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黒邪の機甲兵とは、アニメ「機甲界ガリアン」に登場する謎の機甲兵である。
マーダル軍の要衝の1つ「無重力の谷」において発掘された機甲兵の1つ。最初に発掘された1機のみが確認されている。
甲冑をまとった騎士のような姿の他の機甲兵とは全く異なる、生物的・悪魔的な外見が最大の特徴。
背中の翼と推進器のような装置により超高速で飛行が可能で、その飛行能力はマーダル軍の飛甲兵ウィンガルをはるかに凌駕する。
さらにバリアのようなものを発生させることで長距離からの砲撃を無効化し、重射兵モノコットの瞬光弾程度では傷一つつけることができない。そのうえ機体そのものも極めて堅牢で、多少の損傷であればたちどころに修復する能力まで備えている。
武装は長剣と左腕に固定された盾で、飛び道具の類は備えていない。剣のみを武器とする機甲兵としては鉄巨人ガリアンや機甲猟兵ザウエルなどがいるが、これらが機械的機能により剣に複数の機能を持たせているのに対し、黒邪の機甲兵は剣にオーラのようなものを纏わせることにより、より強力な斬撃を繰り出すことができる。
だがしかし、黒邪の機甲兵が他の機甲兵と一線を画している要素、それは自らの意志を持ち、搭乗者がおらずとも戦うことのできる能力である。
以上のようにマーダル軍の決戦兵器として発掘・研究が進められていた黒邪の機甲兵だが、老騎士アズベスと流浪の騎士アレックスが率いる反マーダルレジスタンスの襲撃を受け、その混乱の中で暴走し、こともあろうにマーダル軍へと牙を向く。そして無重力の谷での戦いが終わるといずこともなく飛び去っていき、その後も反マーダルの旗手であるジョルディ王子を助けている。
・・・などともっともらしく書いては見たものの、実際のところはゲーム「スーパーロボット大戦BX」において、別作品の機体がガリアンに馴染んでいるという、スーパーロボット大戦シリーズでは比較的よくある話である。
▲ゲーム「スーパーロボット大戦BX」の作中人物はこの機体を機甲兵だと考えていたが、神の視点から世界を見渡しているプレイヤーからは正体は一目瞭然であった。
その正体は「聖戦士ダンバイン」のOVA「New Story of Aura Battler DUNBINE」に登場するオーラバトラー・ズワウスである。
「New Story of Aura Battler DUNBINE」はBXの発表当初から「機体のみの参戦」であることが明言されており、よもやこのような形でストーリーに関わると想像できたプレイヤーはそう多くなかっただろう。
なお、凶悪な見た目に反して右手で剣を持って味方NPCとして戦ってくれるのだが、圧倒的に高いHPにより誘蛾灯のごとく敵を引き寄せ、絶大なパワーで次々返り討ちにしていくため、どこぞの忍者より悪質な経験値泥棒と化している。
また、「黒邪の機甲兵」に近いものとして「機甲界ガリアン」のOVA「機甲界ガリアン 鉄の紋章」の「邪神兵」がいる。
こちらも自らの意志を持った悪魔的な外見の機甲兵で、作中ではハイ・シャルタット(CV:速水奨)を操者として取り込み、鉄巨人と死闘を繰り広げた。
これらの共通点により、「黒邪の機甲兵」はガリアンの原作を知るものに対してのミスリードを誘う要素でもあると言える。
だが、これだけで終わらないのがスーパーロボット大戦のクロスオーバー。
時折現れるブライティクスの協力者として振る舞っていた黒邪の機甲兵ズワウスだが、ある時突如騎士ガンダムに襲い掛かり、三種の神器のうち炎の剣を奪い、霞の鎧と力の盾を破壊してしまう。
ズワウスに宿っていた意志の正体とは、かつて騎士ガンダムに倒されたサタンガンダムのものであり、ズワウスは原作における戦士ガンキャノンとしての役割も担っていたのである。
かくして、魂の器であるズワウス、蘇生した肉体であるドラゴンベビー、エネルギー源である炎の剣が揃ったことにより、サタンガンダムはネオブラックドラゴンとして復活を遂げる。一方、空になった器であるズワウスは復讐の鬼と化した黒騎士バーン・バニングス(CV:速水奨)が新たな操者となり、主君であるドレイク・ルフトの死後もジオン族に与してショウ・ザマを付け狙うことになる。
ちなみに、敵対時のグラフィックは単純な左右反転ではなく、こちらでも右手に剣を持っていた。やはり人を見た目で判断してはいけないのである。
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