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生活保護


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生活保護とは日本国社会保障における救貧制度のことである。経済的に困窮した人の最低限度の生活を保障するセーフティネットとして設計されている。

略称は「生保」であるが、生保(セイホ)という略称は旧来より「生命保険」の略称としても使われているため、インターネット上ではスラング蔑称として「ナマポ」と呼ばれることもある。


概要


当記事では日本国の生活保護について解説する。

生活保護は日本国社会保障制度、そのうちでも救貧制度である。歴史経緯・国家における制度の位置づけについては記事「社会保障」の「救貧制度」の項に詳しいのでそちらを参照のこと。同様に日本において生活困難者に対して怠惰とみなす傾向の由来についても上記と同様に救貧制度を参照。

2014年7月厚生労働省が発表した速報値によると、内で1,608,994世帯、2,163,716人が生活扶助・医療扶助・住宅扶助など何らかの生活保護を受給している被保護者調査(平成26年7月分概数)|厚生労働省[外部]。ただし後述のように日本の生活保護制度は捕捉率が低いため、実際には生活保護を受けられるにもかかわらず、何らかの理由で受給していない(受給させてもらえない)個人・世帯も相当数居ると見られている。


所管官庁・予算推移説明


所管官庁は厚生労働省。予算額は平成26年度時点で3兆8431億円となっている。地方における負担割合については、3/4に対して、地方1/4となっている。以下が生活保護費負担(事業費ベース)である(生活保護費負担事業実績報告より抜)。

厚生労働省予算における福等に含まれている。なお、26年度における前年度の増額分は612億円。少ない額ではないが厚生労働省社会保障関係費増額は26年度では全体で1兆2845億である為、増額分としては低い。このことからも、生活保護単体の問題で国家破綻するというマスメディアの論述はただの印操作であることがわかる。

国家予算の増額を抑えたいのであれば医療費の増額分(6403億円)に手を入れた方が額面的には効果が大きいといえる。同じことは生活保護費にも言えることで、実績額の約半分は医療扶助となっている。


年齢階級別の状況


国立社会保障・人口問題研究所によると、2011年時点の被保護者の年齢別構成は以下の通りである年齢階級別被保護人員と保護率の年次推移(Excel)[外部]

70歳以上 60歳代 50歳代 40歳代 30歳代 20歳代 20歳未満
28.1% 23.0% 13.6% 10.5% 6.7% 3.0% 15.1%

高齢世代の受給者が多いのは年金のみで生活できなくなって生活保護に依存している高齢者が多いためである(後述の「第2の年金化」を参照)。また働き盛りの世代の率は低いが、実際にはワーキングプアに陥っている若い世代が十分に救済されていないという問題も摘されている。


制度説明


制度の的は、民の健康で文化的な最低限度の生活の保障であり、資産のすべてを活用してもなお生活に困窮する者(高齢者・傷病者・障者・子世帯など)に対し、政府自治体が、困窮の程度に応じた保護を実施するとともに、自立を助長することである(生活保護法1条)。

要するに最低限度の生活を(自立して)行える状態にするため、生活困窮者を支援すること』が基本的な制度意義となる。

な内容は、銭的援助。これは医療の現物支給も含まれる。食費・光熱費などの生活扶助と思われがちだが、地域ごとに定められた範囲内の賃が支給される住宅扶助(銭給付)、教育を受けるための教育扶助(銭給付)、医療を受けるための医療扶助(医療補助は生活保護費支給票を初診の時に提示し、以降は現を介さない現物支給となっている)など、扶助の種類は全8種と多様である。

また困窮者の事情に合わせた各種の加算制度もあるため、「この条件で生活保護を受けている人間の年収は○○円」と一概に決めることは出来ず、単純に個人・世帯の受給する保護費を高い低いで論じることは難しい。2010年度のデータによると、保護費総額のうち医療扶助費が47.2%で最も多く、次いで生活扶助費が34.7%、住宅扶助費が15.0%という構成になっている扶助別保護費の年次推移(Excel)[外部]

長期的な気停滞などのから、被保護者は増加の一途にあり、生活保護の総費用もまた増加の一途を辿っている。2014年時点で生活保護費用の総額は約3兆8000億円。被保護世帯は160万世帯、総被保護者数は210万人以上(人口100人あたり約2人)に上り、調の度に、過去最多を更新し続けている(ただし、全人口に対する受給者の割合は、5060年代よりも低い)。

また、長引く不況による、収入が最低生活費を下回っている労働者の増加、一部の被保護者の不正受給のニュースなどが注されることもある。

本来の生活保護の制度設計の思想から言うならば、最低生活費を下回っている労働者にも生活保護の一部(住宅補助や医療保障等)が支給されるべきなのだが、現時点においてその観点からきちんと運用されてる事例は極めて少ない。そうなる理由については問題点の「漏給問題」を参照。

また、戦後の生活保護の法設計時には少子高齢化については年金で何とか対応しようという極めて甘い見通しを政府が立てていた、つまり(建前上)想定外であるため、21世紀現在においては年金受給のみで生活できなくなった老齢世帯が生活保護に流れ込むようになってきている。これについては問題点の「第2の年金化」を参照。

さらに、デフレーション下における低賃が浸透した現代において生活保護を受ける人々への社会的な反感をマスメディアクローズアップすることが往々にあり、その結果、生活保護予算の削減が一部の政党などからも提起されることがある。


給付額


給付額についてだが、まず以下の式を覚えていただきたい。

①扶助の合計額 - ②収入認定額 = ③振込額

これが基本である。おおよその見込み額として仮に単身の成人男性健康状態が悪く就労不能という場合、地方政令指定都市にて生活扶助が77,980円前後、住宅扶助が32,000円。合計109,980円が①扶助の合計額となり、まったく収入がない(②収入認定額が0)場合、109,980円が③振込額となる。あくまで参考例なので注意。

この中からアパート代、電気ガス光熱費、被費、食費、他、生存にかかる費用すべてをまかなうことととなるのである。なお、医療費、NHK受信料は(現物支給として)支払額が免除されるため原則はかからない。

この額面で自宅に引きこもっていられるのであれば収支がとれると考える人も多いであろうが、実際にはたとえ働けなくても就労支援で週一回、収入認定一回は役所にそれぞれ出向き面談を受け義務として週一回は履歴書企業への送付をさせられる人が現在多い。これは高齢者も同様である。この場合、就労活動にかかる諸経費はケースワーカーにもよるが、食費を削るなりして融通することとなることが多いとされる。

また生活備品の破損時もどうにもならない。その為、本人の視点でどうしても必要ならば食費などを削って単内で購入費を捻出することとなる。この辺りは税金生存保障されている制度である以上は当然のこととみなされており、ケースワーカーたちも生活備品などを受給者がやりくりして買っていることを解っているため、購入細については確認しないのである。

なお、労働に勤しんでいながらも上記の額を割り込んでいる労働者(ワーキングプア)は、最低生活費を下回っていると言い切れることから、健康維持の観点からも一度生活保護の受給を真剣に検討することを強く推奨する。


扶助


上記、①扶助の細が以下となる。


収入認定額


②収入認定額だが基本は働いて稼いだ額となる。以下の式で算定される。

収入認定額 = 就労収入 - (基礎控除 + 各種控除 + 必要経費等)

ただし、全額引いたのではいくらたっても保護受給者が立ち直れないため基礎控除として8000円はつけてもらえる。
なお、年金全額が収入認定額に入る。

控除

基礎控除
基本は8000円。所得に例して増えていく。
新規就労控除
半年だけ5000円控除される。
未成年者控除
高校生計の足しにしようとバイトした場合等につく控除である。
特別控除
働いた分の一部をに追加で控除するというもの。平成25年8月をもって止されている。

必要経費等

通勤など稼ぐのにかかった経費類で、タクシーなどは認められない。

衣料品の更新分や、出かけることによって多めにかかる食費などは基礎控除に含まれているので、基本的には認められない。原則、共交通費代と思ってよい。


問題点



不正受給


生活保護を巡る議論で常に争点となるのが、不正受給者の存在である。個人による小規模なものから、暴力団など犯罪グループが関わる大規模なものまで、不正受給との戦いは長く繰り広げられてきた。

2011年度の不正受給件数は35,568件(受給件数全体の2.4%で、例年微増の傾向にある。また、保護費ベースでも同年度の不正受給額は17,312,999円(受給額全体の0.5%で、こちらも微増の傾向である生活保護制度の概要等について(pdf、14頁)[外部]

不正受給件数率2.4%の数字のみを見るとやはり生活保護には不正受給が付き物であるように思えるかもしれないが、不正受給額が保護費総額に対して0.5%とかなりの少額に留まっているのは、被保護世帯の子どもバイトの給与を申告しなかったなど末なものまで不正受給件数に含まれているからであって、全体を俯瞰して見ると不正受給はかなり例学的な存在であると言える。

当然のことながら、制度への信頼性を大きく揺るがす悪質な不正受給者には行政が厳しく対応し、民も監視のを向けなければならない。

しかし、この問題は近年の社会保障費増大に合わせた政府の支出削減の動きと相まって、たびたびマスメディア政治家センセーショナルに取り上げられる。ここから「生活保護バッシング」とも呼称される、生活保護受給者が全て不正受給者であるかのような論調が発生する。大多数を占めるっ当な制度利用者の名誉のためにも、良識ある民はこれに関して慎重な態度を取らなければならないだろう。


扶養義務


しばしば扶養義務も不正受給と関連して話題となるが、扶養と生活保護の関係にはいくつかの規定がある。

民法が定める扶養義務者の類には、

  1. 夫婦
  2. 直系血族及び兄弟姉妹
  3. 三親等内の親族

の3つがある。このうち、1と2は絶対的扶養義務者として、要扶養状態になった者が居る場合は扶養義務を負う。他方で3は相対的扶養義務者であるので、庭裁判所が特別な事情(過去にその親族が要扶養者から長期間扶養されていた事情など)があると認めた例外的な場合にだけ扶養義務を負うとされる。

さらに、2で扶養関係が親→子(未成年)の場合は、「文化的な最低限度の生活準を維持した上で余があれば、自身と同程度の生活を保障する義務」があるのに対し、扶養関係が子(成年)→親である場合は、「その者の社会的地位にふさわしい生活を成り立たせた上で、余裕があれば援助する義務」と相対的に弱い義務になる。加えて、扶養の程度・内容に関しては原則として親子の合意により決定されることが前提となることと、生活保護法で扶養は保護を受ける上での要件に設定されていないことを加味して、生活保護と扶養の関係を論じる必要がある。

判例も含めて以下のように解釈すればほぼ間違いはないと考えてよい。

  1. 強い扶養義務を負うのは,夫婦未成熟の子に対する親だけ。
  2. 兄弟姉妹成人した子の老親に対する扶養義務は「義務者がその者の社会的地位にふさわしい生活を成り立たせた上で、なお余裕があれば援助する義務」程度
  3. 具体的な扶養の方法程度は,まずは当事者の協議で決定する。
  4. 協議が調わないときは庭裁判所が決めるが、個別ケースに応じて様々な事情を考慮するので機械的にはじきだしたりはしない

なまじ法律上の文言として絶対的扶養義務者に直系血族及び兄弟姉妹が入っているため役所からの書類に慌ててしまう人も多い。そして役所側もそれを見越して親子兄弟間で交渉が認められる、もしくは役所への問い合わせがあった時点で生活保護の認定を止めてしまうという制度を悪用したかのような事例がまま見受けられる。

結果として生に対応する日本人が受給条件を満たしているにもかかわらず受給することが出来ず、親戚一同と連絡の取れない永住・定住外国人の方が申請が通りやすいなどという法の趣旨から外れた現が発生しているのである。保護申請の拒否である。詳細については下記の漏給問題、外国人への支給についても参照。

2012年4月、とあるお笑いタレント親が生活保護を利用していたということで一部マスメディアネットユーザーによる生活保護バッシングが起きたが、この事例を先述の法律に照らし合わせると、親に一応の仕送りをしていた当該お笑いタレント最低限の扶養義務を果たしており、その親は仕送りが生活最低費に足りていなかったことから生活保護を利用したのであって、現状で違法行為は見られないという結論になる。

もちろん、収入に応じた仕送りの額が少ないなどといった非難はされうるだろうし、前出のお笑いタレントの場合は「タダでもらえるものならもらっておけばええんや」などと発言していたことが報道され、そのお笑いタレントの当時の収入などと照らし合わせた上での発言や考え方に対するモラルが問われたものと考えられる。もし行政側が扶養義務者に不満があれば庭裁判所に訴えてさらなる扶養(仕送り増額)をめることができる。

先の事件は扶養義務と生活保護の関係についての再考を国会に提起した。今後さらなる社会保障費の増大が懸念される中で、上記事件は扶養義務の履行促進による生活保護支給の削減を推進する絶好の口実となり、扶養義務者への通知義務や調権限の強化を盛り込んだ生活保護法正案が2013年12月に成立した。


漏給問題


不正受給の一方で、また大きな問題となっているのは本来生活保護の対となるべき生活困窮者が何らかの理由で保護を受けられていない、漏給問題である。

一例として、東京特別区部において、標準3人世帯(33歳・29歳・4歳)に支給される生活扶助=最低生活費の準は、167,000円である。年間にして約200万円。これが、東京においてこの3人家族「文化的で最低限度の生活」を送るための最低収入と定められている。

だが、現実には世帯収入がこれを下回る同形態の世帯が少なからず存在している。本来であれば収入が最低生活費を下回る低所得世帯は、可な限り資産活用したと見做されたあとで生活保護を受けられる。

ところが日本では収入が最低生活費を下回っている世帯のうち、現に生活保護を利用している世帯の割合(捕捉率)は15~18%に留まっている。例として諸外の例を挙げると、ドイツでは64.5%フランス91.6%イギリスは47~90%スウェーデン82%である。

つまり、先に提示した現在の受給者数とこの数字を照らし合わせると、生活保護の対となるレベルの困窮者が、日本には全部で900万世帯・約1200万人いることになる。つまり、750万世帯・約1000万人の民が、生活保護を本来受給すべき貧困の中にあるにも関わらず、保護を受けられていない状態にあるわけである。

このような状態は、政府自治体が保護費圧縮のために行ってきた違法な保護申請の拒否・保護打ち切りや、生活保護受給そのものが恥であるとする日本社会全体に広まっている潮によるものでもあると考えられる。

また例外を除き、持ち自動車・土地など資産の処分も生活保護受給条件の一つである。大都会ならば公共交通機関の心配はない。しかし大都会以外のにおいては死活問題であり、仕事や生活において自動車が必須レベルであるも存在する。仮に公共交通機関が存在しても、便数や路線の充実度の違いがあり一概に論ずることはできない。しかし自動車はまず認められない。これも受給を困難にしている一因である。


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最終更新日: 19/07/13 18:18
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