戦闘的な集団という印象を避けているのは自衛隊(海外では自衛軍隊に相当する訳語を当てられる)と同様の意識であり、日本ならではの複雑な事情が反映されているといえる。。その代わり、デストロンに比べると技術者ホイルジャック、科学者パーセプター、看護員ラチェット、建築家グラップルなど、民間人の部隊ならではの才能を持った科学者や技術者が非常に多いのが特徴である。また、日本語版の初期展開においては、特定の属性や合体能力を持つサイバトロン戦士のカテゴリーは「~ボット(部隊)」と呼称される。
歴代総司令官はマトリクスと呼ばれる象徴的な構造物によって選出されるが、マトリクスに選ばれた総司令官の内、コンボイは民間出身であるが故に軍事作戦の立案で失敗することが多く、ロディマスコンボイはその若さ故に司令官であるという責任に押しつぶされそうになるなど、全能の存在としては描かれていない。むしろ、それを皆が補うことでサイバトロン全体の結束が生まれている。また、 コンボイ、ロディマスコンボイ共に、自分を犠牲にしてでも仲間を救うという行動が、リーダーとしての信頼感を得ることに繋がり、サイバトロンを一つにまとめる大きな要素となっている。その後の歴代総司令官については選出方法が変わり、フォートレスマキシマスはロディマスコンボイの指名により、ジンライは仲間であるプリテンダーやゴッドマスターの推薦により、ダイアトラスはビクトリーセイバーからの指名により総司令官として選ばれている。またビクトリーセイバー(正確には合体前のスターセイバー)については、総司令官として選ばれた際のエピソードが不明であるが、劇中の活躍を見る限り、相当の実績を見込まれて総司令官に選ばれたのは間違いないようだ。
「ザ☆ヘッドマスターズ」期には従来のセイバートロン星出身のトランスフォーマーに代わり、マスター星出身の小型トランスフォーマーたちが台頭するようになる。彼らは「ヘッドマスター」と言い、小さい体を補うために「トランステクター」という胴体に当たる部分と合体(トランスフォーム・ヘッドオン)し、セイバートロン星出身のトランスフォーマーと互角以上の力を身につけた戦士であった。以降、両陣営問わず特殊な変形方法を身につけた(玩具展開において主力となる)トランスフォーマーの区分を基本的に「~マスター」と呼称するのが定着する。
また、この時代の総司令官であるフォートレスは、マスター星の指導者・セレブロスが首から下の部分を構成するトランステクターにヘッドオンした姿であり、さらにこの状態から巨大なヘッドモードに変形して戦艦「マキシマス」にヘッドオンすることで、全長3000mの超巨大トランスフォーマー「フォートレスマキシマス」になる。しかし、力の消耗が激しいことと、あまりにも巨大な体故に周囲の環境に注意を払わなければいけない事などを理由に、あまりフォートレスマキシマスへの変形は見られなかった。
その後の「超神マスターフォース」期においては、ヘッドマスター達が去ったあとの地球において、地球人とトランステクターが融合した新たなサイバトロン戦士「ゴッドマスター」が登場する。彼らはトランステクターから選ばれ、「マスターフォース」と呼ばれる強化服をまとい、その後魂の結晶体であるアイアコーンに変形、トランステクターに合体する新時代の戦士であった。そして「天超魂」「地超魂」「人超魂」のパワーを使いこなすことで、これまでのトランスフォーマー以上の力を発揮することが可能になった。
このようなゴッドマスターと、人間に変身する能力を身につけたプリテンダー、ゴッドマスターと似たような形で強化服をまとい、トランステクターの頭部にヘッドオンできるヘッドマスターJr.等が主軸となったため、歴代トランスフォーマー組織の中で人間の占める割合がダントツに多いのがこの時期のサイバトロン・デストロンの特徴であった。
総司令官のジンライはもともと日本から海外に移民してきた一介の青年にすぎなかったが、偶然トランステクターを手に入れたことでゴッドマスターとなり、総司令官に任命されてしまう。トラック運転手という自由な身から一転して組織の司令官になってしまったジンライは己の運命を呪うが、元々リーダーの素質があったらしく、話が進むにつれ、歴代総司令官の中でも屈指の指揮能力を発揮することになった。
「V(ビクトリー)」「Z(ゾーン)」の時期には再び超ロボット生命体が戦線の主軸となり、宇宙の勇者であったスターセイバーが合体戦士達を率い、同じく合体兵士が主軸となったデストロンとのエネルギー戦争に繰り出している。この闘いの中で第二方面軍の司令官を務めていたゴッドジンライが命を落とし(このゴッドジンライは、前作の最後でトランステクターに魂が宿った姿であり、元となった人間のジンライが死亡したわけではない)、新戦士兼スターセイバーの強化パーツである「ビクトリーレオ」に転生を果たし、スターセイバーと合体「ビクトリーセイバー」となり、最終的にはデストロンの地球破壊計画を阻止した。
その後、新たな敵バイオレンジャイガーが出現し、ビクトリーセイバーはその戦いの中で溶岩に飲み込まれるものの、「ゾーンモード」への変形機構をもつパワードマスター・ダイアトラスとソニックボンバーに助けられ、ダイアトラス達2体は、バイオレンジャイガーが放った九大魔将軍のうち4体を瞬く間に破壊する。その後はダイアトラスが総司令官に任命され、バイオレンジャイガーとの決着をつけることになった。
その後(玩具・雑誌展開のみ)コンボイとメガトロンが復活し、一度は和平を結ぶものの、ある事件をきっかけにメガトロンが再び戦争を再開、G(ジェネレーション)2戦争を繰り広げる(それまでの歴史は便宜上「G1」と呼称)。このころになるとトランスフォーマー市場が衰退に向かい始め、企画が尻切れトンボのような形で終わることも多く、明確な決着はビーストウォーズの時代まで待たなければならなかった。
宇宙空間でのデストロンとの戦闘中に惑星「エネルゴア(=実は過去の地球)」に墜落したサイバトロン達が、ロボットモードでの活動に適さないエネルゴアの気候に合わせるために現地の動物をスキャンし、有機的な(一部は後にメカ動物的な『メタルス』へと強化)外見を持つ動物=ビーストへの「変身」能力を付けたサイバトロンである。日本語版ではこれら動物(ビースト)に変身する時期の善玉勢力も「サイバトロン」と呼ばれるが、英語ではかつての「Autobots」に対して、「Maximals」と呼ばれている。
G1~G2期のサイバトロン(Autobots)が主に民間車両等に変形していたのに対し、ビーストウォーズ時代のサイバトロンは「Maximals = Maximum Animals (最高の動物たち)」の名の示す通り、主に動物園や水族館でよく見られる、親しみやすい哺乳動物や鳥類、水棲動物に変身する傾向にある。これは、G1~G2期のデストロン が主に戦闘機や軍事車両、ビーストウォーズ時代のデストロン(英:Predacons)が凶暴な恐竜や鮫類、有毒虫類に変形・変身するのとちょうど対をなしている。とくに「ネオ」のサイバトロンはコンセプトが「動物園vsジュラシックパーク」だったこともあり、コンボイ以外のメンバーが、キリン・ペンギン・ウサギ・タヌキ等のかなりファンシーな動物に変身し、賛否両論を呼んだ。
初代ビーストウォーズとその続編であるメタルスにおいては、サイバトロンは400万年前の地球(このときAutobotsは宇宙船アーク内部で眠りについていた)において、初代コンボイの抹殺(歴史改変)を阻止するためにデストロンと戦闘し、そして未来に帰っていった。しかしコンボイ抹殺に失敗した(ビースト)メガトロンは未来のセイバートロン星の占拠に成功し、サイバトロンはゲリラ戦を余儀なくされる。
和製ビーストウォーズである「Ⅱ(セカンド)」は、現在から数万年後、地球人がすべて移住していなくなった後の地球「惑星ガイア」を舞台にしており、「ネオ」においては、ワンマンズアーミーであったビックコンボイと、多くが大人しい動物に変身する士官候補生たちが、ユニクロンの復活を阻止するために宇宙に散らばったアンゴルモアカプセルを集める物語が展開された。 また、ネオの時代において最終的にデストロンとの和解に成功、これ以降の歴史については語られていない。
この時代のサイバトロンの特徴として、コンボイが個人名ではなく、役職名に変わっていることが上げられる(後述)。「Ⅱ」「ネオ」の時代にはサイバトロンは非常に高度に組織化されており、一部隊の長として「コンボイ」の名前が付けられた。そのため、ビーストウォーズの時代には複数の「コンボイ」が同時に存在している。
「カーロボット」に登場するサイバトロン次元パトロール隊は、かつてはG1~G2世代のサイバトロンにも、カーロボットに後続する作品のサイバトロンにも属さない独自の組織であるとされていた(KTフィギュアコレクション・トランスフォーマーフィギュアのうち、(場違いにラインナップされていた)入浴中のアイちゃんのフィギュア原型製作が「トランスフォーマー キスぷれ」「リカヴィネ」「週刊わたしのおにいちゃん」等の幼少女+無機物フィギュア企画物で有名な大嶋優木であることによる一種のお遊び。に入っていた紹介カードに「初代コンボイたちとは別の時空のお話」と明記されている)が、最近では「未来のサイバトロンの一部隊」とされており、未来からワープしてきたG1世代のサイバトロンの一部隊という設定になっている。つまり、アメリカでコンボイ達がデストロンと戦っている間、2000年の日本では未来のサイバトロンと未来のデストロンの一派閥であるデストロンガーが戦っていたという事になる(後付け設定にはなるが、同じく日本を主な舞台とした「超神マスターフォース」の前日談に当たる)。