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基本データ | |
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正式名称 | マレーシア(Malaysia)(مليسيا) |
国旗 | ![]() |
国歌 | ヌガラク(我が国)[動] |
国花 | ハイビスカス |
国鳥 | サイチョウ(犀鳥) |
公用語 | マレー語(英語が準公用語) |
首都 | クアラルンプール(Kuala Lumpur) |
面積 | 329,847km²(世界第66位) |
人口 | 約3053万人(世界第42位) |
通貨 | リンギット(MYR) 為替レート[外部] |
マレーシアとは、東南アジアに位置する、マレー半島南部とボルネオ島北部を中心に国土を持つ国である。
マレーシアの面積は日本とほぼ同じくらいの33万k㎡で人口はおよそ3000万人。
日本とは1時間の時差があり、日本が朝7時のときにマレーシアは同日の朝6時である。
マレー半島南部に人口と産業が集中していて、ボルネオ島北部は人口が少なく、自然遺産の多い観光地になっている。
国家元首は国王だが世襲されておらず、9つの王家が順番に5年間だけ国王に即位する輪番制が採られている。国王は儀礼的な存在であり、政治は首相が中心となる。
マレーシアの漢字による当て字では馬来西亜と表記し、馬と略す。
多民族国家であり、国民の約6割を占めるマレー系、約3割の中華系、約1割のインド系と、他の少数民族からなる。
少数民族としては、先住民族のオラン・アスリやボルネオ島部に多いイバン族・ビダユ族などをはじめ800の民族が存在すると言われている。
また、それぞれの民族はそれぞれの言語を持つため、マレー系は公用語のマレー語、中華系は各種中国語、インド系はタミル語(インド南部の言葉)、少数民族も独自の言葉を話す。
観光業や商業を営む者は日常のコミュニケーションには自分の母語のほかにマレー語や英語も多用するため、自分の母語、マレー語、英語との3言語を自在に操るトリリンガルも多い。
マレーシアでは会話に参加しているメンバーによって使用する言語がクルクル変わっていく現象も頻繁に見るものである。
ラジオ局も言語別に分かれていて、マレー語局、英語局、中国語局、タミル語局に分かれている。
英語が準公用語で学校教育の必修科目とされていて、英語堪能な人が多い。
EF EPIという団体(こちら[外部]が公式サイト)が2017年に測定した各国の英語力ランキングで東南アジア諸国はシンガポール5位、マレーシア13位、フィリピン15位と並んでいてここまでが上位。日本37位、マレーシアの隣国のタイは53位になっている。
このため他民族同士が英語でコミュニケーションすることも多い。
宗教は国の宗教はイスラム教であるが信仰は自由とされている。一般的にマレー系の国民はイスラム教徒、中華系は仏教徒、インド系はヒンドゥー教徒であるが、キリスト教徒(主に中華系、インド系、少数民族)や独自の宗教信仰(オラン・アスリなど)もいる。イスラム教徒と結婚するためにはイスラム教徒に改宗する必要があるため、インド系や中国系のイスラム教徒も存在する。
首都クアラルンプールにはイスラム教のモスク、仏教の寺、道教の関帝廟、ヒンドゥー教の聖地、キリスト教の教会があり、この国の多宗教という特性を象徴している。
国家元首は国王(アゴン)であるが、国王は選挙によって選ばれ、任期が5年であるという珍しい制度がとられている。
詳しく言うと、マレーシアを構成する13の州のうち、スルタンが存在しない4州を排除して、スルタンがいる9つの州のスルタンが選挙権と被選挙権を持つ。
スルタンはイスラム教圏における君主の称号なので、つまりは国王になるにはイスラム教徒でなくてはならない。歴代国王の名前も全てがイスラム風の前である。
9人のスルタンが選挙をするというが、実際には9つの州のスルタンが代わり代わり順番に国王に選ばれることが慣習化している。つまり輪番制の国王と言うことになる。5年経ったら次の州のスルタンが国王になる。
国王は儀礼的な存在であり、外国要人との交流や儀式の出席などの仕事に限られる。
政治は首相が中心になって行われる。マレーシアの政治は長期安定政権になることが多く、マハティール・ビン・モハマドは22年間の長期政権を築き上げた。政変も少なく、軍部によるクーデターは皆無である。
政治を得意分野とするのはマレー系で、歴代首相は全てマレー系のイスラム教徒である。
工業に力を入れ、ペトロナス(石油精製)やプロトン(2輪、4輪乗用車)といった国営企業がある。
ペトロナスはF1のスポンサーとして名が通っている。青緑色のペトロナスカラー[外部]でおなじみ。
自国のプロトンで自動車を自給自足する、いわゆる国民車構想に長年こだわってきた。このため、
日本メーカーのマレーシア進出はあまり多くない。
この点は隣国タイと好対照で、タイは国民車構想を持っておらず他国の自動車メーカーを受け入れた。
このため日本の自動車メーカーの進出が著しく、タイの各地に日本メーカーの工場がある。
もともとは天然ゴムや錫を輸出して外貨を稼いでいた一次産業国だった。
また、インドネシアほどではないが、石油や天然ガスが産出する産油国である。
赤道直下で雨量が多いためアブラヤシの生育に最適であり、アブラヤシ農場を多く抱えている。
アブラヤシから作られるパーム油は食用として全世界で色んな形で使われている。
パーム油の世界シェアは、マレーシアが41.5%、隣国インドネシアのシェアが44.0%。
首都郊外のセパン・インターナショナルサーキットの周辺にもアブラヤシ農場が多い。
航空写真で見てみると規則正しく植樹されている[外部]が、これがアブラヤシ農場である。
ただ、熱帯雨林を破壊してアブラヤシ農場を作ることは野生動物の住処を奪うものだとの指摘もあり、
環境問題として取り上げられることもある。
経済を得意分野とするのは中華系(華僑)で、経済都市のシンガポールや香港の華僑とも連携し、
マレーシアの経済界で主要な地位を得ている。このことに危機感を抱いたマレー系の政治家たちが、
「国営企業はマレー系を優先的に雇用せよ」というブミプトラ政策を1971年から始め、ペトロナスや
プロトンといった国営企業の上層部はマレー系が占めている。
インド系はこれまで振るわなかったが、最近になって格安航空会社のAirAsiaのCEOであるトニー・フェルナンデスを輩出した。
マレーシアは近年の日本人観光客に人気があり、格安航空会社AirAsiaなどが直通している。
首都クアラルンプールへ行って食事や名跡巡りを堪能したり、ボルネオ島北部やペナン島の
リゾートホテルでくつろいだりと、楽しみ方は様々である。
ボルネオ島には自然公園が数多く、オランウータンの生息地としても知られる。ちなみにマレー半島から
ボルネオ島に入るにはパスポートが必要となっている。
首都クアラルンプールから北西に300km程度離れたこの場所[外部]にあるペナン島は古くからの観光地で、
東洋の真珠 (The Pearl of The Orient)と称されていて、中心都市のジョージタウンは世界遺産になった。
ペナン島からさらに北西[外部]にはランカウイ島があり、政府が第二のペナン島目指して開発を進めている。
首都クアラルンプールには、南国を連想させるようなハチャメチャな歓楽街がない。
このため「マレーシアは退屈」と旅行者に辛口評価されてしまうことがある。
マレーシア唯一の国営カジノはクアラルンプールから北東に30km程度離れた山の中のここ[外部]にある、
カジノ・デ・ゲンティンで、行くのが大変だがちゃんと遊び場がある。
逆に言うとそれ以外にはどこにも国営カジノがない。
マレーシアの食事は美味であるとの評判が多く見受けられ、評判が良い。
2014年には、英国の旅行ガイドブック社「ロンリープラネット」が、世界一の美食の町として
マレーシアのペナン州を選んでいるほど。
マレー系のマレー料理、中国系の華僑の中国料理、インド系の印僑のインド料理(カレーが多い)、
様々な料理を楽しめる。南国らしく、香辛料を使い総じてやや辛めになっている。
南国らしく果物を食べるのを好み、街中の市場には果物が山盛りになっている。
市場には果物を切り売りする屋台がそこら中に出店している。
熱帯雨林気候なので田舎の道ばたにマンゴーやドリアンやパイナップルが生えていて、果物は身近。
なんとバナナを油で揚げたお菓子[外部]があり、Pisang Goreng(ピサン・ゴレン)という。
これはマレーシアだけではなくシンガポール、インドネシア、タイ、ミャンマーでも定着している。
マレー系はイスラム教徒なのでお酒を飲まないが、中国系やインド系は酒を飲む。そのため多くの店で
ちゃんと酒が出てくるし、小売店で酒を買うこともできる。
ところが酒に対する酒税がかなり高く、そのため酒がなかなか高額になっている。日本人旅行者が
「日本で買うよりも酒が高い」とこぼすほどで、所得水準が少し高い日本人がそういうのだから現地人に
とっては結構な高額になる。
バドミントンが国技並みの一番人気スポーツで、オリンピックレベルの選手を輩出している。
バドミントン専用体育館が非常に多い。スポーツ用品店もバドミントンの品揃えが一番多い。
二輪レースの最高峰であるMotoGPはレース開催前に何らかのプレイベントをするのが恒例だが、
2017年はMotoGPライダーがバドミントンを楽しむイベントが行われた。画像1[外部]、画像2[外部]、動画1[外部]。
サッカーは二番手スポーツで、国内リーグがちゃんとある。サッカーマレーシア代表はまだアジアの
最終予選に駒を進めるには至っておらず、発展途上の位置にある。
マレーシア政府はモータースポーツに長年力を入れてきた。セパン・インターナショナルサーキットを
国家予算で建設し、F1やMotoGPを誘致。国営企業のペトロナスが有名F1チームのスポンサーになった。
2009年頃になると、セパン・インターナショナルサーキットを走り込んで実力を付けたマレーシア人の
MotoGPライダーが出現するようになり、MotoGPのマレーシアGPは一気に観客動員数が増えた。
近年はMotoGP人気が凄まじい盛り上がりを見せていて、MotoGPの決勝は10万人近い観客で埋まる。