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スプライトとは、
主にコンピューターゲームの2Dグラフィックで使用される。イメージとしては、アニメのセル画をイメージするのが近い。
アニメのセル画の場合は背景画の手前に背景画と同じサイズの透明のセルを重ね、その上にキャラクターを描写する。セル画と違う点は、スプライトの場合はより小さな透明の画像の上にオブジェクトを描写する点である。
この小さな画像がスプライトである。大きなキャラクターの場合はスプライトを複数枚並べることで表現する。これにより、例えばキャラクターの顔のスプライトのみを変更することで表情を変更したり、小物のスプライトを手の位置に重ねることで手に物を持たせたり、スプライトを動かすことで簡単にアニメーションさせたりできる。
スプライトを利用することのメリットは、部分的に使い回しができるので画像に費やす容量を節約できること、そして専用のICで処理するのでCPUの負担を減らせることである。
1980年代のパソコンはスプライト機能を備えていないものが大半で、CPUの力で画面を直接書き直す必要があった。当時のパソコンでは画面1枚を完全に書き換えるのに1秒近くかかるくらいに遅く、複数のキャラクタを書き換えるともなればどうしてもガタガタした動きになるのは避けられなかった(プログラム的工夫や割り切りで滑らかな動きを実現していたゲームも多いが)。その一方でMSXやファミコンなどのゲーム専用機にはスプライトがあったため、CPUが多少非力でもほかのパソコンより滑らかな動きのゲームが実現できていた。
スプライトの同時表示数限界を超えると、「スプライト欠け」という現象が起き、スプライトが一部、時には全部表示されなくなったり、激しいノイズが現れたりする。一方、いわゆる「処理落ち」といわれる画面全体がスローモーションになってしまう現象は「スプライトの出過ぎのため」というと正確ではなく、「スプライトを出しすぎてそれらに指示を出すCPUなどの処理が間に合わなかった」ため発生している、という方がより近い。(スプライトハードウェアがあった当時の話。現在のゲーム機などにおける処理落ちは事情がちょっと変わる、はず)
スプライト欠けを防止するために、1フレームごとに表示するスプライトを変える技法がとられたりした。1フレームごとに見える見えないが切り替わるため激しくチラつき、当然見た目はよくない。
初期のゲーム機では同時に表示できるスプライト数にも背景画像数にも制限があり、その中で魅力的なグラフィックを作るために様々な工夫が成されていた。ゲーム機の限界を超えた沢山のスプライトが出ているように見せかけたり、背景画像とスプライトを組み合わせて巨大な動くキャラクターを表現したり、スプライトを点滅させることで半透明のように見せるなど、制約の中から多くの表現が生まれた。
後にスプライトの機能も性能も向上し、拡大縮小ができたり、より表示可能数が増えて派手な画面が作れるようになっていったが、最終的にはCPU他の性能がスプライトを上回り、画面の書き換えまでCPUで処理してもお釣りが来るようになってしまった。こうして、ハードウェアとしてのスプライトは一部の携帯ゲーム機などを除き、殆ど見られることはなくなった。だが、ゲームプログラミングにおいて2D画面上のキャラクタを「スプライト」と呼ぶなど、その概念はまだ健在といえよう。
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