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兵站


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兵站[へいたん](Military Logistics あるいはLogistics:ロジティクス)とは、戦闘地帯から後方の軍隊におけるありとあらゆる行動およびその行動を行う部署を一まとめに呼称したもの。

概要

が言ったか知らないが、昔から伝わる有名な言葉から引用しよう。

「素人は戦略をり、玄人は兵站をる」

兵站について一々説明すると気が遠くなるような広範な言葉だし、歴史の変遷も多いのであまり経緯については触れないものとする。
(興味がある方は、ヴァレンシュタインら近世の傭兵戦争マールバラフリードリヒ大王らの近代常備軍時代と、ナポレオン戦争アントワーヌ=アンリジェミニから、鉄道自動車航空消費・補給へと突入したWWⅠWWⅡなどなど近世~現代初期までの兵站活動をとりあげた、マーティンファンクレフェルトの『補給戦』を読んでみるといいだろう。内では豊臣秀吉小田原攻めあたりなども参考になると思われる。また大百科の「戦争と補給」の項及び動画を参考に)

また兵站活動を行う兵種(職種)については、諸兵科連合の項でわかりやすく記述されているので、是非そちらを一読してほしい。この項は、兵站活動全般とは何か、について記述を行うものとする。


兵站とは何かを説明する前に、まず大切な前提条件から行うべきだろう。

すなわち軍隊の的である。

軍隊の的とはつまるところ『戦うことといえる。

しかし、戦うためには準備が必要で、その準備とは究極的に何かといわれれば、
軍隊を構成する部隊・組織の戦闘力(継戦)の維持・向上となる。(これ重要!)

軍隊(部隊)を形成するのは当然兵士であり、兵士はそれぞれに身に着ける、あるいは運用する装備がある。これらによって実現される戦闘力の維持・向上こそが兵站のと言える。

戦闘力とは字面どおりの戦うだが、ただ一度だけ戦うのは戦闘とは言わずただのケンカでしかない。
戦闘には行動を継続させることがめられ、その継戦として呼ばれる。
この継戦とはさまざまな要素から成り立つもので、一言では言えないものがある。
かしこがあればこそ上位の組織、つまり部(あるいは軍、国家)はその部隊のを、計算することが可になる。

いささか冗長だが、ここはアメリカ陸軍の教範から兵站=Logisticsがどのように位置づけられているのかを読んで見るといいだろう。

「軍の移動および継戦の維持を計画・実行する過程、装備品の計画・開発・取得・貯蔵・移動・配分・整備・後送・棄、役務の調達・提供、施設の計画・取得・建設・整備・運用・配置等を含む、戦術レベルでは装備の補給・修理給油・人員配置・移動・給養・継戦維持等の後方支援(Combat Service Support)に重点」
アメリカ陸軍野外教範 100-5 (FM 100-5) Capter 12."Logistics"より。
(『備えよ! ロジティクスサポート』より一部引用の上、修正)

すなわち、全般的には戦闘行為以外すべてを担当する役をさし、戦術レベルにおいては「継戦を維持する行為 = 後方支援である」としている。

戦術レベルにおいてのみ記述すると戦闘力の維持には、部隊を構成する人員の生活物資(、食料、衣服等)。そして運用する兵器修理・補修・使用する物資・弾薬・燃料の補給がかかせない。そして、それらを輸送するためには補給兵(輸送兵)が必要となり、彼らが運用する資材もまた補給が必要となる。

次に補給に使う道路、港湾、飛行場の整備・維持管理も必要になってくる。
最近では兵站という大きな分類から、直接的な戦闘行動への支援については戦闘支援と呼ばれ、その後方において業務を担うものを(広報・会計なども含めて)後方支援(Combat Service Support)」と二つに分けられることも多いのだが、上記文章を読むかぎり、戦術レベルにおいてはCombat Service Supportを直訳した「戦務支援として考えたほうがわかりやすいかもしれない。

話がややこしいが、この兵站(Logistics = ロジティクス)は現在自衛隊内部(陸・)でもあまり用が統一されていない実情がある。陸自では「兵站」、海自空自では「ロジティクス」と呼ばれる。旧日本陸軍ではロジティクスを兵站補給として訳した。後述するが、兵站の中に補給が含まれるが、それがすべてではない。先に引用した教範『FM 100-5』では、兵站にも戦略的ロジティクス、作戦ロジティクス、戦術的ロジティクスと階層があることを述べているのだが、ここらへんの感覚も備えたほうがいいだろう。
このように兵站(Logistics)とはきわめて広範囲な分野をさすために、きわめて説明が難しい分野でもあることがわかるだろうか。

兵站は英語では「Military Logistics」とも呼ばれ、一般の「Business Logistics」とは分けられているのだが、日本国内では兵站のひとつの分野でもある補給(物資輸送)任務を転じて物流として捉えられている側面があり、せいぜいサプライチェーンマネジメント(複数企業間における発注・輸送業務)をひっくるめて、「Logistics=ロジ」と呼ぶことも多い。が、物流としての用は「Physical Distribution」であり、微妙にかみ合ってない現状もある。
企業グループにおいて「○○ロジティクス」とかいう企業名もあるのだが、焦点はほぼ物流にだけにしぼられており、実業と社名が食い違っていると考えたほうが良いかもしれない。

概要のまとめとして、先に紹介したアメリカ陸軍野外教範からもう一つ引用しよう。

Logistics cannot win a war, but its absence or inadequacy can cause defeat.」
(意訳:ロジティクスだけじゃ戦争は勝てない。しかし、欠如、あるいは不適当なやり方は敗北をもたらす)

兵站とはその当時(あるいは現在)の技術、経済ベースとした軍隊、そして国家の縮図でもある。
兵站だけることがすべてをれることではないし、戦術、戦略よりも上位の価値観ではない(それ相応に重要ではあるが)

戦場(歴史)を知り、技術を知り、戦術を知り、戦略を知り、そして兵站を知ることによって見えてくるもの、見るべきもの、そして考えなければならないことがあることを知ることが重要である。

物事に対する視点の位置を変えること、考えることの大切さ。これこそが、冒頭の「玄人は兵站をる」の意味、すなわち素人と玄人を分ける界線かもしれない。
※素人(しろうと)の対である玄人(くろうと)の玄がではないのは、「よりも深く容易ではない」の意味もあるとか。

二十世紀になり戦争の規模が大きくなると共に見せた国家間の戦争における総力戦とは、人類に戦争戦場だけで戦うのではない」ということを教えている。

これは従来の前線(戦場)、後方(安全な場所)という垣根がくなったという意味合いだけではない。
関与するものが戦場というミクロの場所だけではないのだという意味でもある。そこには社会基盤、生産施設、物流、通信、計画運営、意思決定プロセス、すべてがかかわってくる。

兵站という広範囲を示す言葉の裏側に、どれだけ考え、実行に移さねばならないものがあるのか、それを知る一助となれば幸いでもある。

どんな問題がそこにあるのか? (後方支援の一例)

ここでは後方支援(戦務支援)ということでどれだけの努を払わねばならないのか。ということを想像してみてみよう。

たとえば内ではなく海外陸上として大隊規模(600人程度からなる部隊)を派遣する必要性が生じたとする。
派遣日数は不確定であるものの3ヶ以上、現地の治安はあまり良いものといえず、自衛のための武装は必要とする…として想定してみよう。


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最終更新日: 16/11/24 16:37
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