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フルメタル・パニック!とは、著:賀東招二、イラスト:四季童子、発行:富士見ファンタジア文庫(角川書店)のライトノベルシリーズ。またはそれを元にしたアニメ(一期)である。略称は『フルメタ』『FMP』。
1990年代末期、史実と異なりソビエト連邦が崩壊しておらず、米ソによる東西冷戦が依然として続いている現実世界のパラレルワールドを舞台にしたSFアクション・コメディ。"ブラックテクノロジー"と呼ばれる異常に高度な科学技術をもたらす特殊な人間"ウィスパード"を巡る謎と戦いが描かれる。
作品ジャンルは多岐に渡っており、人型兵器アーム・スレイブ(AS)が活躍するロボットもの・数多くの兵器が登場するミリタリーもの・作品の根幹設定に関わる部分ではSF・戦闘シーンの多さからアクション・主人公とヒロインが織り成す学園ラブコメディと様々。作者によれば「強いて言えば冒険活劇もの・B級アクション映画でも観るつもりでお楽しみください」(一巻あとがき)とのこと。
原作小説はミリタリー・アクションのシリアスなメインストーリーが展開される「長編」全10作/12巻、長編のサイドストーリーを描く「サイドアームズ(特別短編集)」2巻、打って変わって"戦争ボケ"の主人公と意地っ張りなヒロインが繰り広げる学園コメディの「短編」全9巻の三部構成で刊行されている(短編集にも一部長編のサイドストーリー的短編が収録されている)。「長編」「短編」シリーズについては完結したが、アニメ第四期の制作に合わせて新作の刊行予定が発表されている。
原作者・賀東招ニのこだわりにより、ASの構造や操縦システム等は細かく作り込まれており、これらの機体やその武装の開発メーカーとしてボフォース[外部]やオート・メラーラ[外部]、ラインメタル[外部]にIMI[外部]など、実在する軍需産業の名も多く登場する。『機動警察パトレイバー』のレイバーや『装甲騎兵ボトムズ』のアーマードトルーパー、『ガサラキ』のタクティカル・アーマー(TA)・フェイク等の人型兵器に通じる描写と設定が有る。
2011年には長編シリーズ完結後の十数年後を描くスピンアウトシリーズ「フルメタル・パニック!アナザー」(賀東氏は原案、執筆は謎のメキシコ人、ホセ・オークロ又はホセ・サントス大黒尚人氏)の開始(2011/8/20発売)が発表[外部]。第一巻は発売後、富士見ファンタジア文庫のレコードを塗り替える速度で重版される人気となっている。こちらは2016年に完結。
TRPG・スパロボ・フィギュア・プラモデル等の展開については公式サイトやWikipediaを参照のこと。
2015年10月にはテレビアニメ第四期の制作が発表され、2016年12月にはオーディオドラマが公開、2017年11月よりアニメ第一期を再編集したディレクターズカット・劇場版が公開(全3作)、テレビアニメは2018年4月より放映が開始される。またゲーム版も同年5月に発売予定。
▲時は20世紀末。いかなる国家にも属さず、世界の十年先を行く装備と凄腕の人材を揃え、武力介入による平和維持活動を遂行する極秘の軍事組織<ミスリル>。
ミスリルに所属する精鋭の傭兵・相良宗介とその同僚達は、上官であるアンドレイ・カリーニン少佐から東京在住の女子高生・千鳥かなめの警護任務を命じられる。少佐によれば、彼女はKGBを始めとする各国の諜報機関に拉致される可能性があるという。
宗介に課された任務とは、彼女の通う都立陣代高校に転入(潜入)して、日本政府や千鳥かなめ本人にも気付かれぬよう秘密裏に彼女の身辺警護を行う事であった。かなめと同年代であるという特徴を活かし、同僚のクルツ・ウェーバーやメリッサ・マオと共同しながら同級生として彼女の警護にあたる宗介。しかし、幼い頃からゲリラ・傭兵として数多の戦場を駆け抜けてきた歴戦の兵士である彼にとって、"平和な日本での普通の高校生としての日常"は理解の範疇を越えたものだった。爆発物騒ぎ・備品破壊・不法侵入・授業妨害……騒動を起こす度にかなめや担任の神楽坂恵里に怒られ、「自業自爆」の悪戦苦闘の日々が続く。
なぜミスリルが、どう見ても平凡な女子高生でしかない少女を護衛しなければならないのか疑問に思いながらも、警護任務を続ける宗介達。敵の機関をミスリルの潜水母艦トゥアハー・デ・ダナンがミサイル攻撃で撃破し、護衛任務の終了を告げられた直後、季節外れの修学旅行で沖縄へと向かった陣代高校の生徒達を乗せた旅客機が正体不明のテロリストにハイジャックされてしまう。
かなめは自覚していなかったが、彼女は"ブラック・テクノロジー"と呼ばれる現代の科学水準を遙かに超えたオーバー・テクノロジーをもたらす特殊な能力を持つ人間"ウィスパード"だった。犯行グループは、かなめ以外の生徒達をハイジャックした飛行機ごと爆破し、かなめの拉致を偽装しようとしていた。
孤立無援の状況下でありながらも、テロリストに一人連れ出されたかなめを救出する為に決死の反撃を開始する宗介。やがて援軍が到着し、形勢は逆転したかに見えたが、そこに宗介の宿敵・ガウルンが"ラムダ・ドライバ"と呼ばれる謎の兵器を搭載したアーム・スレイブを駆って現れる。
通常兵器による攻撃を全く受け付けないラムダ・ドライバの前にミスリルの仲間も歯が立たない。宗介達が絶体絶命の窮地に陥ったその時、彼の前にトゥアハー・デ・ダナンから射出されたラムダ・ドライバ搭載型アーム・スレイブ"ARX-7 アーバレスト"が姿を現したのだった――