ウラディミール・バレンティン 単語

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ウラディミールバレンティン

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ウラディミール・バレンティン(Wladimir Balentien、1984年7月2日-)とは、オランダ出身のプロ野球選手外野手)である。現在メキシコカニロス・デ・ロスモチスに所属。

称はココシーズン本塁打数の日本記録アジア記録保持者。

「ウラディーミル」でも「バレンタイン」でもないので注意。

概要

籍はオランダだが、出身はカリブオランダアンティル・キュラソー2004年アテネオリンピックオランダ代表として出場している。

MLB時代

2000年シアトル・マリナーズに入団、2007年メジャー昇格。マリナーズ時代はイチローと1、2を争う強肩として知られたが、打撃が確実性に欠け、2009年シンシナティ・レッズへ移籍。2010年レッズ下のマイナーリーグプレーしていた。

ヤクルト時代

2010年オフ東京ヤクルトスワローズに入団。解雇されたジェイミー・デントナに代わる長距離としての獲得だったが、素材という評価で前評判はそれほど高くなかった。

2011年キャンプからヤクルト優良外人の系譜に連なる勉強熱心さを見せ徐々に日本野球に対応。開幕は「日本野球に慣れるまでは下位打線で」という小川監督の意向により6番ライトで迎えると、統一球をものともせず本塁打を量産、高打率マークして打線の起爆剤となる。5月からは5番を打つようになり、5月13日横浜戦ではバットを折りながらの本塁打を含む1試合3本塁打5月打率.397、7本塁打14打点の成績でMVPを受賞と、この時点では文句なしの助っ人だった……のだが。

6月半ば頃から全く打てなくなり、3割をえていた打率はみるみるうちに低下。7月頃には全に扇風機と化し、後半戦では怠慢プレーでスタメンを外されることもあった。それでも辛抱強く起用され、8月半ばに本塁打を固め打ちし復活したかと思わせたが、その後はやっぱり打てなくなり、打率もさらに下げていく。最終的に31本塁打本塁打王タイトルを獲得したものの、打率は規定打席到達者で最下位の.228。三振ぶっちぎりのリーグ最多の131と、序盤の大活躍はなんだったのかという成績に留まった。


2012年キャンプでも調子が上がらず、外国人の関係上二軍スタートも示唆されたが、それ以上に林昌勇調子が上がらず(結果としてトミー・ジョン手術を受けオフに退団)、ギリギリの形で開幕一軍スタートを勝ち取った。開幕当初は昨シーズン同様規格外のパワー本塁打を量産。さらに広に打ち分ける器用さも見せ始め、5月にはハマスタで1試合3本塁打(2年連続2回)を記録するなど、「今年のバレンティンは違うぞ」という印をもたせた。セ・パ交流戦までは。

セ・パ交流戦に突入すると、貧打拙攻大炎上が重なり10連敗を喫するチーム状態に引きずられるように、去年と全く同じようなペース調子が下降。この間(5月17日5月28日打率.035(28打数1安打と凄まじい冷温停止っぷりを見せつけ、さらには試合中に自身のTwitter更新する(ちなみに「わたしあきらめない」という内容であった)など問題行動が発覚し、厳重注意の上二軍降格となった。この時点でもが思った。「ああ、またか。そして、終わったな」と。

しかしそこで終わらなかった。二軍においてフォーム修正を施すと6月8日千葉ロッテマリーンズ戦で一軍昇格、即スタメン。その第一打席・初球でホームランを放つ。この日は3打数3安打の大当たりであった。結局、交流戦が終わるまではその後2安打しか打てなかったが、その2安打がいずれも9回2点ビハインドからの逆転決勝3ラン6月13日東北楽天ゴールデンイーグルス6月18日北海道日本ハムファイターズ)と強な活躍を見せつけた。リーグ戦が再開するとあの不調はどこへやら、1試合3本塁打7月4日中日ドラゴンズ戦、2ヶぶり)と同僚のラスティングス・ミレッジと共に猛打が爆発本塁打ランキングではも追うものがいない一人旅状態だった。ところが8月1日。バレンティンは離れにより登録を抹消された。ヤ戦病院入りしてしまったのである。復帰は9月までずれ込み、その間破壊不足に陥ったチーム広島東洋カープに3位の座を明け渡すことになる。

9月4日。待望の一軍復帰。彼の復帰を待ちわびたかのようにチームは再び上昇気流に乗る。6日の横浜DeNAベイスターズ戦では4打数4安打、4本横浜球場の場外へぶち込む27号決勝2ランを放つなど打線に厚みを増したヤクルトは勝負の9連戦を8勝1敗で乗り切り、敵地広島で3位争いのライバル広島東洋カープを3タテし引導を渡した。論、2試合連続本塁打のバレンティンの活躍あってこその勝利だった。チームの順位が確定すると、注タイトル争いにうつる。この年は、巨人阿部慎之助三冠王が達成なるかと注されていた。その前に立ちはだかったのがバレンティン。なんと彼は史上初の快挙、規定打席に達していないのに本塁打王となったのだ(31本)。快挙というか、「怪挙」である。それだけに1シーズンフルに出ていれば40本ないし50本はいけたのではないだろうか。打率も前年より.050ほど上昇、打点も前年を上回り、OPSも.958と成績面では充実のシーズンを送った。クライマックスシリーズでは2試合連続本塁打を放ち孤軍奮闘したが、なにせヤクルトが3試合で3点(うちバレンティンが2点)という去年のトラウマを思いださせるような貧打っぷりを見せつけ、最後はトニー・バーネットトニ・ブランコグランドスラム沈しをのむことになった。

シーズンオフには新たに複数年契約の延長がなされた。元々球団の許可なく他球団の移籍を禁じる項が設定されていたこともあり、外国人選手に移籍される事が定番となっているヤクルト球団にとってある意味最大の補強と言えるかもしれない。


2013年WBCオランダ代表に選出され、に4番打者を務めた。怪による欠場もあったが、オランダ代表はWBCで初めて準決勝に進出する。なお日本とは2回対戦する機会があったがどちらも敗れている。

レギュラーシーズンではWBCでのケガので序盤欠場した試合もあった。しかし好不調の波が全くといっていいほどなく、史上最速ペースホームランを量産。
6月8日北海道日本ハムファイターズ戦ではプロ野球タイ記録となる4打数連続本塁打記録6月はこの活躍もありMVPを受賞している。
8月27日史上最速で50号本塁打を達成。出場試合数98試合で50本塁打とは・・・やはり化物8月だけで18本のホームランを量産。間最多記録を塗り替えた。
9月11日開幕から122試合日本タイ記録55号本塁打を達成。もちろん史上最速である(なおヤクルトはその記念すべき試合で敗北。さらにアストリットさんに「何で55号を打つのに私を待たなかったの」と怒られたという)。
そして9月15日。第一打席、阪神タイガース榎田大樹投手からついに56号本塁打日本記録を達成した。さらに、その次の打席で2打席連続となる57号本塁打。これにより、2003年李承燁選手が韓国記録した56本塁打アジア記録更新。最終的に2013年本塁打記録を60号まで伸ばした。打点打率部門はトニ・ブランコに譲ったものの、打率.330 60本塁打 131打点という文句のつけようがない成績を残した。そして史上初の「最下位からセリーグMVP」という快挙も達成。これによりヤクルトは「セリーグMVP本塁打王・新人王・最多勝がいるのに最下位」という偉業)を完成させた。


2014年1月13日に妻に対する監禁・暴行容疑でアメリカ・フロリダ州マイアミで逮捕され、16日に保釈された。詳細は下記の「DV容疑による逮捕騒動」の項参照。

2月キャンプに間に合い、レギュラーシーズンを3番ライトで迎えた。4年連続で30本塁打を達成したが、9月に左アキレス腱の状態が悪化し、9月23日に帰。4年連続本塁打王はならなかった。


2015年、左大腿直筋の離れのシーズンの大半をリハビリで過ごし、治療のために一時アメリカに帰した。チーム優勝争いしている中で復帰し、優勝間にも立ち会えたが、この年は1本塁打と本来のは鳴りを潜めた。


2016年2014年以来の30本塁打を達成し、復活シーズンとなった。3年契約を終えて、高年棒などの面から残留は厳しくなっていたが、年俸現状維持で1年間の契約を新たに結び、ヤクルト残留が決まった。


2017年WBCオランダ代表に選出され、2013年と同じく4番打者を務めた。成績は2次ラウンド終了時点で打率.591 3本塁打 10打点という空前絶後の大活躍を残す。

シーズンイン後の5月7日2012年から2017年5月6日まで20打数0安打とまったく打てなかった横浜DeNAベイスターズ加賀繁からついに安打二塁打)を放った。安打を打った後は大喜びし、打ったボールを記念にもらおうとするなど、よほど苦手としていた加賀から打てたことが嬉しかったと思われる仕を見せていた。7月25日中日ドラゴンズ戦で通算200本塁打を達成。125試合に出場し2年連続で30本塁打記録した。


2018年8月26日横浜DeNAベイスターズ戦で通算250本塁打を達成。坂口智隆青木宣親山田哲人出塁率4割打者のもあり、自身初となる打点王タイトルを獲得した。


2019年8月24日阪神タイガース戦では球団外国人選手では初となる通算1000試合出場を達成。9月6日読売ジャイアンツ戦で日通算300本塁打記録した。FA権を取得し、2020年からは日本人選手扱いとなる。オフFA宣言はせず、契約保留者名簿から外れ自由契約となる。

ソフトバンク時代

2019年12月福岡ソフトバンクホークスが獲得を発表した。背番号4

2020年オープン戦OPS1.264を記録するなど大暴れ。新型コロナウイルス感染症で来日できないアルフレド・デスパイネジュリスベル・グラシアルに代わる救世主として期待されるも、自粛期間が明けると冷温停止。それでも開幕から4番・指名打者で起用されるが、打撃は不振を極めて打順も徐々に下がり、7月半ば以降は打率1割台から抜け出せず、8月21日二軍落ち。その二軍でもお荷物と化していた9月には「お金幸せは買えない」とヤクルト時代の画像と共にinstagram投稿。球団批判とも取れる言動にファンからのヘイトを集めた。10月頭に一軍復帰したが、復調どころか復帰後は33打数1安打と全く打てず、閉幕前に再び抹消。60試合で打率.168、9本塁打と大きく期待を裏切る結果に終わった。

2021年は一軍で22試合出場するものの、打率.182、4本塁打と打撃不振から抜け出せず、10月自由契約となった(ウェーバー不請)。

メキシカンリーグ(リーガ・メヒカーナ・デ・ベイスボル)時代

2022年2月サラロス・デ・サルティーヨが獲得を発表した(球団発表exit)。18試合出場、打率.231、4本塁打と不調に苦しみ、シーズン途中で自由契約となった。

2023年3月にはWBCに参加したものの、チームは1次ラウンドで敗退。WBC前後で引退匂わせていただものの、2023年4月カニロス・デ・ロスモチスと契約を結び、現役続行となった。

DV容疑による逮捕騒動

2014年1月13日AP通信などの複数メディアはウラディミール・バレンティンが妻に対する監禁と暴行の疑いで逮捕されたことを報じた。警察記録によると1月12日に、マイアミ近郊に住む妻カーラさんを訪問したが、入室を断られたためキッチンのから侵入。寝室のをかけてカーラさんを監禁したとのこと。撃者が警察通報し、逮捕につながった。

1月16日に、5万ドルの保釈と妻への接触制限を条件に保釈が認められた。同日にフロリダ州マイアミ内のホテル記者会見に臨んだバレンティンは、奥村政之編成部際担当次長と共に深々と頭を下げ謝罪した。

1月21日にマイアミの裁判所にて離婚を巡る審理がなされが、双方に歩み寄りはなかった。

1月24日に聴聞会が開かれ、日本への渡航許可された。

バレンティンの主な記録

応援歌

球団 レス No プレイヤー
ヤクルト 東京ヤクルトスワローズ 6051
6051

成績

年度別打撃成績




Year



Team



G



PA



AB



R



H



2B



3B



HR



RBI



SB



SH



SF



BB



HB



SO



GDP



AVG



OBP
2007年 SEA 3 4 3 1 2 1 0 1 4 0 0 1 0 0 0 .667 .500 2.000
2008年 71 260 243 23 49 13 0 7 24 0 0 1 16 0 79 .202 .250 .342
2009年 56 170 155 18 33 10 0 4 13 1 0 2 13 0 43 .213 .271 .355
2009年 CIA 40 125 110 12 29 7 1 3 11 1 0 0 15 0 27 .264 .352 .427
09計 96 295 265 30 62 17 1 7 24 2 0 2 28 0 70 .234 .305 .385
2011年 ヤクルト 140 555 486 63 111 22 1 31 76 3 0 6 61 2 131 .228 .314 .469
2012年 106 422 353 58 96 13 0 31 81 1 0 2 64 3 92 .272 .386 .572
2013年 130 547 439 94 145 17 0 60 131 0 0 4 103 1 105 .330 .455 .744
2014年 112 446 366 61 110 12 0 31 69 2 0 3 75 2 95 .301 .419 .587
2015年 15 52 43 4 8 2 0 1 6 0 0 0 9 0 14 .186 .327 .302
2016年 132 537 437 64 123 20 0 31 96 0 0 5 72 3 116 .269 .369 .516
2017年 125 519 445 60 113 14 1 32 90 0 0 1 70 3 112 .254 .358 .506
2018年 142 602 514 72 138 22 0 38 131 1 0 3 85 0 121 .268 .370 .533
2019年 120 468 410 65 115 13 0 33 93 0 0 3 54 1 117 .280 .363 .554
2020年 ソフトバンク 60 218 191 16 32 7 0 9 22 0 0 2 25 0 59 .168 .261 .346
2021年 22 60 55 7 10 3 0 4 9 0 0 0 5 0 19 .182 .250 .455
MLB:3年 170 559 511 54 113 31 1 15 52 2 0 4 44 0 149 .221 .281 .374
NPB:11年 1104 4426 3759 564 1001 145 2 301 795 7 0 29 623 15 981 .266 .370 .546

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