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テトロドトキシン


ヨミ: テトロドトキシン
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テトロドトキシン(Tetrodotoxin)とは、フグとして有名な素である。略称TTX


概要


有機化合物
テトロドトキシン
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基本情報
英名 Tetrodotoxin
略語 TTX
化学 C11H17N3O8
分子量 319.27
化合物テンプレート

化学に詳しくない人でも「テトロドトキシン」と聞けば「フグの(バイ」と思いつくくらいに有名な素。何しろその名前の由来からして、「四枚のを持つ者」を意味するフグ科の学名“Tetraodontidae”+「」を表す“Toxin”であるくらいである。

テトロドトキシン(以下、基本的にTTXと表記する)は、アルカロイド系の素に分類される。ここで「あれ? アルカロイドって植物じゃね?」と思った方は色々と正しい。そう、こいつは元々はフグ(などの動物)が体内で合成している素ではないのだ。

TTXを合成しているのは中の細菌類(食中毒の元として有名なビブリオ菌の仲間など)であり、これが動物プランクトン捕食される ⇒ そのプランクトン生物捕食される ⇒ さらにその生物フグ捕食される、という流れでフグの体内に取り込まれ、濃縮されていく(生物濃縮)。逆に言えばこの“原因菌”がい場所でフグの頃から育てれば、フグを育てることも可であるが、その環境でのフグは自傷行為をすることがあり、商品価値が下がるため商業化は進んでいない。

ちなみにTTX研究が最も進んでいるのは、フグを食べる習慣のある日本らしい(たとえば命名者は、世界で初めてTTXの単離に成功、その鎮痛効果などを実した田原良純・博士東京大)である)。


TTXはどうやって毒性を発揮するのか?


TTXの作用は「体内のナトリウムチャネルの動作を邪魔する」というものである。より詳しく書けば、「ナトリウムチャネルを阻することで活動電位の発生と神経奮の伝導を抑制する」という挙動をする。

ナトリウムチャネルは言ってしまえば生物筋肉神経からの動作を送る「端子」のようなものであり、こいつの動きがおかしくなると当然、筋肉に正しいが行かなくなって動かせなくなってしまう。これが手足の筋肉だけならともかく、ナトリウムチャネルイタズラをするTTXが循環器系(心臓筋肉など)や呼吸器系まで侵した日には呼吸も血液循環もできなくなって生命活動としてアウトである。

つまり要するに、TTXは言ってしまえば「神経の端子を汚して使い物にならなくしてしまう」と思えばいいだろう。そんなものを保有してフグ自身は大丈夫なのかと疑問に思うかもしれないが、フグはこの端子の形がヒトのものと異なるため、TTXの影をあまり受けずに生きていけるのだ。むしろ、TTXによってフグの様態が安定するといった研究結果もある。


TTXを分解・除去する方法はあるのか?


結論から言ってしまう。

い。

TTX300度以上に加熱しても分解されないほど熱に強いので、加熱による調理では「さすがはゴッグテトロドトキシンだなんともないぜ」なのである。このため、「修行を積み資格を持った調理師が、有部分を手作業で取り除く以外にTTXを回避する方法はない」のが実態である。さらに体内に入った場合には、特効も拮抗療法(物の働きをさらに邪魔する物質・方法を使った治療)もいために、不幸にもTTXによる中麻痺症状)が発生した場合には「人工呼吸をして、何とか持ちこたえる」くらいしか手段はない。だいたい10時間持ちこたえれれば生き残る。「砂の中に埋まればTTXを体外に排出できる」というのは迷信である。トリカブトに含まれるであるアコニチンTTXとは逆に「体内のナトリウムチャネルの動作を活性化させる」作用があるため、TTXに対して拮抗作用を持つが、TTXの方が半減期が短いため時間が経つと今度はアコニチンで死に至ることとなり、解には使えない。かつて発生したトリカブト保険殺人事件はこの性質を利用したものである

ここで、石川県民の皆様からおそらく「あれ? 石川県にはフグの卵巣のぬか漬けって名物があるけど、あれってフグの中でも一番TTXの濃い場所の一つの卵巣を使っているぞ? さっき“TTXを取り除く方法はい”って言ったのに、何でだ?」という鋭いツッコミが入ってくるであろうが……。あれは、まだ「ぬか漬けごときでTTXが抜ける理由そのものが解明されていない」のである。何故ぬか漬けTTXが抜けるのかを解明したら、確実に色々と賞を取れる。


こいつ、人間の役には立たないのか?


とまあ、「物騒な物の代表格」みたいなTTXではあるが、人間の役に立たないというわけではない。実はこのTTX、強鎮痛剤としても効果を発揮するのだ(もちろん、投与しすぎるとアウトなので厳密な管理が必要だが)。

作用が強なだけでなく、モルヒネなどと違って習慣性(依存性)がないという特徴を持っているのもポイント


TTXを保有する生物


テトロドトキシン=フグというイメージが強いが、実際はフグの専売特許というわけでもない(そもそも前述した通り、TTXを合成しているのは水中細菌類である)。

以下の生物TTXを保有している(場合がある)。


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最終更新日: 21/03/17 15:13
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