7/2(月)よりスマホまたはPCでアクセスした場合、各デバイス向けのサイトへ自動で転送致します
SDメモリーカードとは、記録媒体の一つである。
運転免許に関連する、無事故・無違反証明書については「SDカード」の記事を参照のこと。
SDメモリーカードは1999年に松下(現パナソニック)・SanDisk・東芝が設立したSD Groupが開発したフラッシュメモリタイプの記憶媒体である。
現在はSD Associationという関連団体がSDメモリーカードの設計・開発を行っている。
SDメモリーカードは、物理的な大きさにより以下の3種類に分類される。
フルサイズSDカードは開発当初から存在する規格で、主にカメラをはじめとした機器が採用している。
唯一、このサイズのSDカードのみ単体で誤消去防止スイッチが搭載されている。
このスイッチを「LOCK」側にスライドさせておくことで、誤ってデータを削除してしまう事故を防ぐことができる。ただし、このスイッチは機器側で物理的に検出する仕様のため、機器側が対応していない場合はスイッチの位置に関係なく書き込み・消去ができてしまう。
miniSDカードは2003年に発表され、小型な機器、特に携帯電話に使用することを目的とした規格。
フルサイズSDカード用の機器に使用する場合、別途変換アダプタが必要になる。
しかし、後述のmicroSDカードの登場により普及することなく衰退してしまった。
microSDカードは2006年に発表された。miniSDカードよりさらに小型な規格で、現在では多くのモバイル機器が記録媒体にmicroSDカードを採用している。
miniSDカードと同様、変換アダプタを使用することでフルサイズSDカードの機器にも使用可能。
SDメモリーカードは容量によって以下の4種類に分かれている。
名称 | カードの容量 | 標準ファイルシステム | SD規格バージョン |
SD (SDSC) | ~2GB | FAT (FAT12/FAT16) | 1.0 |
SDHC | ~32GB | FAT32 | 2.0 |
SDXC | ~2TB | exFAT | 3.0 |
SDUC | ~128TB | exFAT | 7.0 |
SD規格(以下、区別のためSDSCと表記)は、最大容量が2GBで標準ファイルシステムはFAT12/FAT16。
この時はSDメモリーカード内のCSD(カード固有データ)レジスタで設定できる容量が2GBまでであったため、データ量の増大につれて容量不足が課題となってきた。
そこで、CSDレジスタの構造を変更してカード容量の上限を32GBまで拡大したSDHC規格が登場した。
構造変更の関係で下位互換はなく、従来の機器ではSDHC規格のカードを使用できない。
ただし、物理的・電気的には互換があったため、ファームウェア・ドライバ・OSの更新などで使用可能になった機器も存在する。
標準ファイルシステムはFAT32。そのため、1ファイルあたり最大4GBまでの制限が存在する(exFAT等、別のファイルシステムでフォーマットすることで回避は可能だが、機器側がサポートしないことが多い)。
さらに、データ量の増大に伴って32GBでも容量不足が課題となってきた。
2009年、SDHC規格の容量不足に対応するため、新たにSDXC規格が登場した。
SDSC→SDHCのような大幅な変更が無かったため、SDXC規格のカードをFAT32でフォーマットすればSDHC規格のみ対応の機器でも使うことが出来る。
標準ファイルシステムはexFAT。SDHC規格で存在した、1ファイルあたりの容量制限も実質なくなった。SDXC規格の最大容量は2TB。これは、SDHC規格策定時のCSDレジスタ構造における容量の最大値。
2018年6月、2TBを超える大容量のSDメモリーカードの規格としてSDUC規格が登場した。
最大容量は驚異の128TB。これはCSDレジスタの設定を再び拡張したため(SDHC/SDXC:32bit → SDUC:38bit)。
ファイルシステムはSDXCから引き続きexFATを採用している。
SDSC時代は速度表記を規格として定義していなかったため、表記が各社ごとにバラバラで表記自体が存在しないことも多かった。しかし、写真や動画を撮影する際に転送速度が遅いカードを使用すると転送が間に合わなくなり、撮影に支障が出る可能性があった。
そこで、SDHC規格では統一された基準で転送速度を表記することを義務付けた。それがSDスピードクラスである。
SDスピードクラスはクラスと最低転送速度を下記のように定めている。
クラス | 最低転送速度 |
Class 2 | 2MB/s |
Class 4 | 4MB/s |
Class 6 | 6MB/s |
Class 10 | 10MB/s |
ただし、Class 10については後発のため、使用する機器によっては表記の速度が出ない可能性がある。
さらに、SDHC/SDXCには物理的な仕組みで速度向上を図ったUHSインタフェース規格(UHS I/F規格)が存在する。
UHS I/F規格にはUHS-I・UHS-II・UHS-IIIの3種類が存在し、それぞれ最大転送速度が異なる。
機器・カードの双方がこの規格に対応している場合、対応するUHS I/F規格のモードで転送が行われる。機器・カードとも下位互換があるが、転送速度は遅い方の規格になる。
UHSスピードクラスは、これらUHS規格に準拠したメモリーカードの最低転送速度を定めたもの。
クラス | 最低転送速度 |
UHSスピードクラス1 | 10MB/s |
UHSスピードクラス3 | 30MB/s |
UHSスピードクラスは30MB/sまでしか定義されていないため、高画質な動画を撮影する場合などは、さらに高速な転送速度を要求されることがある。
こうして新たに設定された規格がビデオスピードクラスであり、従来のSDスピードクラス(Class 6~)とUHSスピードクラスを網羅し、最大で90MB/sの転送速度までカバーしている。
ビデオスピードクラスも最低転送速度を保証するものであり、一覧は下記の通り。
クラス | 最低転送速度 |
V6 | 6MB/s |
V10 | 10MB/s |
V30 | 30MB/s |
V60 | 60MB/s |
V90 | 90MB/s |
SD Expressは、2018年発表のSD規格バージョン7.0で先述のSDUCとともに策定された規格。
PCIe Gen3.0とNVMeプロトコルの採用で最大985MB/sの高速転送を可能とする。