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売掛金


ヨミ: ウリカケキン

売掛金とは、売掛債権の1つで、商品を販売した代を現手渡しまたは銀行振り込みで受け取る約束のことをいう。

反対は買掛
 


概要


売掛債権の中の1つ

企業が他の企業に向けて商品やサービスを販売するとき、すぐに代の支払いをめず、将来に代を支払ってもらうことが多い。これを信用取引とか、掛取引(かけとりひき)という。

信用取引において、商品の販売者が代を受け取る権利を売掛債権という。2020年現在日本において売掛債権は、売掛金、受取手形電子記録債権の3種類に大別される。


売掛金は、「後日、現を手渡ししてもらうか銀行振り込みしてもらうかして、代を受け取ります」という約束である。ただの約束で、券になっているわけではない。このように、券になっていない普通債権のことを指名債権(しめいさいけん、さしなさいけん)[外部]という。

手形は、証券[外部](有価券)になっている。券になっている債権のことを券的債権という。その中でも、手形は、券の中で債権者を図しているので、指図債権(さしずさいけん)[外部]という。


以上のことをまとめると、以下のようになる。
 

債権の種類 解説
売掛金 債権 券化されてない
手形 券的債権債権 券化されている

 

気軽な支払い形態

売掛債権の3形態の中で、売掛金が最も気軽な支払方法である。

手形電子記録債権債務不履行やらかした者に対しては、業界団体の規則に基づき、厳しい罰を科す制度が確立されている。手形電子記録債権を1回債務不履行すると、日本機関に通達され、機関からの融資を非常に受けにくくなり、経営が一気に傾く。6ヶ間の間に2回債務不履行をしてしまうと、銀行から2年間の取引停止処分を受け、事実上の倒産に追いこまれる。

その一方で、売掛金は、支払いを延滞しても厳しい罰が科せられない。手形電子記録債権のような、全神経を集中させて支払いをする、という堅苦しさがない。
 

流通性は手形・電子記録債権に比べてやや劣る

手形電子記録債権は、人から人へ次々と譲渡されていくことを想定して法整備されており、流通性がとても高い。


手形電子記録債権も、原因関係に一切されず、人的抗弁を切断するようになっている。このため、でも安心して受け取ることができる(人的抗弁については、手形抗弁の記事を参照のこと)。

一方で、売掛金は、譲渡された後でも原因関係が強くする。債務者は、に対しても、原因関係に基づく人的抗弁をすることが可である。このため、売掛金を買い取るときは、人的抗弁を受けるかもしれないというリスクを取らねばならない。


手形電子記録債権も、譲渡するとき、契約書を作成しなくてよい。双方の合意を得て、手形なら裏書きし、電子記録債権なら譲渡記録を記録機関に請するだけでよい。

一方で、売掛金を譲渡するときは、譲渡する人と受け取る人が債権譲渡契約を結び、債権譲渡契約書を作成する必要がある。


手形電子記録債権も、譲渡するとき、債務者に通知をしなくてよい。

一方で、売掛金は、譲渡するとき、債務者に対して通告をしなければならない。債権譲渡通知書を内容郵便債務者に送りつけるか、債権譲渡登記をして得られる登記事項明書を郵送する必要があり、手間とお金がかかる。


表にしてまとめると、以下のようになる。

手形電子記録債権 売掛金
原因関係 譲渡を受けた者は原因関係を受けない。人的抗弁の切断が確保される 譲渡を受けた者も原因関係を受け、人的抗弁を受ける可性がある
契約書の作成 作成しなくてよい 債権譲渡契約書を作成する必要がある
債務者への通知 通知しなくてよい 債務者に対して債権譲渡をし、裁判に勝ちたいのなら、通知する必要がある
まとめ とても簡単に譲渡できる 譲渡するのが面倒である

 

売掛債権の主流となっている

明治以来の日本の商人たちは、非常に長い間、信用取引において手形を使ってきた。そのため、日本手形と言われていた。

1990年代初頭のバブル崩壊とそれに伴う不気で、手形の利用が減少していった。それと同時に、日本の商人たちは売掛金という形態を好むようになっていった。

2020年現在も、売掛金(銀行振り込みするという約束)が支払手段の流となっている。
 


売掛金の猶予期間(支払いサイト)の目安


売掛金とは、「後日、現を手渡ししてもらうか銀行振り込みしてもらうかして、代を受け取ります」という約束のことである。

支払い日までの猶予期間を支払いサイト[外部]と呼ぶ。このサイトsightのことで、「視野」という意味を持つ英単である。ちなみに英語で支払いサイトを表現するときはsightという単を使わずterms of paymentと表現する。ゆえに「支払いサイト」は和製英語といえる。

支払いサイトは、「売買契約に基づいて商品が搬入された日から実際の支払い日までの猶予期間」ではなく、「取引代締め日[外部]から実際の支払い日までの猶予期間」のことである。


この支払いサイトは、どれぐらいの長さになっているのだろうか。

当然のことながら、支払いサイトが短いほど債権者に有利で債務者に厳しく、支払いサイトが長いほど債権者に不利で債務者に有利である。

だいたいの基準は、日本の商業界において慣習化されている。売掛金・買掛の形態の場合、支払いサイト30日や60日というケースがとても多く、それぞれ30サイト60サイトと呼ばれている。

4月1日に商品を受領して、4月30日に締め日を迎え、それから30サイトの支払い期日にする。すなわち5月30日銀行振り込みで支払う」だとか、「4月1日に商品を受領して、4月30日に締め日を迎え、それから60サイトの支払い期日にする。すなわち6月29日銀行振り込みで支払う」というのが、よくあるパターンである。


ちなみに、手形電子記録債権で支払うときの支払いサイトは、手形電子記録債権の期間がさらに追加される。「4月1日に商品を受領して、4月30日に締め日を迎え、30日後の5月30日に『支払い期日が120日先の手形電子記録債権』で支払う」というのは、30サイトではなく、120サイトでもなく、150サイトである。締め日と、手形電子記録債権銀行に化ける日の期間を支払いサイトと扱う。


※この項の期間計算に使ったwebサイト・・・keisanサービス[外部]
  


下請法による支払い猶予期間の基準


下請法[外部]では、資本の大きい大企業(親事業者)が、資本の小さい中小企業(下請事業者)に対して支払いをするときの、支払い猶予期間の基準を示している。

下請法とは、簡単に言うと、大企業中小企業の取引に関する法律である。大企業同士の取引や、中小企業同士の取引には、下請法が適用されない。

この法律を運用しているのは中小企業庁と公正取引委員会で、どちらも下請法特設サイトを丁寧に作っている(特設サイト1[外部]特設サイト2[外部])。
 

下請法における支払い期日の設定

下請法第二条の二[外部]では、次のように支払い期日を定めている。
 

下請代の支払期日は、親事業者が下請事業者の給付の内容について検をするかどうかを問わず、親事業者が下請事業者の給付を受領した日(役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした日。次項において同じ。)から起算して、六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない。

 
親事業者が下請事業者の給付を受領した日というのは、商品を受領した日であり、末の締め日ではない。このため、4月1日に商品を受け取った親事業者は、それから60日後の5月31日までに支払い期日を定めなければならない。「4月1日に商品を受領して、4月30日に締め日を迎え、それから60サイトの支払い期日にする。すなわち6月29日に支払う」と言うのは、下請法違反となる。

親事業者は、下請代の支払い期日までに、銀行を振り込むか、手形電子記録債権を手渡すか、どちらかを行う。

手形電子記録債権を渡す場合は、手形割引電子記録債権割引が可であるようにしなければならない(下請法第四条2の二[外部])。譲渡禁止を券面に書いた手形や譲渡禁止を明記した電子記録債権を手渡すことは禁止され、受け取った人がすぐに機関などで銀行に換できるようにすべきである。

後述する2016年12月14日通達[外部]では、「手形電子記録債権を渡すときは、手形割引電子記録債権割引の手数料を上乗せした額面額で渡すように」としていて、下請事業者が負担なしで銀行を入手できるようにしている。

※この項の期間計算に使ったwebサイト・・・keisanサービス[外部]
 

遅延利息

下請法を視して、親事業者が下請事業者の給付を受領した日から90日後を支払い期日として、その通りに支払いをしたら、どうなるのだろうか。

その場合、下請法第二条の二の2[外部]によって「90日後の支払い期日」が効とされ、「商品を受領した日から60日後」が自動的に支払い期日となる。

そして、下請法第四条の二[外部]によって遅延利息の支払いが親事業者に課せられる。1970年(昭和45年)に定められた規則[外部]によって、その利息は年利14.6(1日0.04)とされている。である。先ほどの例は、支払い期日から30日遅れたので、0.04×30=1.2で、1.2%遅延利息を支払わねばらない。
 

下請法に違反したときの制裁

下請法第二条や第四条に違反した場合どうなるかというと、罰は科せられないが、公正取引委員会から禁止行為の取りやめや再発防止措置をめる勧告を受ける。勧告を受けるとインターネットで社名が開され、社会的な体裁が非常に悪くなる。

勧告を視すると、今度は公正取引委員会から独占禁止法に基づく排除措置命令や課徴金納付命令[外部]といったが出される。そうなると、下請事業者から民事訴訟も起こるようになり、下請事業者が勝訴する可性が高くなる。

視すると、今度は警察が出動して、刑事を受けることになる。

このため、下請法を守る親事業者は多い。


※この項の資料・・・記事1[外部]
 

2016年12月14日の通達「できる限り売掛金・買掛金の形態にせよ」

2016年平成28年12月14日に、中小企業庁長官と公正取引委員会事務総長が連名で通達を出した[外部]

その通達では、「親事業者が下請事業者に対して支払いをするときは、できる限り現で支払いすること」と書かれている。これはつまり「手形電子記録債権での支払いをやめて、銀行振り込みの約束、すなわち売掛金・買掛の形態にすること」という意味である。


また、「どうしても手形電子記録債権での支払いをするときは、繊維業90日以内、その他の業種120日以内とすることは当然として、段階的に短縮に努めることとし、将来的には60日以内とするよう努めること」と書いてある。

先述の通り、下請法第二条の二により、4月1日に商品を受け取った親事業者は、それから60日後の5月31日までに支払い期日を定めなければならない。5月31日に支払期限が120日先の手形電子記録債権で支払いして、銀行の口座から支払いが行われる日を9月28日にまで伸ばす、というのが、親事業者に認められた最大限の引き延ばしである。


さらに、「手形電子記録債権で支払いをするとき、即座に使える銀行を欲しがる下請事業者が手形割引電子記録債権割引を利用したときに負担する割引料を考えて、その割引料を加えた高めの額で支払うこと」と書いてある。手形割引の記事に解説されているとおり、手形割引するときは割引依頼人の信用で決まるので、貧乏中小企業手形割引すると損をしてしまう。下請事業者にそういう損をさせてはなりません、と書いている。この項により、さらに手形電子記録債権での支払いをやめて、銀行振り込み約束すなわち売掛金・買掛の形態で支払うことが進むことが期待される。
 


売掛金の譲渡


売掛金は、譲渡することができる。このことを取り決めているのは民法第467条である。
 

民法第467条 ※2020年令和2年)4月1日から施行されているもの

第1項
債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。

第2項
前項の通知又は承諾は、確定日付のある書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。

 
ここでの「対抗」とは、「債権すること」といった程度の意味である。
 

債権譲渡契約を結ぶ

売掛金を譲渡したければ、譲渡人ゆずわたしにん 与える側)と譲受人ゆずりうけにん 貰う側)が、債権譲渡契約を結ぶ。その際、債権譲渡契約書を作成し、印税法に定めるとおりに収入印を貼る。

債権譲渡契約書は、一定の書式がある。こんな感じ[外部]に作成すればいい。
 

債務者に通知する

そのあと、譲渡人(与える側)が債務者に向かって、債権譲渡通知書を内容郵便で送りつけ、通知をする。

内容郵便というのは、「いつ」「が」「に」「どういう内容の」郵便を送ったかを明する郵便で、これで債権譲渡通知書が「確定日付のある書」になる。

内容郵便は、全部の料を合わせて2,000円程度で、ちょっと高い。
  



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最終更新日: 20/05/05 15:03
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