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連続体力学


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連続体力学とは、物体を巨視的にとらえ、物体の変形や流動、力学的波動を扱う物理分野である。(必要あれば、連続体の運動や熱的・電気的現も同時に扱う。それゆえ、連続体物理と呼ぶこともある。)


連続体について


物理における連続体

連続体とはおおざっぱに言うと、量子力学ではなく古典力学が適用できる身近な大きさの物体のことである。

連続体の「連続」とは数学的な意味で連続、つまり微分くらいで考えておけばいい。原子・分子をイメージしてもらえばわかると思うが、実際の物体は隙間が多くて厳密な意味で連続していない。しかし、身近な大きさでは視できるので連続体と見なしていい。例外として、ヘリウムは量子性が強いので連続体として扱えない。

数学では連続体を(限にある)実数集合としており、それを物質の密な集合と拡したことに起がある。

連続体の分類

物体は固体、液体、気体のどれでもかまわない。この分野ではそれらを剛体、変形体、流体と力学的に分類する。但し、剛体は変形・流動しない場合であり、通常は一般力学(工業力学)で扱われる。固体のように形状があり、を加えても元の形に戻ろうと働きがある物体を扱うときは変形体本記事では、日常の範囲での固体のモデル化を変形体と呼ぶことにする。一般的には、変形体は連続体と同じ意味として使われることが多い。、気体と液体のような明確な形状がなく、を加えると容易に形を変える物体を扱うときは流体と見なされる。

変形体はを加えられた時の応答で分類される。すぐ元の形にもどる弾性体、一度変形すると全には元の形に戻らない塑性体、変形した速度より遅い速度で元の形に戻ろうとする弾性体である。例えばなどの金属は小さいなら弾性体だが、大きなが加わると塑性体になる。またプラスチックのような高分子化合物弾性体である。

流体は性の有圧縮性の有で分類される。性とは流体内部で摩擦が発生する性質である。圧縮性は自らの流れによっても体積変化を起こす性質である。両方の性質共にない場合は全流体性がある場合は性流体圧縮性がある場合は圧縮性流体である。例えば音波を扱う場合は、圧縮性流体とする必要がある。

また連続体の種類、分類の仕方には上記以外もある。これらの分類は学問上、あくまでも物体の力学特性に注し、抽化した力学モデルである。従って、としたい物体にどの力学モデルを適用するのかを考えることは非常に重要である。例えば、固い岩盤でもとても大きな時間のスケールで、を受け続ければ流体として扱える(マントル対流)。


連続体力学の概要


連続体力学の守備範囲

この記事では物体の変形や流動、力学的波動に扱っている。基本的に物体の並進運動は質点の力学、回転運動は剛体の力学で扱うからである。しかし、流動を扱う上では変形と共に運動も扱う必要がある。圧縮性流体の場合には、体積変化が伴うのでボイルシャルル法則を考慮しなければならない。つまり、熱力学の知識も組み合わせる必要が出てくる。さらには電磁流体力学のように電磁気学と組(ry

上記の内容を全部を含めようとすると、連続体力学は古典物理とほぼ同じ領域になってしまう。他にも変形体力学では、マクロな変形とミクロな結晶構造の変化との関係など、物性論(材料科学)の視点を入れることもある。このように範囲を広げようと思ったらいくらでも広げられ、定めるのが難しい。

連続体力学と表記されていても、扱っているものが違う場合があるので注意が必要である。

連続体力学の全体像

物理で弾性体という言葉を初めて聞くのは多分バネであると思われる。バネのフックはバネ係数をkとすると、

F = kx

であり、が加わった時の変形した量を変位としてみていた。これが構成則という連続体力学において重要な概念の単純な例になっている。

連続体には大きさがあるので、その形状を幾何学的に扱う必要が出てくる。この分野で興味があるのは「によって物体の形状がどう変化したのか」であり、力学量と幾何学量の関係式で表せられることになる。その関係式のことを構成則とよび、個々の物質特性が反映されるものである。つまり、弾性体や性流体等の力学モデルの違いは構成則の違いということになる。バネのフック則以外の簡単な構成則の例として、理想気体の状態方程式がある。

一般に、力学量として応テンソルσij幾何学量としてテンソルεklを扱うことになる。その構成則は

σij = Eijklεkl

であり、Eijklは弾性係数テンソルである。ここでは単純に、物体内部の微小体積におけるの加わり方と変形の仕方の関係式として見てほしい。必要に応じて、力学の基本原理である

などの物理法則と構成則を組み合わせて支配方程式を導出することになる。そのため、連続体の支配方程式はテンソルや偏微分を使用した複雑なものになるので、かなり限定した条件でしか解析的に解けない役にたたない。

入門的な物理学書では、較的に扱いの簡単な弦や膜の振動から始めて、流体と弾性体の入り口を扱って終わりとなっている。より詳しく扱いたい時は、力学モデルを個別的に扱う弾性体力学や流体力学などの教科書か、統一的に扱うために数学的に厳密な議論をする専門書を読むことになる。もちろん解かない。

連続体力学の実用性

工学書では適用範囲を広げるため、少し異なるアプローチをする。材料力学では梁や軸などの単純な形状の物体を、引っり、ねじり、曲げといった単純にを加えた時の変形を調べるものであり、弾性体力学からすると近似解析に相当する。また流体力学は、伝統的に力学理学)と呼ばれるような実験色の強いものだった。このように普遍性追求ではなく、個別に対を扱うことで補ってきた。だから、体系性が欠ける。

近年ではコンピュータの発達により、複雑な形状でも差分法や有限要素法といった数値解析法を用いて支配方程式の近似解がめられるようになった。そのため、連続体力学のより直接的な工学的応用が可になり、その手法を研究する計算力学という分野が生まれた。要はCAD(computer aided design)のことである。また、地球や生体のシミュレーションなどに応用も可である。例えば、前者では地震波の伝播や地球温暖化の研究、後者ではの強度の解析や動脈瘤による血流へのが挙げられる。

伝統的な物理学の対以外でも重要性が増している分野であると言える。


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最終更新日: 14/06/27 23:07
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