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岩融とは…
本稿では1を取り扱う。
武蔵坊弁慶が多くの武芸者などと戦い999本もの刀を集めるときに手にしたという薙刀。刃の部分だけでも三尺五寸(105cm)という巨大な武器で、作者は三条宗近ではないかという説がある。「そんな巨大である必要があるのか?」という疑問もごもっとも。実は我々が普段思い浮かべる時代劇使用の薙刀は「小薙刀」というもので、弁慶が用いたのは当時の僧兵達が寺院を守るために用いた「大薙刀」という薙刀。比率も小薙刀が3:7に対し、大薙刀は4.5:5.5という作りであった。イメージとしては杖になった柳葉刀と言った方がわかりやすいかもしれない。
弁慶はこの岩融を杖にして体を支え、仁王立ちのまま息絶えた事から「弁慶の立ち往生」という言葉が生まれた。それほど、弁慶といえばこの薙刀を思い浮かべる人が多いだろう。現在も岩融が見つかっていないため、架空の武器ではないかとも言われている。
武器銘の由来は不明で、『義経記』の中には弁慶所持の「岩透(いわとおし)」という刀が大薙刀と混同されたのではないかという説がある。実際には七つ道具と呼ばれる多数の武器を扱ったとされるという説もあるが、これも江戸時代の創作ではという見解が濃厚。
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