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親和
1 互いになごやかに親しむこと。なじみ、仲よくなること。「会員間の―を図る」
「両国―するの大益を」〈新聞雑誌二一〉
2 異種の物質がよく化合すること。
「デジタル大辞泉」より引用
本ページは
1 数多くのプレイヤーを不信と不和、そして引退に導いた。
2 周辺ブロックのカードをほとんど否定した。
トレーディングカードゲーム、マジック:ザ・ギャザリングの1デッキタイプ「親和デッキ」について説明する。
「親和」は2003年10月に発売されたセット、「ミラディン」で初登場したキーワード能力である。
その意味は
親和([○○]) は、「この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールする[○○]1つにつき(1)少なくなる。」
というものである。
○○の部分にはさまざまなものを入れることができる。実際に存在したカードは
親和(アーティファクト)
親和(平地)
親和(島)
親和(沼)
親和(山)
親和(森)
の計6種類。親和(平地)以下は各1種類しかないので、基本的に「親和」を持つカードは親和(アーティファクト)を持つ、 と考えていい。
もうすでに嫌な予感しかしない。
▲ミラディンブロックを含むスタンダードの「親和デッキ」は大きく4つ大量禁止指定後にさらに別種の親和デッキが作られたが、あまり良い成績が残せなかったのでここでは割愛するのデッキタイプを持っていた。
1.ブルード親和
2.グレ神話誤字ではない。
3.電結親和
4.薬瓶親和
このうち、1と2は「ミラディン」の次のセット「ダークスティール」が発売されると3と4にとって代わられ、 トーナメントシーンからは姿を消した。
そして、これらが「大量禁止カード指定」までの約1年間にわたり暴れまわることになった。
それぞれがどういうデッキであったかは以降で説明する。
Frogmite / 金属ガエル (4)
アーティファクト クリーチャー — カエル(Frog)親和(アーティファクト)(この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールするアーティファクト1つにつき(1)少なくなる。)
2/2
マイアの処罰者/Myr Enforcer (7)
アーティファクト クリーチャー — マイア(Myr)親和(アーティファクト)(この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールするアーティファクト1つにつき(1)少なくなる。)
4/4
一般的なクリーチャーのパワー/タフネスから見るとマナ・コストが高く設定されているが、
親和によってアーティファクトを出していれば 低コストで戦場に出すことができる。
十分な数があればマナ・コストを0にできる点も重要である。あと、こいつらどっちもコモンである。
ソーサリー
親和(アーティファクト)(この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールするアーティファクト1つにつき(1)少なくなる。)
カードを2枚引く。
親和がつけられたカードはアーティファクト・クリーチャーだけではない。これもアーティファクトが十分にあれば、
(青)だけで2枚カードが引ける恐ろしいドローカードになる。コモンである。
アーティファクト 土地
ミラディンで登場した「アーティファクト」と「土地」を併せ持つカード。
5色それぞれに1種類ずつ存在し、 次の「ダークスティール」では《ダークスティールの城塞》という「無色マナしか出せない代わりに破壊不能」な土地も登場した。全部コモンである。
これらの土地は、親和持ちカードからすれば「1つで2マナ生産する土地」に近い状態となるので非常に重要である。
そうでなくても、0マナで出せて、有色のマナを生産するアーティファクトには大きな価値がある。
刻印 ― 金属モックスが戦場に出たとき、あなたの手札にあるアーティファクトでも土地でもないカードを1枚、追放してもよい。 (T):その追放されたカードと共通する好きな色のマナ1点をあなたのマナ・プールに加える。
こちらは正真正銘の0マナで出せて、有色のマナを生産するアーティファクト。ただし、マナを生産してもらうためには有色カードを1枚手札から追放しないといけない。
親和デッキはアーティファクトデッキであると同時に多色デッキ(特にグレ神話、電結親和、薬瓶親和)なのでこのカードで色マナ生産のアテが増えることはデッキの安定性に貢献する。こちらはレア。
「ミラディン」が販売された直後から作られたデッキタイプが「ブルード親和」である。
これとは別に、親和デッキでは1ターンに大量にカードが使用されることから「ストーム事前に使った呪文の数だけコピーが作られる能力。主なカードは《精神の願望》など」と組み合わせた「親和ストーム」というデッキもあった。
なお、MtGwikiに載っているデッキは「ブルード親和」と「親和ストーム」のハイブリッドである。
親和(アーティファクト)(この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールするアーティファクト1つにつき(1)少なくなる。)
飛行
ブルードスターのパワーとタフネスは、あなたがコントロールするアーティファクトの数に等しい。*/*
初期の親和デッキである「ブルード親和」でフィニッシャーを務めた巨大クリーチャー。
親和とアーティファクト数参照のパワー/タフネスを持つため、親和デッキでは(1)(青)(青)7/7飛行、とか(青)(青)10/10飛行 など頭がおかしい大きさ、低コストで出現することとなる。
「ブルード親和」は青単色、または青主体に赤を少し足した色構成をしており、アーティファクトを大量に展開し、超巨大生物と化した《ブルードスター》を低コストで召喚、殴り殺すというデッキである。《ブルードスター》自体はデカいだけで除去呪文を浴びるとすぐ死んでしまため、速攻通常、ターン開始時に戦場にないクリーチャーは攻撃ができない。これは戦場に召喚されてすぐ攻撃可能とする能力である。被覆被覆を持つクリーチャーは呪文の対象にできなくなる。大体の除去呪文は対象をとる必要があるので被覆を持つクリーチャーは呪文で倒しにくい。を持たせるアーティファクト《稲妻のすね当て》や打消し呪文などで防御してやることが多い。
「ミラディン」と同時に発売された構築済みデッキのひとつは、「ブルード親和」の廉価版と言っていい内容であった。
これが結構強かった。少なくとも、同時発売された4種類の構築済みではぶっちぎりの最強である。
親和デッキの基礎構造は「コモン」と「アンコモン」でできていたので、シングルカード価格の安いカードで構成してもそこそこ強く作れる初心者の味方ポジションのデッキタイプであった。構築済みデッキのテーマになるからにはWizards of the Coast社はこういう方向で「親和デッキ」が構築されると考えていたのだと思われる。
さて、この《ブルードスター》、後々MTGを始めたプレイヤーや人づての話で「親和デッキやばい」「親和デッキ狂ってる」と聞いただけの人にはあまり知名度がない。これは後々スタンダードで猛威をふるった「親和デッキ」とは別系統のデッキであるためである。
▲「ブルード親和」と違うコンセプトで作られた親和デッキ。グレ神話の「グレ」はカードショップ「グレムリン」に由来するとのこと。
《ブルードスター》は使用せず、青赤黒3色のカードを使用した高速ビートダウンデッキである。
色マナを1つしか要求しないカード、低コストのカードを集めることでアーティファクト(特にアーティファクト土地)の枚数を増量できるようになり、結果、「アーティファクトを並べて、一気に投げ捨てて殺す」動きができるようになった。
ゲームの最序盤に、「アーティファクト・土地」、「親和持ちアーティファクト」を大量にプレイして戦場をアーティファクトまみれにするところまでは同じだが、ここにアーティファクトが墓地に置かれるとライフロスを発生させる《大霊堂の信奉者》やアーティファクトを追加コストとしてわずか2マナで5点という超火力を生産する《爆片破》を使って一気に対戦のライフを奪いきる。
アーティファクト生け贄要因には《エイトグ》を用いた。能力でパワー/タフネスが強化されるのでこいつ自身も強烈な打点となる。例えば、《エイトグ》+《大霊堂の信奉者》+6個のアーティファクトでブロックできなければ生産ダメージは13+6+1=20ダメージ。結構運が絡むが、どこに運が絡むのかと言えば6個のアーティファクトを用意できるかどうかではなく、《大霊堂の信奉者》と《エイトグ》がちゃんと召喚できるかどうかのほうだったりする。うまいこと回れば、3ターン目にはこの形が狙える態勢に入る。
「ブルード親和」は青単ゆえの安定性はあったものの、「グレ神話」が作り出す高速ダメージとそれに対応するゲーム環境の高速化についていけずトーナメントシーン(主に「大人数の」大会での使用率のこと)から姿を消していった。
アーティファクトを1つ生け贄に捧げる:エイトグ(Atog)は、ターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。
1/2
昔から存在するカードが再録されたもの。アーティファクトを大量に生け贄にすることで瞬間的に凶悪なパワー/タフネスとなる。 5個生け贄にすれば11/12。アンコモンである。しかも過去にコモンで収録経験あり。
Tooth of Chiss-Goria / チス=ゴリアの歯 (3)
瞬速
親和(アーティファクト)(この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールするアーティファクト1つにつき(1)少なくなる。)
(T):クリーチャー1体を対象とし、それはターン終了時まで+1/+0の修整を受ける。
瞬速とは、「このカードはインスタントがプレイできるタイミングでプレイしてよい」という能力である。普通のアーティファクトではプレイできない相手のターンや戦闘中といったタイミングでもこのカードを出すことができる。
効果は一見貧相だが、親和デッキでこのカードが「0マナ」にならないわけがない。0マナのアーティファクトとしては強力な効果を持っていると言える。コモンである。
Disciple of the Vault / 大霊堂の信奉者 (黒)
クリーチャー — 人間(Human) クレリック(Cleric)
アーティファクトが1つ戦場からいずれかの墓地に置かれるたび、対戦相手1人を対象とする。あなたは「そのプレイヤーは1点のライフを失う」ことを選んでもよい。
1/1
これ以降の親和デッキの凶悪さを象徴するその1。コモンである。アーティファクトが多く、生け贄の機会も多い「グレ神話」では何かと誘発するので、1マナクリーチャーとは思えないダメージ源となる。
しかも2枚いたら、アーティファクト1つにつき2点ライフロスである。そんなに削られたらそれだけで死ぬわ!
インスタント
爆片破を唱えるための追加コストとして、アーティファクトを1つ生け贄に捧げる。 クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。爆片破はそれに5点のダメージを与える。