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モルヒネ


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医学記事 ニコニコ大百科:医学記事
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モルヒネ(Morphine)とは、アヘンから抽出される麻薬鎮痛薬である。モーフィーン、モルフィン、モヒとも。


概要


有機化合物
モルヒネ
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基本情報
英名 Morphine
化学 C17H19NO3
分子量 285.34
化合物テンプレート

モルヒネは、ケシの未熟果実から採取される液を凝固したアヘンに含まれるアルカロイドで、オピオイド、オピエートの一種。1804年、ドイツ薬剤師フリードリヒゼルチュルナーによって、天然有機化合物としては世界で初めて単離された。名称の由来は、ギリシア神話の夢のモーフィアスMorpheus)。

強い鎮痛作用があり、多幸感をもたらすため、戦争で負傷した兵士の鎮痛や、ほかの物中の治療を的に多用された。しかし、耐性(反復投与による効低下)を形成するため、次第に用量が増えてしまう。また、物がないと不安になり物を強くめる精依存や、物の投与を中断すると退(禁断症状)を生じる身体的依存を形成するため、麻薬に関する単一条約、麻薬及び向精神薬取締法のもと、生産や流通が厳しく管理されている。

モルヒネの構造を右に示した。この絶対構造決定には単離から実に150年の歳を必要としている。モルヒネの構造の決定には有機化学の発展が不可欠であり、逆に言えば、“有機化学の発展はモルヒネによって牽引された”アヘン(阿片)成分モルヒネの単離から構造決定まで - 生薬、薬用植物(薬草)と身近な野生植物(野草)[外部]と言える。

今日医薬品として用いられている。アヘン末、アヘンチンキ、モルヒネおよびモルヒネ硫錠剤注射剤などが、日本薬局方に収載されており、劇薬麻薬処方箋医薬品定されている。モルヒネとモルヒネ硫で効果や物動態に違いはないが、モルヒネ硫は徐放性製剤のみが上されている。モルヒネの作用を下に示す。

臨床では、鎮痛作用や鎮咳作用を的として投与する。鎮痛作用は、ほぼすべてのの疼痛に有効である。鎮痛・鎮咳作用以外はすべて副作用に関連する。臨床上、催吐作用(悪心・嘔吐)や止瀉作用(便秘)が問題となるため、制吐(吐き気止め)や瀉下(下剤)を併用する。もし、モルヒネの過量投与や濫用により急性中に陥った場合、呼吸抑制作用によって呼吸麻痺となり死に至る。

術後疼痛、末期がんの疼痛、心筋梗塞の疼痛に適応(疼痛下の投与では耐性や依存性は形成されにくい)。また、心拍数や呼吸数を低下させ心負荷を軽減させる的で、急性肺浮腫の患者に使用される。ただし、気管支ぜん息の患者や妊婦には禁忌。気管支ぜん息の患者は、ヒスタミン遊離作用によって痰の排出が困難となり呼吸抑制作用によって悪化するため。妊婦の場合、新生児に退が発現するため。

モルヒネは、ほかのでは効果が不十分であるときに選択される。また、モルヒネの投与の決定は、患者の死期の近さではなく、痛みの強さによってなされる。基本的には4時間ごとに経口投与される。急に投与を中止すると退(禁断症状)が生じるおそれがあるので、中止する際は徐々に使用量を減らしていく。退は、不安感、不快感、発、流、鼻漏、嘔吐、下痢睡眠障害などがある。

モルヒネに代表されるオピオイド(アヘンの成分やその類縁物質)は、神経系に存在するオピオイド受容体に作用する。このオピオイド受容体は、δ受容体、κ受容体、μ受容体の3つに大別される。モルヒネはいずれも刺するが、とくにμ受容体への作用が強く、モルヒネの作用の多くがμ受容体刺によるものである。ちなみに、“μ”はアルファベットの“m”に相当する文字で、モルヒネ(Morphine)が作用することからμ受容体と名付けられた。“δ”は“d”に相当する文字で、精管(Vas deferens)から発見されたことにちなむ。“κ”は“k”に相当する文字で、ケトシクラシン(Ketocyclazocine)が選択的作動であることにちなむ。


関連物質


ヘロインジアセチルモルヒネ
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物の王者(The king of drug)」と呼ばれるヘロインは、モルヒネのプロドラッグ(体内でモルヒネに変換される物)である。ヘロインはモルヒネの2つの基(-OH)がアセチル化(-OCOCH3に変換)された構造のため、脂溶性が高められており細胞膜を透過しやすく、にも移行しやすい。このためモルヒネよりも作用が強く現れる。かつて医薬品として流通していた時代もあったが、現在ヘロインの輸出入、製造、譲渡、施用、所持などすべて禁止されている。ただし、麻薬研究施設の設置者は、厚生労働大臣の許可を受ければ、ヘロインの譲渡、譲受、棄が可になる。麻薬研究者は、厚生労働大臣の許可を受ければ、研究的でヘロインの製造、施用、所持などが可になる。
デイン(メチルモルヒネ)
ジヒドロコデイン
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鎮咳(咳を鎮める)として処方されたり、販の風邪薬に配合されていたりするコデインやジヒドロコデインは、実はモルヒネと類似した構造をもち、一部は生体内で代謝されてモルヒネとなる。したがって、軽度ではあるものの依存性が認められ、長期連用には注意を要する。副作用は眠気、吐き気、便秘など。濫用のおそれがあるとして、コデインやジヒドロコデインを含む一般用医薬品の販売は一人1までと制限されている。また、小児への投与は禁忌である。
デソモルヒネ(ジヒドロデオキシモルヒネ)
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デソモルヒネもモルヒネから誘導される麻薬鎮痛薬で、鎮痛作用はモルヒネの8倍から10倍とされる。ロシアなどでは入手が容易なコデインを原料としてデソモルヒネが密造されている。その過程でガソリンシンナーを使用するなどの粗悪な合成が行われるため、密造品には性や腐食性のある不純物が含まれている。これを常用すると壊疽(体の組織の腐敗)を引き起こしが露出する。そして常用者の多くが数年で死亡する。

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最終更新日: 20/12/22 14:54
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