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除雪とは、冬期に主として雪国で開催されるエクストリームスポーツである。人間に襲いかかる白い無機物を力技によってどかす作業である為「戦争」とも表現される。
雪かき(雪掻き)、雪捨て、雪除け、雪片し、雪透かし、雪はね、雪ほり(雪掘り、雪放り)、雪投げ、雪寄せ、雪払いなど、地域、作業の程度によって呼称は様々である。屋根の雪を除去する作業は雪下ろしと呼ばれる。また、除雪した雪を雪捨場などに移動させる作業は排雪と呼ばれる。
本項では除雪に関わる、雪、氷の除去作業全般について扱う。
有史以来、寒冷地に住む人々は白い悪魔こと雪と戦いを繰り広げてきた。しかし銃弾のように空から舞い、地面に滞留する雪には敵わず、豪雪地帯では2階に出入り口を作るなどの対策が取られていた。人力で雪を排除するには限界があった。なので、除雪を必要以上にせずに受け流す方策をとっていたのだ。
しかし、人々はただ手をこまねいているわけではなかった。技術革新。効率のよい除雪作業のための道具を発明し続けてきたのだ。
最初に除雪を解説するに当たり、何故除雪という行為を行うのかについて考えてみよう。
まず、スペースの確保という理由が挙がる。現代は自動車が通る道路、列車が走る線路、その他たくさんのスペースを使用して日常生活が営まれている。雪の降らない季節のようにスムーズに生活を営むには、除雪という行為が不可欠なのだ。除雪という行為は、現代になってその必要性が格段に増したと言える。
次に、安全を確保するためでもある。例えば、あなたの家で地震や火災があったとする。あなたは当然家から脱出しようとするだろう。ここで除雪をしていなければ、脱出行動が雪に阻害されうまくいかない可能性がある。雪に阻まれ建物から脱出できないのだ。また、屋根から雪下ろしするのは雪の重みで家屋が倒壊しないようにする為の予防的な要素が大きい。
▲日本の道路の除雪作業は大抵各道路を管轄する国、地方自治体の公共事業として行われる。これに建設業者が入札して、作業場所が割当てられるという寸法だ。1956年(昭和31年)に「積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法」が制定され、公共事業としての道路除雪が始まった。
重機を用い除雪、排雪する作業だが、除雪が不十分だと渋滞や交通事故などの悪影響を与えかねない。重機オペレーターの腕の見せ所である。
ロードヒーティング、消雪パイプ(湧水を流すパイプ)により道路の雪を溶かしてしまうという予防的な策もあるが、費用がかかるため、簡単には導入できない。また、「大雪の場合対処できない」、「気温が常時零下となる北海道では融けた水が標高の低い方向へ流れ、再凍結してしまう」、「消雪パイプは地下水を用いるため地盤沈下を起こす可能性がある」などの問題もある。
各地方自治体では、この尽きることのない白い悪魔との戦いの費用をどこから捻出するかどうかで頭を抱えている。道路の除雪は金食い虫なのだ。
ショベルローダやモーターグレーダなどで雪を一箇所に集める。→ホイールローダ、ロータリー車がダンプカーに雪を積載する。→ダンプカーが雪捨て場に雪を集める。
このような流れで除雪&排雪が行われる。また、道路の幅を拡げるための拡幅除雪、道路の轍を取り除くための路面整正など、除雪の作業は多岐に渡る。なお、くれぐれも作業中の重機には近づかないようにしよう。あなたが大丈夫だと思っても、作業中のオペレータは否が応にも通行人に気をつけねばならないのである。
雪捨て場(堆雪場)とは、除雪した雪を集める場所である。河川敷や山奥にあることが多い。地方自治体の保有地であったり、民間、企業の土地を借り上げることもある。ここに雪を積んだダンプカーがやってきて雪を捨てていく。
かなりの量の雪が捨てられるため、雪捨て場は5月になっても雪が溶けずに残っていることがある。
線路の除雪も重要だ。雪に列車が突っ込んで動かなくなったり、脱線する恐れがある。鉄道は一本の線路を通るため、比較的古くから除雪の技術は発達していた。ラッセル車、ロータリー車、マックレー車などの雪かき車を蒸気機関車が牽引し、除雪作業に当たった。また、除雪用車両と雪、除雪のための人員を積載するための貨車を連結した「雪捨て列車」の出動もあった。
どうしようもない豪雪時には「キマロキ編成(先頭に機関車、次に雪を掻き落とすマックレー車、ロータリー車、後押しの機関車の順で編成された除雪用の列車)」なんて変態的な列車が投入されたりした。
その後、除雪用ディーゼル機関車のDD14、DE15など、また、保線車両としての除雪用モーターカーなどが投入され、鉄道の除雪は更に効率化したのだった。
北海道の路面電車では竹のブラシを用いた車両、通称「ササラ電車」が用いられ、北海道の冬の風物詩となっている。
ただし、線路のポイント除雪はどうしても人力に頼らざるを得ず、いまだに人海戦術が主力となっている。
その際、線路をスクレッパーで叩いてしまい、(お察しください)になることもままある。
また、除雪現場と輸送指令の連携が上手く行っていないと###この記述は削除されました###
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さて、大掛かりな除雪を解説してきたがここからは家の周りなどの人力による除雪を解説していこう。
家の前や建物に積もった雪。これを片付けるのはやはり人力が手っ取り早く、効率も良い。
これを読めばあなたも今日から除雪という素晴らしいスポーツに興じることが出来る。
まず、降雪地域の一軒家ではスノーダンプ(ママさんダンプ)とスノーシャベル(ジョンバー)は必須である。これ無しに除雪は出来ないと言っても過言ではない。また自動車を保有していれば、スノーブラシは意外と重宝する。地面の雪を払ったりして使えるのだ。スノープッシャーや金属製スコップ、ツルハシ、雪用ソリ、家庭用除雪機はあれば便利という程度である。石段などの凍結を嫌う人は、塩化カルシウム、不凍液などの凍結防止剤を使うのも手だ。
まず、自動車や屋根などに積もっている雪を落とすところから始める。
自動車は、スノーショベルで手っ取り早く雪を落としてしまうこともできるが、慣れていないと車を傷つけることになってしまう。かといって雪が多く積もったときはスノーブラシで雪を落とすのに労力を使ってしまうため、スノーショベルを効果的に使う練習をすると良い。
屋根の雪下ろしは、雪下ろしの必要性を十分確かめてから行う。雪のかさがそれほどでなければ雪下ろしの必要性はない。作業中は転落防止の為必ず命綱を付けて行うこと。命綱は腰辺りにもやい結びをするのが良い。なるべく複数人で行うのが得策だが、一人で作業する場合は家族や近所の人に雪下ろしをしている事を伝えておけば万一の時にも安心である。周囲の通行人などに気をつけ、慎重に行わなければならない。滑落防止のため、10数cmの雪を残すとなお良い。スロープを用意するのも手である。
次に地面の除雪である。
積雪量が少ない場合は、スノーショベルを箒のように用いて掃き出してしまうことも出来る。ただ、水分を含んだ雪の場合、少し難しいかもしれない。もちろんスノープッシャーがあれば、それを使うのが有効だ。降雪などなかったことにして、踏み固めてしまうという方法もあるが、余り多用すると気がついたときには根雪がものすごく分厚くなっていたりするので注意だ。
積雪量が多い場合は、スノーダンプで一気に雪を処理する。狭い場所の場合はスノーショベルで効率よく掻き出すことが求められる。
雪は一カ所に集め、雪捨て場に自ら持っていくか、公共除雪の際に重機が処理するのを待つ。雪捨て場に持って行く場合は、スノーダンプ。また、大きな輸送量が期待できるソリを用いるのが良い。融雪機を近所の人達と共同で設置してしまうというのもアリだ。雪が残らないというのは物凄いアドバンテージだ。
また、窓に張り付いた雪をスノーブラシで落とす作業や、氷を割る作業も地味だが重要だ。特に北海道では放置していると、氷がどんどん分厚くなって滑りやすくなる危険性がある。ひと通り氷を割ったら、不凍液か塩化カルシウムを撒いて凍結の防止をしておこう。