ニコニコ大百科モバイル

7/2(月)よりスマホまたはPCでアクセスした場合、各デバイス向けのサイトへ自動で転送致します


中線定理


ヨミ: チュウセンテイリ

中線定理とは、三角形の辺と中線に関連した定理である。


概要


三角形ABCが与えられたとき、Aから辺BCの中点Mへ引いた線分を中線という。

このとき、線分AB、ACと、線分BMCMの長さの間に以下の関係が成り立つ。

AB2+AC2=2×(BM2+AM2)

AB=ACの二等辺三角形のとき、直三角形定理であるピタゴラスの定理となる。

証明 

ベクトルを太字で書くことにする。つまり、ABは長さ、ABベクトルをあらわす。

BM=(AC-AB)/2

AM=(AC+AB)/2

BM2=(|AC-AB|/2)2=(AC2+AB2-2ABAC)/4

AM2=(|AC+AB|/2)2=(AC2+AB2+2ABAC)/4

したがって、2(BM2+AM2)=AB2+BC2   ■


ノルム、内積と中線定理の関係


中線定理は図形に基づいた定理であるが、図形の問題としてみると応用が狭くあまり面みがない。しかし、抽ベクトル間に内積を与える定理として重要な意味を持つ。

ベクトル間Xの元aに対して以下の3つの性質を持つ非負の実数を返す関数||||が与えられたとき、||a||をaのノルムという。ノルムはベクトルの「長さ」を一般化したものと考えることができる。

一つの条件の逆「||a||=0ならばa=0」はノルムの正定値性という。3つの条件は三不等式と呼ばれ、これも三角形に関係した定理である。

このようなノルムを備えたベクトル間のことをノルム間という。Fが複素数のときは複素ノルム間、実数のときは実ノルム間と区別することが多い。

同じベクトル間であっても異なるノルムを定義する事ができる。従って、一般のノルム間は必ずしも内積を持つと限らず、ノルムから内積を作ることができない場合がある。しかし、ノルムが中線定理を常に満たすとき、ノルムから内積を復元することができる。逆に、ベクトル間が内積を持つとき、内積から定義されたノルムは中線定理を常に満たす。

つまり、「ノルム間が中線定理を満たす⇔ノルム間が内積を持つ」ということが言える。

以下はその明である。

証明

内積を持つ⇒中線定理を満たす

内積を〈φ, ψ〉と表記する。このとき、ノルム||φ||はφ, φ〉で与えられる。

内積を持つ場合、全てのφψについて、

||φψ||2+||φ-ψ||2=(||φ||2+||ψ||2+〈φ, ψ〉+〈ψ, φ〉)+(||φ||2+||ψ||2-〈φ, ψ〉-〈ψ, φ〉)

=2(||φ||2+||ψ||2)  ■ (AMBMに対応するベクトルφψであることに注意)

複素ベクトル間のとき、

なので、

φ, ψ〉={(||φ+ψ||2-||φ-ψ||2)-i(||φ+iψ||2-||φ-iψ||2)}/4

とあらわされる。これを偏極恒等式という。

実ノルム間の場合は〈φ, ψ〉={(||φ+ψ||2-||φ-ψ||2)}/4である。

中線定理を満たす⇒内積を持つ

複素ノルム間が中線定理を満たすとする。このとき、2つのベクトルφψから生成されるある複素数φψ〉として、〈φ, ψ〉={(||φ+ψ||2-||φ-ψ||2)-i(||φ+iψ||2-||φ-iψ||2)}/4 を考える。

このとき、〈φ, ψ〉が内積の定義である次の5つの条件を満たすことを確認する。

  1. φ, ψ*=〈ψ, φ
  2. φ, φ〉≧0
  3. φ, φ〉=0ならばφ=0
  4. λφ+θ, ψ〉=λφ, ψ〉+〈θ, ψ〉(線形性)
  5. φ, λψ+θ〉=λ*φ, ψ〉+〈φ, θ〉(共役線形性)

第一引数φ)と第二引数ψ)のどちらに共役線形性を適用するかは書籍によって異なる。だいたい物理分野と数学分野で分かれている様子。

1.

ψ, φ〉={(||ψ+φ||2-||ψ-φ||2)-i(||ψ+iφ||2-||ψ-iφ||2)}/4

={(||φ+ψ||2-||φ-ψ||2)+i(||φ+iψ||2-||φ-iψ||2)}/4

=〈φ, ψ*

2.

φ, φ〉={(||φ+φ||2-||φ-φ||2)-i(||φ+iφ||2-||φ-iφ||2)}/4

={||2φ||2i(||(|1+i2-|1-i2)φ||2)}/4=||φ||

ノルムの定義より、〈φ, φ〉≧0

3.

φ, φ〉=||φ||

ノルムの定義より、〈φ, φ〉=0ならばφ=0、逆も成り立つ。

4.

iφ, ψ〉={(||iφ+ψ||2-||iφ-ψ||2)-i(||iφ+iψ||2-||iφ-iψ||2)}/4= iφ, ψ

φ, -ψ〉={(||φ-ψ||2-||φ+ψ||2)-i(||φ-iψ||2-||φ+iψ||2)}/4= -〈φ, ψ

なので、

φ, ψ〉+〈θψ〉={(||φ+ψ||2-||φ-ψ||2)-i(||φ+iψ||2-||φ-iψ||2)}/4+{(||θ+ψ||2-||θ-ψ||2)-i(||θ+iψ||2-||θ-iψ||2)}/4

={(||φ+ψ||2+||θ+ψ||2)-(||θ-ψ||2+||φ-ψ||2)-i(||φ+iψ||2+||θ+iψ||2-||φ-iψ||2-||θ-iψ||2)}/4

={(||φ+θ+2ψ||2+||φ-θ||2)-(||φ+θ-2ψ||2+||φ-θ||2)-i(||φ+θ+2iψ||2+||φ-θ||2)+i(||φ+θ-2iψ||2+||φθ||2)}/8

={(||φ+θ+2ψ||2-||φ+θ-2ψ||2)-i(||φ+θ+2iψ||2-||φ+θ-2iψ||2)}/8

=〈φ+θ, 2ψ〉/2

θ=0のとき、〈φ, ψ〉=〈φ, 2ψ〉/2 なので、〈φ, ψ〉+〈θ, ψ〉=〈φ+θ, ψ

nを自然数、f(λ)=〈λφ, ψ〉とする。f(n)=〈nφ, ψ〉=n〈φ, ψ〉=nf(1)、f(1)=〈(m/m)φ, ψ〉=mf(1/m)

なので、f(n/m)=(n/m)f(1)

ここから、ノルムが連続ならばf(λ)は連続関数となる。つまり、〈λφ, ψ〉=f(λ)=λf(1)=λφ, ψ

以上より、〈λφ+θ, ψ〉=λφ, ψ〉+〈θ, ψ

5.

4.と同様に進める。

実ノルム間の場合は〈φ, ψ〉={(||φ+ψ||2-||φ-ψ||2)}/4とし、同様に明を進める。  ■


関連商品


■az4254136773


関連項目



最終更新日: 18/12/24 16:14
タグ検索 パソコン版を見る


[0]TOP
ニコニコ動画モバイル
運営元:ドワンゴ