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モスキート(Mosquito)とは、第二次世界大戦の主にイギリス空軍で使用された軍用機である。
イギリスの航空機メーカー、デ・ハビラント社によって爆撃機として開発された。
モスキート最大の特徴はなんといっても機体が木製であることだろう。
何が凄いって第二次大戦には既に木製は既に時代遅れであると考えられていたのだ。
機体の一部が木製であるという機体(Yak-1とか)こそあれど機体のほとんどが木製という機体はかなり珍しい。
イギリス空軍のお偉いさんも当初はその性能に懐疑的だったらしい。
だがモスキートは試験飛行でお偉いさんの考えを覆すことになる。爆撃機かつ木製でありながら最高速度600km/h超えを達成し、後期型は667km/hまで速力が上昇した。
この667km/hがどのぐらい速いのかというと、ドイツの主力戦闘機であるBf109G型で最高621km/h、零戦五二型で564km/hである。
つまり文字通り戦闘機より速い爆撃機となったわけである。
爆弾搭載量も1tを超えており、双発爆撃機としては平均的かそれ以上のレベルに収まっている。
あんまりにも優秀なものだから戦闘爆撃機型・夜間戦闘機型・偵察機型などの派生機が作られ、カナダやオーストラリアを中心にライセンス生産されたほど。
性能面に直接関わらない利点として、家具屋や木工所などおよそ軍需産業になじみの薄い工場の動員を可能にしたこと、戦略資源であるアルミを節約できることである。
イギリスはドイツや日本のようにアルミ不足に悩まされていたわけではないが、節約するに越したことはないよね!ということだ。
ここまで書くとモスキートは完璧な機体に思えるかもしれないが、木製故の欠点が存在する。
高温多湿に弱いのだ。
例えば東南アジアに配属された機体は湿気のために機体が変形したり、キノコが生えた機体もあったとか。勿論こうなってしまうと使い物にならず廃棄されてしまった。
ちなみに、木製なら火に弱いんじゃないの?とお思いになる方もいるかもしれないが、木は案外燃えにくいのである。多少の被弾で炎上することはあまりなかったそうだ。
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