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国連に加盟していない国とは、国連加盟国193ヶ国(2017年10月時点)以外の、国際社会の表層から見えにくくなっている現存の国々、またはそれに準ずる地域についてまとめてみる記事である。
国名 | |
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![]() ヴァチカン市国 |
ご存知、イタリアのローマ市の一角にある国。人口約800人の超ミニ国家だが、国連加盟国以外では現在唯一、独立国としてほぼ全面的な国際承認を得ている。世界中に何億人もの信者がいるカトリックのトップであり、発言の一つ一つが極めて大きな影響力と権威を誇るローマ教皇を元首とすることから、その強すぎる影響力を行使しないために国連加盟をいわば「自粛」している。 |
パレスチナ |
イスラエルとの紛争は日本の国際ニュースでも報道され、国際的にも同情の目をもって見られてきた。ガザ地区とヨルダン川西岸地区を実効支配している。合計人口は400万人に及ぶとも言うがイスラエル支配地域からの難民を多く含み、問題化している。 国連加盟は常任理事国のアメリカが壁となって実現できていないが、ユネスコへの加盟は果たしている。(当然、アメリカはユネスコ加盟にも反対票を投じたが、反対票を入れることはできても、国連安保理のように拒否権があるわけではないので、加盟申請は問題なく賛成多数で可決された) |
ニュージーランドに防衛や政治の一部を委託した2つの小国。委託しているだけであってニュージーランド領ではないが、島民はニュージーランド国籍を持っている。
個別にはそれぞれ外交関係を結んでいる国も多数あり、日本も国家承認して国交を結んでいる。
国名 | |
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クック諸島 |
サモアとかトンガのあたりにある島国。人口1万4000人程度。 国連には加盟していないが、ユネスコ、世界保健機関(WHO)、国連食糧農業機関(FAO)、国際民間航空機関(ICAO)、世界気象機関(WMO)には加盟をしている。 |
[画像を見る] ニウエ |
サモアとかトンガのあたりにある島国。人口1500人程度とみられる。 |
国名 | どこからの主権分立を主張しているか | |
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[画像を見る] コソボ共和国 |
セルビア |
1999年のコソボ紛争後はセルビアの実効支配が及ばず独立状態にある。独自の憲法を擁し、2008年に議会が独立を採択し、セルビアからの独立宣言をする。人口約180万人。
コソボの独立宣言は国際法上、合法か違法かという問題について、国連総会が国際司法裁判所に勧告的意見を求めたところ、国際司法裁判所は「コソボの独立宣言は、国際法に違反していない」という判断を下した |
[画像を見る] 台湾(中華民国) |
中華人民共和国 | 人口2300万人(オーストラリアより多い)。世界最大にして最も政治的に安定した国連非加盟国。 独立について争っている相手の中華人民共和国が常任理事国であるため、加盟は絶望的。台湾を国家承認し国交を結んでいる国は20ヶ国以上(小国ばかりだが)あるが、いずれもその代償として中国とは国交を結んでいない。 それだけ経済的にも十分な存在感があり、各国との民間レベルの交流は非常に盛ん。たぶん、日系資本の進出がどこよりも進んでいる。 |
サハラ・アラブ民主共和国(西サハラ) | モロッコ | 便宜的にモロッコから分立を主張と記してあるが、元々モロッコ領であったことなどなくかつてスペイン領だった地域。西サハラ(の少なくとも南部)のモロッコによる支配の正統性は、国際的にほとんど認められていない(詳しい歴史的経緯はwikipediaでも見よう)。 だが多くの地域をモロッコに不当占拠されており実効支配できている地域はわずか。元々独立国として確立していたわけでなく、国土はほとんど砂漠というだけあって基盤の弱い政府である。それでも、AU(アフリカ連合)に加盟し、アフリカと中南米を中心に90ヶ国くらいから国家承認を受けている。 世界地図で見るとそこそこ広く見えるが、人口は約27万人しかいない。街といえる街は少なく、ほとんど砂漠なのである。 |
ソマリランド | ソマリア | ソマリアと言えば、アフリカで最も単民族に近い構成の国なのに、紛争もテロも起こり放題とアフリカで最も統治の崩壊している国である。そんな戦国ソマリアの中で、1991年から北部で勝手に国家を立ち上げて比較的うまくやっている地域がソマリランド。ソマリアの他の地域に比べればだいぶ安全とのこと。現地の車の99%が日本車(NHK報道)。 実効統治地域の人口は350万人ほど。ひどく内弁慶な国家で、未だに他国から国際承認を受けていない。 |
北キプロス | キプロス | キプロス(キプロス島の南部~北西部を支配)とは30年以上分裂状態にあるが、中国と台湾のような関係で、一方しか国家として認めてはいけない感じらしい。しかし事実上完全な独立国である台湾とは違い、こちらはお隣のトルコの傀儡国家である。 民族的・政治的にトルコとの繋がりが強く、キプロスではなく北キプロスのほうを承認しているのはトルコただ一国。国防は駐留トルコ軍に頼っている。人口27万人くらい。 |
トランスドニエストル共和国 | モルドヴァ | 日本では「沿ドニエストル」とも呼ぶ。ソ連分裂後、モルドヴァのモルドヴァ人主義に反対するドニエストル川沿岸のロシア系住民が反発したことに端を発して独立宣言が出された。 現在ロシアの内政干渉を受けて傀儡国家化している。ここも国際的な国家承認はほぼ受けていない。支配地域の人口50~60万人と見られる。 |
[画像を見る] 南オセチア共和国 |
ジョージア | ジョージアの北東部に当たる地域。ここもジョージアの民族主義への反発が独立主張の背景にある。 トランスドニエストル共和国と同じく、ロシアの干渉が見られる。国家承認しているのはロシアやベネズエラなどの数ヶ国。人口約7万人と小さい国である。 |
アブハジア共和国 | ジョージア | ジョージアの北西部に当たる地域。古くから他民族が交わる土地で、90年代には独立運動がジョージアの激しい弾圧を受けた。 人口約25万人。南オセチアと同じく、国家承認しているのはロシアやベネズエラなど数ヶ国。 |
アルツァフ共和国 | アゼルバイジャン | アゼルバイジャンの西部を実効支配している。アルメニアの傀儡国家として結構有名ではないだろうか。旧称ナゴルノ・カラバフ共和国。 アゼルバイジャンのみならず、周りのイスラム国家(特にトルコやパキスタン)から凄まじく白い目で見られている。人口15万人程度。国際的な承認は皆無。 |
既存国から完全に独立した統治実態がない、事実上独立していても主権の独立を掲げていない、などの理由で国際的に国家と見なすのは難しい地域。
挙げていくときりがないので(言わずもがな、ソマリアでは何十もの地域を基盤とした独立勢力がある)、われわれに多少はなじみのありそうな主なものをいくつか。