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広島県南東部で岡山県との県境、瀬戸内海に面する広島県第2の都市であり、備後地方の中心都市。
人口は約46万人と中国地方第4位の規模であり、福山都市圏では70万人を超える人口を抱えている。
古くから、福山城の城下町や瀬戸内海の重要港として発展しており、交通の要所であり、
特に万葉集にも詠まれる鞆の浦は今では観光地として人気。
戦後になると、日本鋼管(現JFEスチール)製鉄所の誘致に成功し企業城下町として発展し、福山大空襲の焼け野原から復興を果たす。
広島市や岡山市といった周囲の都市に古くから依存せず、独自の文化圏を形成し
県庁所在地でないにも関わらず、その都市圏規模から、一部では県庁所在地並の扱いを受けている。また、新幹線の停車駅もあり、福山駅では福塩線や高速バスのターミナルにもなっている。
将来くるかもしれない道州制で、密かに中国州の州都を狙っている。
しかし何よりの特徴は、その都市規模に比べ全国知名度が格段に低いことにある。
詳細はWikipediaなどを参照されたし
▲まずはじめに言っておかねばならないのが、福山市と広島市は全くの別物ということだ。
ここでは、広島市との違いに主軸を置きながら、福山市の地域性を見ていきたいと思う。
① 広島弁を喋らない
広島県民全員が広島弁を喋っているわけではない。
福山市は備後弁(福山弁)と呼ばれる全く別の方言を持っている。
したがって、広島県民ながら広島市民との意思疎通に一部困難を伴う。
そんな不思議な地域性を持っている理由は、広島市との距離にある。
高速に乗っても約100kmを隔てる広島市とは、そもそも繋がりが薄い。
反面、岡山県との繋がりは盛んで(実際、一時期は岡山県だった)、備後弁には岡山の性質が現れている。
加えて、備後弁は意外なことに名古屋弁と類似点が多い。
これは、福山藩を治めていた水野勝成が徳川家康の従兄弟であり、三河との交流が深かったことに由来する。
(現在でも、愛知県岡崎市とは姉妹都市提携を結んでおり、交流は続いている。)
つまり、備後弁は「広島弁、岡山弁、三河弁を足して3で割った感じ」となんとなく理解していただければありがたい。
② 広島お好み焼きにそこまで執着しない
失礼を承知で、福山はこれといった有名店が無い。府中市が近いから「府中焼き」を食べに行ったりする。
広島市内に比べれば、関西風の店も受け入れられている。ただし、「広島焼き」には違和感を感じる。
③ カープファンでなくても怒られない
巨人ファンも阪神ファンもいます。
観戦に行くにも福山から広島市の球場まではアクセスが悪く地味に時間がかかり、福山での試合も滅多に無いため広島市民に比べてあまりカープに馴染みが無い。
④ 福山を田舎だと思っている
知名度が低く、これといった特産品もないので全国規模のマスコミはもちろん広島のローカル番組でもまったく相手にされないので、たいていの福山市民は福山を田舎だと思っている。
が、都市圏70万人規模の地域は日本にそれほど多くあるはずもなく、
他県へ引っ越して初めて「福山って意外と都会だったのか」と気付く人もしばしばいる。
実は、47都道府県の県庁所在地を人口の多い順にランキングにし、そこに福山市を仮に入れると、上から数えたほうが早い順位になる。
⑤ おおらかで堅実
福山は、瀬戸内海の中心にあるため、気候は温暖であり、一年を通して晴れの日が多い。
また、台風被害がそこまで深刻なわけでもなく、地震もまったくといっていいほどない、大雪に関しては論外である。
(気象庁のデータを基に東京と福山を比較すると、年間日照時間が200~300時間程度長く、年間降水量は300~500ミリほど少ない)
穏やかな気候と、様々な地域との交流を基として生まれたのが、福山市民の市民性である。
⑥ 岡山県に近いことによる特権
岡山県に隣接する福山市は、何かと岡山県からの影響が受けやすい。
JR西日本の岡山支社の管轄内だったり、ドラッグストアZAGZAGが進出したりといったことだ。
その他、いろいろと企業などから岡山県の一部のような扱いを受けたりしている場合がある。
特筆すべきは、福山市内一部の地域でアンテナを岡山県へと向けると「テレビせとうち」(テレビ東京系列)が受信できることだろう。
テレビ東京系の局の開設を願ってやまない広島市民にとって、おそらく最も福山市が妬ましく思える要素だろう。
⑦自動車社会
前述したとおり、福山市の周囲約60kmには大きな都市が存在しない。
よって、電車に乗り隣町まで出かける発想は持ち合わせておらず、同時にそういった都市構造にもなっていない。
福山駅は市の中心に位置し、のぞみが停車する重要な駅だが、市民の利用頻度はそこまで高いものではない。
なぜならば、近場への移動手段としての在来線は先の理由から少なく、広島市や岡山市に行こうにも、距離が中途半端で在来線だと時間がかかりすぎ、かといって新幹線でもこの距離だとコストパフォーマンスが悪いので、「なら高速乗って車で行こう」という考えに行き着く。
よって、福山市民は鉄道を東京・大阪方面まで行く時ぐらいしか利用をせず駅前も寂れてしまっている。
(日常的に在来線を利用している福山市民は、車を所持しない郊外からの買い物客か、私立学校の生徒くらいであろう。それほど福山市には車を持っていない人がいない。)
路線バスはというと、中国バス、鞆鉄バス等が市内どこでも走っているおかげで、山陽本線・福塩線(福山市内の在来線)の沿線以外の地域で需要がある。
鉄道の走っていない南部(鞆・沼隈方面、川口・新涯方面)では、路線バスはその地位を確立していると言える。
が、市内路線バスは基本的に「福山駅とどこか」という形で運行されており、「福山駅以外のどこかとどこか」という運行はされていないため、日常的な移動の足としてはやはり欠点がある。
(一回福山駅でバスを乗り換えるくらいなら自転車の方が目的地に着くのが早いという場合も少なからずある。)
このように福山市は車がなければ生活し辛く、また、車があれば生活するのに都合がよくできている。
その理由は自動車社会であることと同時に満たされた駐車場の充実度や道の広さ・運転しやすさではなかろうか。
福山市は城下町であり、古くからの町並みのおかげで道が細く、やたら交差点が多いというイメージが浮かぶが、実際は広い道が多い。(渋滞するエリア(ほぼ国道2号線のこと)はあるが、時間帯は決まっているし、抜け道もある。)
なぜ城下町ながらそこまでの道路の利便性を確保できたかというと、皮肉なことに、福山大空襲が大きく関わっている。
第2次大戦末期、疲弊した日本にとどめをささんと戦略爆撃を繰り返していた米国、その標的の一つとして陸軍の司令部や施設、海軍航空隊の基地のあった福山市が選ばれた。
1945年8月8日、福山の静かな夜はB-29の無数の焼夷弾による無差別爆撃によって火炎地獄と化した。
これにより死傷者1000人以上の被害を受け、福山駅や福山城天守閣などを含む市街の実に8割以上を焼失した。
そう、福山市の道が走りやすいのは、一度すべて瓦礫の山になり、それから再度復興を遂げた証なのだ。
福山市は、ほかの城下町と比べて走りやすい道。そして、車にかわる交通手段がなく、商業施設や娯楽施設も車での客を前提に駅前にとらわれず店舗を構える。
このような、車の必要性と利便性との循環で、福山市の車社会はさらに強くなっているのである。
福山市の知名度の低さは、人口や都市規模に比べると全国でも群を抜いて低い。
市では長い間、知名度に対しては全くと言っていいほど関心を持っていなかったが、
07年度からその重要性に気付き、PRに本腰を入れ始めたという。(ソース:08年5月3日山陽新聞記事[外部])
が、本腰を入れ始めたのかどうかは市民の目から見るとかなり怪しい。一応、福山市で一番の観光資源は瀬戸内海国立公園に含まれ、『崖の上のポニョ』の舞台として知られる鞆の浦である。
なお、くだんの鞆の浦がモデルになった際もまともなたいていの自治体なら、「自分たちの町がジブリ映画の舞台となった」と、ここぞとばかりに徹底的にPRするところを、福山市は華麗なスルーを見せたため、PR計画そのものの有無自体に懐疑の声があがるのも無理はあるまい。
なお、鞆の浦は世界遺産の品定めをしているイコモスからもお墨付きをもらったことがあるが、市長どころか住民の大半も「余所者は聞く耳持ちません」とばかり全く相手にしていなかったほどである。結局、景観問題はトンネル通すことで落ち着いた(人口が激減して、いまさら橋を架けても…って事情もあるらしいが)が、今度はイコモスも「今となっては特異性に乏しい」と別の注文を付けられている模様。
「福山といえば」と思いつく名産品が少ないのも知名度の原因といえる
実際名産品は結構あるのだが、保命酒、慈姑(くわい)、下駄、琴、表具、絣など渋すぎるラインナップの為
旅行帰りに気軽に買える福山土産といえるものはほとんど無い。他にバラの町としてもPRしているようだが、食えない代物に旅行客は興味がないので、訴求力がない。
また、プロスポーツチームが存在しないこと(特に後述するJリーグは地域一部リーグにも名を出さない)、著名な祭りがないこと、歴史的に誰でも知っているような有名人がほとんどいないこと、また、地名が出るような有名な事件も起きていなかった(まあ、これはいいことだが)なども知名度が低い理由。
ちなみに、福山市民のほとんどは既に知名度を諦めているようなので、自己紹介のときに二度手間になったり誤解を生んだり(※1)することにもう慣れてしまったと思われる。
なお、福山通運という企業はその名の通り、福山市が本社。また有名な紳士服チェーン、洋服の青山も本社は福山にあり、他にも造船、アパレル、小売など特徴的な企業が多い。それ以上に福山市経済を支えているのはJFEスチールWEST(福山製鉄所)で、年間粗鋼生産量1300万トンという、国内最大の製鉄所である(横浜にあるEASTの3倍)。つまり、大企業の法人税などで市政がある程度潤沢なため、いちいち県外にアピールする必要がないのも、知名度が低い理由の一つといえる。
ここで、福山市の人口比の知名度の低さを再確認するため、全国の同規模の都市と比較。
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(※1)「出身どこ?」「福山です」「え、何県?」「広島です」「ああ、広島弁しゃべるんだ」「しゃべりません」「え?」(ry
▲よくある福山市の一年を月ごとに並べてみました。
多少の誇張・脚色や偏見を含む可能性があるので注意。
1月
元日には、初詣に行きます。行き先はやたら朱色な草戸稲荷神社が例年のトップです。
(広島県下では厳島神社訂正:広島護国神社の模様に続く2位の初詣客数を記録しているとか)
芦田川の河川敷は初詣専用の駐車場となります。三が日はやたら混みます。
御節料理に欠かせない慈姑は福山市の名産ですが、市民はたいてい知りません。いつ芽が出ることやら。
年始のドタバタが終わると、お次は河川敷で消防の出初式や”とんど”が行われます。
しかし、たいていの市民は見に行きません。
初売りや福袋を買いに行くならば、天満屋やポートプラザ(イトーヨーカドー・ハピータウン)フジグランへと足を運ぶ人が多いようです。
新幹線は、のぞみが特に混雑します。指定席の予約はお早めに。
福山ではローズアリーナと言う会場で成人式が開催され賑わいます。
同じころに、大学入試センター試験も行われますが、
高校によって受験会場が数十キロも福山から離れた場所になったりするのは不思議ですね。
ちなみに、雪が降る年なら降り始めるのは早くても1月になってからです。
一般的に晴れて乾燥した日が続きます。
2月
だいたい1年で一番寒くなる月です。
といっても、最高気温は低くても5℃程度なので、山間地域や北日本の人々からすればかわいいものです。
最高気温が0℃ならば、異常気象レベルで扱われます。
1月と同じく乾燥しており、雪はめったに降りません。
2月に雪が降らなかったら、その年度は雪が一度もないまま終わると思われます。
そのため、ひどい年には冬にも関わらず水不足に陥ります。
しかし、それは多くの瀬戸内地域の水不足と同じように、自然にいつのまにか解決しています。
ちなみに、福山でウインタースポーツといえばメモリアルパークのアイススケートくらいしかありません。
福山の2月は特記すべきイベントはありませんが、早くも春へ向けての準備が行われます。
梅のつぼみがほころんでくるのもこのあたりでしょうか。