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ミステリー


ヨミ: ミステリー
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ミステリーmystery)とは、「」「不可思議」「秘的」「推理作品」などの意味を持つ単である。


概要


ミステリーとは本来は「」の意味である。しかし、そこから転じて推理物全般に使われている。

ニコニコ動画では、推理ドラマや推理小説、推理ゲームはもちろんのこと、それらを基にしたMADなどにもタグがつけられることがある。

また、たとえ動画に推理要素がなくてもその原義から、「心霊」「未確認飛行物体」などの一般に「秘的な」「理解できない」と思われる要素があれば、つけられるタグでもある。


ミステリー、推理物とは



定義


なかなか万人が納得できる定義をあげるのは難しい。

狭義に考えるなら、「殺人などの事件を探偵が捜し、犯人摘する」ような筋書きを、おそらく推理物と聞いて多くの人間が連想するであろう。あるいは広義には「謎解き」や「事件」の存在によって、ミステリーだと判断する場合もある。この辺りの生したサブジャンルは下記のジャンル分けも参照にしてほしい。


起源


ミステリーの歴史がどこから始まったのかということについては、論者によって意見が分かれるが、大雑把にふたつあげられる。

ひとつはアメリカ作家エドガーアラン・ポーの短編「モルグ殺人」が最初のミステリーだとする説。

「モルグ殺人」は「とある宅でが惨殺されるが、警察はまったく犯人をあげられない。そこに探偵役となる没落貴族オーギュスト・デュパンが登場し、明確な論理をもとに犯人摘する」という筋書きであり、ここにいまのミステリーのスタイルを容易に見出せるであろう。これは前述した定義のうち、狭義のものの起といえる。

ちなみにこのあとポーはデュパンものを2つ(つまり「モルグ殺人」を含めて計3つ)、また他にもミステリーの走りとされる短編をいくつか書いており、以上の作中で「実在の事件を推理する」「人間心理の盲点」「暗号」「探偵役=犯人」といった、後世で何度も扱われたテーマをすでに先取りしている。これをして、ポーは始祖でありながら同時にミステリーを網羅してしまった、と賞賛する論者もいる。

のふたつは逆に広義、即ち「謎解き」や「事件」があればミステリーなのだ、とする説。

この論に立つなら起はるか神話の時代にまで遡れる。例えばイギリスのミステリー作家ドロシイ・L・セイヤーズ(代表作はピーター・ウィムジィ卿シリーズ。特に「不自然な死」は名作)が編纂した、ミステリーのパターンを網羅せんとすアンソロジーには、ミステリー濫觴の時期の作品として、聖書ギリシャ神話から寄せられたものがある。

ただしこちらには、そのように過去物語からミステリーを「発見」する行為に意味などない、という批判も存在する。

以上は、どちらが正解かという問題ではない。むしろ個々人、あるいはどういう文脈で、ミステリーという言葉が用いられたかによって変化するものであろう。


本邦におけるミステリー


戦前から海外の作品が広く翻訳され読まれた他、日本人の手によるミステリーも多く書かれた。特に江戸川乱歩戦後含めて大きく、実作家のみならず評論家としても没後までを残すことなった(これは良くも悪くも、である。後年、乱歩の下から抜けだした評価を作品に与えたいと努した評論家もいる)。当時はミステリーは「探偵小説」と呼ばれ(Detective Novelの訳)、謎解きを重視した「本格」と怪奇幻想趣味を重視した「変格」に大雑把に分類されていた。

戦中は当局の検閲によって実質的に探偵小説の執筆が不可能になり、一部の作家時代小説の捕物帳という形で細々と探偵小説を書き継いでいた。

戦後探偵小説の執筆が解禁されると、横溝正史を筆頭に、鮎川哲也高木彬光などの作家が続々と登場、探偵小説が復する。そこへ1958年松本清張『点と線』の大ヒットをきっかけに「社会」と呼ばれるムーヴメント(社会という言葉自体は古くからあったようだが)が起き、ミステリーが大衆文芸として受け入れられる。これは今までのミステリーにどうしてもついて回った遊戯的な側面――例えばわざわざ人を殺すのに大げさなトリックを用いるなど――をそぎ落とし、社会的な問題意識なども取り込んだ「リアリズム」のミステリーだといえるだろう。この頃から、「探偵小説」は「推理小説」と呼ばれるようになっていく。
おこムーヴメントは、海外においてダシール・ハメットレイモンドチャンドラーなどがそれまでのミステリーを批判し、新たにリアリティを大きく取り込んだ作品を書くようになった「ハードボイルドスタイルと、時代のズレはあるが呼応している。

しかし社会は推理要素の形骸化などで60年代半ばぐらいに勢いを失う。70年代に入ると前の横溝正史ブームが巻き起こる一方、一や静子といった作家が推理要素と社会要素の両立をはかり、村作品の映像化もあって社会推理小説の人気が復権した。80年代に入るとノベルスという判盛を誇り、赤川次郎西村京太郎内田康夫・山村美紗らが大ブレイクトラルミテリーなどのジャンルで多作な作家たちがミステリーを量産し、それが2時ドラマとして盛んに映像化される時代が訪れる。

そこにゆり戻しのように起きたのが、1980年代以後の若手たちによる、古典遊戯性を大胆に再現した次のムーヴメント、すなわち「新本格」である。彼らは古典的なミステリーのスタイル不可能犯罪名探偵の推理、複雑なトリックetc…)をいわばルネッサンス的に現代にらせたのだ。このムーヴメントは日本エンターテイメントに大きなを与え、以後ライトノベルなどにも下にある作家が出現した。

その一方、「新本格」と同時期に翻訳ミステリーの冒険小説ハードボイルドブームが沸き起こり、「このミステリーがすごい!」などのランキング企画が登場、ミステリーの範囲を幅広くとってジャンルの多様性を積極的に広げた。ミステリーの形式を用いてそれまでの「社会」よりもさらに重厚に社会性を追及する宮部みゆき高村薫といった作家の登場もあり、90年代にはミステリーは大衆文学の中心と言えるジャンルにまでのしあがった。

90年代後半に京極夏彦森博嗣が登場したあたりからは、もともと若い読者が多い「新本格」方面がライトノベル読者層と交差しはじめ、その傾向の究極というべき清涼院流水の登場がミステリー界に大きな議論を巻き起こした。一方、『金田一少年の事件簿』『名探偵コナン』といったミステリー漫画の大ヒットや、『古畑任三郎』などの推理ドラマヒットで、さらにミステリーは幅広く人口に膾していく。

2000年代に入ると新本格ライトノベルはますます読者層が重なり合い、西尾維新などの登場で全に垣根が崩れる。そんな中で米澤穂信ブレイクしたことがきっかけで「日常の謎」がミステリーのジャンルのひとつに躍り出て、現在まで続くキャラクター重視のライトミステリーブームが始まる。また、21世紀に入ると横山秀夫の登場を契機に警察小説の一大ブームが起こり、こちらも現在まで続いている。他にもイヤミスのブーム叙述トリックの流行など様々なトピックがあり、現代のミステリーの状況を一言で言えば「多様化」ということになるだろう。

現代日本では、ミステリーは小説のみならず多くのエンターテイメントフィクションにその姿を見ることができる。狭義のミステリーも連日出版され、海外の未翻訳作品も次々と翻訳されつつある。「盛」と呼んでいい状況ではないだろうか。


ミステリーにおけるジャンル分け


ミステリーというジャンルには、その内容に応じて多様な内部ジャンルが存在する。その分け方は人それぞれであるが、ここにいろいろと例を挙げておく。もちろん、ここに挙げた以外のジャンルも多数ある。

なお、以下は日本国内についての記述がメイン。各ジャンルの代表的な作家も挙げるが、挙げた作家がそのジャンルしか書いていないわけではない。また、複数のジャンルにまたがる作品も数多い。


本格ミステリ


謎解き興味を前面に押し出したミステリー。名探偵が出てきて、連続殺人が起こり、密室トリックアリバイトリックを解明して、限られた登場人物の中から犯人をズバリと摘する――という、一般的に「ミステリー」というジャンルお約束様式美としてイメージされる形式は、この本格ミステリのもの。単に「本格」ともいう。

もともとは戦前探偵小説を、謎解き重視の「本格」と、怪奇幻想趣味重視の「変格」に分類したときに生まれた言葉。江戸川乱歩1950年探偵小説の定義として提唱したとして犯罪に関する難解な秘密が、論理的に、徐々に解かれて行く経路の面さを眼とする文学というのが、だいたい本格ミステリの一般的な定義に近いが、何を「本格」と見なすかは人による。

前述の通り、松本清張の台頭以降しばらく雌伏の時代が続いたが、80年代後半から新鋭作家による「新本格」ムーブメントが起こり、それが定着して現在まで一定の支持を得続けている。かつて日本の本格ミステリは欧の本格ミステリを手本として発展していったが、欧ではその後古典的な本格はほぼ滅亡してしまい、日本の本格ミステリがあちらに翻訳されて「honkaku」と呼ばれるという逆転現も起きている。

古く(戦前から70年代)は江戸川乱歩横溝正史高木彬光鮎川哲也泡坂妻夫などが代表的な作家80年代の「新本格」直前およびそれ以降では、島田荘司綾辻行人有栖川有栖法月綸太郎麻耶雄嵩森博嗣京極夏彦など。


社会派ミステリー


現代社会舞台に、現実社会問題などが絡む事件を描いた、リアリズム重視のミステリー。

前述の通り、1958年松本清張『点と線』の大ヒットを契機としてミステリー界を席巻したが、推理要素が形骸化してしまってブームはしぼむ。70年代後半ぐらいから一や静子の活躍で持ち直したあと、90年代に入るとより重厚な作品が書かれるようになり、大衆文学の中心としてのミステリーというジャンルを支えることになった。

80年代までの代表的な作家松本清張水上勉、一、静子など。90年代以降は宮部みゆき東野圭吾などが代表格。近年では柚裕子、葉中顕など。


サスペンス


謎解きよりも、ハラハラドキドキの心理的な緊感がメインのミステリー。

火曜サスペンス劇場など、ミステリーものの2時ドラマがよく「サスペンス」と題していたため、サスペンス=ミステリーみたいに思われることもある。ミステリーの内部ジャンルとしては、女性作家が書く謎解き要素の薄いミステリーが「サスペンス」(心理サスペンス)と呼ばれることが較的多いが、他のジャンルべてもはっきりした定義が見当たらず、謎解きよりスリルを重視した作品にとりあえずつけられる名称に近い。

心理サスペンスの代表的な作家小池真理子、アサなど。近年ではこのジャンル女性作家の書く心理サスペンス)は「イヤミス」(後述)に取って変わられている感もなきにしもあらず。


ハードボイルド


元々は心理描写や感情表現をした簡潔な表現を用いて、行動で登場人物の心理を示す文体のこと。そうした文体で書かれた小説群に私立探偵役のミステリーが多かったことから、私立探偵小説ぐらいの意味まで範囲が広がった言葉である。ハードボイルドの記事も参照。

アメリカで1920年代のダシール・ハメットあたりから広まったジャンルで、日本確立されたのは1950年代に大藪河野典生が登場したあたり。1980年代から90年代にかけては冒険小説とともにブームを築いたが、21世紀になってからは冒険小説ともども下火になっている。

代表的な作家は大藪北方謙三大沢在昌、原、東直己など。基本的に男性作家男性読者向けに書くジャンルだが(北方謙三作品がブームになった80年代には「男のハーレクインロマンス」なんて評言もあった)、仁木悦子や若竹七海など女性の書き手もいる。


冒険小説


ヒーローが何らかの危機や困難に挑むのが中心の、アクションメインの活劇小説RPG的な冒険ファンタジーとは意味が違うので注意。冒険小説の記事も参照。

おそらくハードボイルドからの生でミステリーの内部ジャンルとして扱われるが、謎解き要素が全くないこともしくない。翻訳冒険小説を受けて、1980年代に大きなブームを形成したが、90年代ばぐらいでブームは終息し、現在は散発的にヒット作が出る程度。当時冒険小説メインだった作家警察小説時代小説に移行したりしている。


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最終更新日: 20/10/19 01:16
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