ザクセンリンク 単語

ザクセンリンク

1.3万文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE

ザクセンリンクexitとは、ドイツ東部・ザクセン州ケムニッツ郊外にあるサーキットである。

MotoGPドイツGPが開催される。
 

略歴

1927年から公道レースを行う

このサーキットがある地域では、1927年から公道レースをしていた。この画像exitのようにを封鎖して1周8.7kmのコースを作り上げていた。1934年からはそのコースを使ってオートバイドイツGPexitが開催されるようになり、第二次世界大戦が始まる1939年まで6年連続でオートバイドイツGPが開催された。

このサーキットがある地域における1周8.7kmのコースのことを「ザクセンリンク」と呼ぶようになったのは1937年のことである。
 

1958年に東ドイツGPを再開、1961年から1972年はMotoGPに組み込まれる

第二次世界大戦が終わったのが1945年で、そのころはザクセンリンクの属するザクセン州ソ連軍が占領する地域となっていた。1949年ザクセン州を含む地域が東ドイツとなり、西ドイツと分裂する形になった。

1951年西ドイツドイツGPexitが再開された。当然のことながら、ザクセンリンクは東ドイツの一にあるので、ドイツGPを誘致することができなかった。

1958年から1960年はザクセンリンクで東ドイツGPexitが開催されるようになった。使用するのは、1939年以前と同じくを封鎖して作り上げた1周8.7kmのコースである。その3年間において、西ドイツで行われるドイツGPはMotoGPの一環に組み込まれていたが、ザクセンリンクで行われる東ドイツGPはMotoGPの中に組み込まれていなかった。

1961年から1972年は、東ドイツGPもMotoGPの一環に組み込まれた。

1973年になると東ドイツGPはMotoGPカレンダーから外れたが、開催自体は1973年から1989年まで毎年ザクセンリンクで行われていた。そうしているうちにソ連弱体化し、1990年10月になってとうとう東西ドイツが統一されることになった。このため、東ドイツGPは1989年が最後の開催となった。
 

1996年に常設サーキットが開業

1927年から1989年までを封鎖して1周8.7kmのコース公道レースを行ってきたが、さすがに1990年代になっては時代遅れとしか言いようがなかった。

1995年に常設サーキットの建設が始まり、1996年サーキットが開業した。1周3.5kmの短いコースだった。

1998年にはMotoGPドイツGPを誘致することができた。その年から毎年ザクセンリンクでドイツGP(MotoGP)を開催することが定着している。

2001年サーキットの後半部分が修され、2021年現在も見られるようなコース形状となった。

2020年コロナ禍を受けてドイツGPが開催されなかった。
  

立地

ザクセンリンクは、この場所exitにある。
 

近くの自治体

人口9万のツヴィッカウexitから東に15km、人口24万のケムニッツexitから西に16km、人口53万ドレスデンから西に78kmのこの場所exitにある。

サーキットが属する自治体ホーエンシュタイン=エルンストタールexitという。人口1万4千人の小さなである。

これらの自治体はいずれもザクセン州に属している。ザクセンリンクにはザクセン州旗exitがいつも掲げられている。

サーキット事故が起こると、ドクターヘリサーキットから東に15km移動して、ケムニッツ郊外この場所exitにあるキュヴァルト病院へ運ばれる。

サーキット周辺は農地が多い。牧地の中をが歩いている様子がテレビカメラに映し出される。
 

山地が近い

サーキットのすぐ南にはエルツ山地exitという山脈があり、1000m程度の標高の山が連なっている。Wikipediaにアップロードされている地形図exitGoogle地形図exitを見ると、そのことがよく分かる。

Google地形図を拡大するとexitサーキットの北にはちょっとした山があることがわかる。Googleアースexitで調べてみると標高450m程度であることがわかる。
 

気候

サーキットは北緯50度47分の位置にある。樺太この村exitと同じぐらいの緯度にあり、涼しくてはよく冷える。になるとどっさりとが降る(画像exit)。

サーキットに近いケムニッツは、MotoGPが開催される7月において均最高気温24.4度・最低気温13.8度であり、東京5月下旬から6月上旬ぐらいの気温となる(資料1exit資料2exit)。

サーキットに近いケムニッツは、MotoGPが開催される7月において間降量64mmであり、あまりが多くない土地柄である。しかしこサーキットは山地が近いところにあるので、の急変が起こりやすい。山は上昇気流が起こりやすく、が起こりやすい。

こちらexitこちらexitこちらexitが現地の天気予報なので、MotoGP開催時には注したい。
  

サーキット周囲の土地・建物

鉄道の線路

10コーナーのすぐ外exit鉄道の線路がある。

これはドレスデン-ヴェルダウ鉄道exitといい、ドレスデンからケムニッツを通りサーキット最寄りのHohenstein-Ernstthal駅exitを通ってツヴィッカウへつながっている路線である。

ホテル恵まれ観光都市ドレスデンから電車で1時間45分程度、2200円程度でサーキットすぐそばのに行くことができる(資料exit)。このため、わりと観戦しやすいサーキットと言える。

走ってる電車動画こちらexit。ごく普通鉄道といった感じ。
 

風車

1コーナーから南に向いて2コーナー方面を見ると、風車が12基ほど立っているのが見える(画像1exit画像2exit画像3exit)。

この動画exit左上や、この動画exitの中央上を見ると、風車が密集していることを確認できる。Googleマップで示すと、だいたいこのあたりexit風車が立っている。

この風車の一群は、Bernsdorf-Gersdorfベアンスドルフ・ゲアスドルフ)風力発電所という(記事exit)。Bernsdorfこの地区exitの名称で、Gersdorfこの地区exitの名称である。この風力発電所に接近して撮した人がいる(動画exit)。

メインストレートから南西に向いて最終コーナーを向けても、風車が4基ほど見える(画像1exit画像2exit)。
 

民家と牧場

サーキットの周辺には民家牧場がある。

メインストレートから最終コーナーを向けると民家牧場に入る。最終コーナーを格好よく駆け上がるライダー民家が同じカメラアングルに収まり、さらには遠くの牧場も映り込み、良い写真になる(画像1exit画像2exit)。

民家が近いので地元行政騒音規制を敷いており、MotoGP開催時以外でバイクを走らせるのは難しい。1年のうちサーキットを使用できるのはわずか10日だけだという(記事1exit記事2exit)。それゆえザクセンリンクでテストをすることは不可能に近い。

2017年3月に路面が再舗装されたが、どのチームも新しい路面でテストできず、そのままMotoGP開催日を迎えた。チームに時間を与えるため、金曜練習走行の時間を増やす処置がとられた(記事1exit記事2exit)。
 

煙突

サーキットの東のこの場所exitに、煙突が立っている。普通工場の煙突だが、妙に立つ。

1コーナーに突っ込む際のオンボード動画exit8コーナーを立ち上がるときのオンボード動画exitに、煙突が映り込む。
 

キャンプ場

サーキットの近くにはそこら中にキャンプ場がある。中でも最大のキャンプ場は、この場所exitにあるアンカーベルクである。

アンカーベルクexit」で画像検索してみたり、「アンカーベルク 夜exit」で画像検索してみたりすると、お祭りといった感じの画像が多数ヒットする。アンカーベルクを映す動画は、Youtubeに多くアップロードされている(検索例exit動画1exit動画2exit

アンカーベルクでのお祭り公式ウェブサイトexitFacebookexitで宣伝されている。催しているのは、この場所exitに拠点を持つGCS Eventexitという企業である。
 

サーキットの施設など

ザクセンリンク・タワー

この場所exitに、ザクセンリンク・タワーexitがある。

黄色白黒チェッカーフラッグの模様に塗られていて、このサーキット徴的存在になっている。ザクセンリンク・タワー背景にして記念撮をすることが多い(画像1exit画像2exit画像3exit)。

黄色白黒チェッカーフラッグの模様に塗る塗装2011年7月2012年7月の間のどこかで行われた(2012年動画7月exit)。2011年7月までは、っぽいピンク色建物だった(2011年7月動画exit2011年1月写真exit2008年記事exit2004年画像exit)。

もともとはコントロールタワーとして使われていた。コントロールタワーとは、レース運営を行う団体の人たちが占拠して、タイム計測をしたりペナルティの有を決めたりする場所のこと。

現在VIP用の観戦席になっているようである。タワーの内部を映した動画こちらexit。全方位ガラスりで、とても見渡しが良い。
 

コントロールタワー

先ほどのザクセンリンク・タワーからメインストレートを挟んだ向こう側に、コントロールタワーがある。

メインストレートから見た姿はガラスりの建物だが(画像1exit画像2exit)、その反対側は塗装され、縦書きで「SACHSENRING」と書かれている(画像1exit画像2exit)。
 

メインストレートのトンネル2ヶ所、バックストレートのトンネル1ヶ所

MotoGPが開催されるときは、メインストレートから北にあってコントロールタワーを含む一帯がピットとなり、メインストレートから南にあってザクセンリンク・タワーを含む一帯は各チームのホスピタリティゲストをもてなす施設)などが置かれる。

関係者たちはメインストレートの南北を行ったり来たりすることになる。その往復は、この場所exitにあるトンネルを使う。このはレルヒェン通りという名前が付いていて、このあたりexitバックスレートの地下もくぐり、そのまま民家の並ぶ場所に続いている。つまり、単なるである。

レルヒェン通りのトンネルまで行くのは面倒なので、もう1つのトンネルこのあたりexitに掘られている。このページexitの画像でメインストレートをまたがる形で「Zuschauer-tunnel」と小さく書かれている場所である。
 

放射状にトラックが並ぶ円形駐車場

メインストレートから南にあってザクセンリンク・タワーを含む一帯のこの場所exitに、円形駐車場がある。MotoGP開催中はトラックが放射状に並ぶ(画像exit)。
 

サーキット入口近くの観覧車

サーキットの観客向け入口はこのあたりexitである。MotoGP開催時には、その近くに移動式遊園地観覧車が置かれることがある(画像exit)。
 

カートホール

サーキットの観客向け入口ちかくのこの場所exitに、カートホールKarthalle)がある。

普段はカート(小レース四輪)を屋内で走らせるための施設であり、画像欄exitを見るとカートが走っている画像を見つけることができる。

MotoGP開催時にはイベント会場として使われる。大量のファンが入りこんでごった返し、その前でMotoGPライダートークイベントなどをする(画像1exit画像2exit)。あるいは、ミュージシャンライブイベントも行われる(画像exit記事exit)。
 

青い歩道橋 フォルクスワーゲン・ブルッケ

サーキットの観客向け入口に近くて8コーナーの直前のこの場所exitに、歩道橋がある。

この歩道橋のことをフォルクスワーゲンブルッケ(Volkswagen Brücke フォルクスワーゲン)と呼ぶ(サーキット公式地図exit)。ドイツ語Brückeを英訳するとBridgeとなる。

MotoGPが開催されていないときはフォルクスワーゲン広告が付いている(画像exit)。

MotoGP開催時は、GoProやPramacといったMotoGPスポンサー看板が付けられる(画像1exit画像2exit)。フォルクスワーゲンMotoGPスポンサーではないので、MotoGP開催時には名前せられる。

歩道橋を渡った先のこの場所exitには、カート用の小コースがある。晴れている日は、先述のカートホールからカートを走らせて、この歩道橋を渡り、カート用小コースに移動する。
  

メディカルセンター

この場所exitにある建物メディカルセンターである。メディカルセンターの前はで、一般人が訪れやすい場所にある。2020年コロナ禍の時はこのメディカルセンターも患者を受け入れたという(画像exit記事exit)。
 

観客大入り(MotoGP)

ザクセン州モータースポーツ人気が高い地域であり、ザクセンリンクで開催されるMotoGPは観衆9万人の大盛況となる。

このサーキットは全体的に小さくて、なおかつ観客席も狭い。そこに大勢の人がぎっしり入りこんで人口密度が高くなるので、歓の音量が凄まじい。
 

コーナー名

サーキットコーナーには異名が付いている。サーキット公式ウェブサイトにはいくつか地図があり、その地図の中にコーナー異名が書かれている(地図1exit地図2exit)。Wikipediaアップロードされている画像にも異名が書かれている(地図exit)。

コーナーの数え方はMotoGPに13ヶと数えることにする(画像exit)。
 

名称 由来
1コーナー コカコーラCoca-Cola アメリカ合衆国の清飲料企業
2コーナー
3コーナー カストロール・オメガCastrol Omega カストロールexitイギリスの潤滑企業で、エンジンオイルなどを作っている。このコーナー全体でΩオメガ)の形になっているのでオメガと呼ばれている。
4コーナー
5コーナー
6コーナー クライン・クッペ(klein kuppe) 小さな(klein)丘(kuppe)という意味。このコーナーが頂点であり、ここから駆け下っていく。
7コーナー カートホールKarthalle) この場所exitにある屋内カート乗り場をす言葉。
8コーナー フォルクスワーゲンブルッケ(Volkswagen brücke)

アウディブルッケ(Audi brücke)

フォルクスワーゲンVolkswagen
フォルクスワーゲンアウディドイツ自動車企業である。

このコーナー前にある歩道橋フォルクスワーゲンブルッケというので、その歩道橋名前と同じようにコーナーを呼ぶ。また、アウディフォルクスワーゲン下の企業なので、アウディブルッケと呼ぶこともある。

このコーナーを単に「フォルクスワーゲン」と呼ぶこともある。
9コーナー グロベ・クッペ(grobe kuppe) 粗っぽい(grobe)丘(kuppe)という意味。
10コーナー ノルドnord 北という意味。サーキットの中で最北端にあるため(画像exit)。
11コーナー ファーハラーガー(fahrerlager)※(2018年6月まで) ドイツ語で「レース関係者が集まる場所」という意味で、英訳するとPaddockになる。メインストレート北側パドックメインストレート南側パドックの両方から近い(画像exit)。
ラルフ・ウォルドマンexitRalf Waldmann 2018年3月10日に他界したドイツライダー名前1990年代MotoGP250ccクラスなどで活躍した。2018年6月名した(記事1exit記事2exit
12コーナー ザクセンSachsen) このサーキットが属するザクセン州のこと。
13コーナー クエケンベルグ(Queckenberg このコーナーの先のこのあたりexitに同じ名前がある。

 

コース形状の変遷

ザクセンリンクのコースの変遷を記録しているウェブサイトがある。

http://www.the-fastlane.co.uk/racingcircuits/index.html

ここのトップページCircuits by Country の欄の中の Germanyクリックし、Sachsenringを選ぶと、1927年コースから2003年以降の現コースまで全てを閲覧できる。
 

1927年から1990年までの公道コース

1927年から1990年までは、を封鎖して作り上げた1周8.7kmのコースである。Wikipediaの画像exitも参考になる。
 

1996年から1999年までのコース

1996年に常設サーキットが開業した。1996年に作り上げたコース形状は、2021年現在コース形状とべて、前半部分がだいたい同じであり、後半部分が大きく異なっている。1996年に作り上げたコース形状は、1999年まで維持された。

1998年1999年はこのコース形状でドイツGP(MotoGP)が開催されている。

G+の解説者坂田和人さんはザクセンリンクのドイツGPを体験したのだが、走ったのはこの「1996年から1999年までのコース」である。
 

2000年の改修と2001年の改修

2000年修で、ジェットコースターのように坂を一気に駆け下る右コーナー完成した。2018年6月以降にラルフ・ウォルドマンコーナーと名付けられた高速コーナーである。

2001年修で、さらにコース後半区間が高速化した。2001年修で決まったコース形状が、そのまま2021年現在まで受け継がれている。
 

コース紹介(MotoGP)

概要

コース全長が3,671mであり、2018年2019年MotoGPが開催された19ヶ所のサーキットの中で最下位である。2018年2019年MotoGPが開催された19ヶ所のサーキットの中で全長が3000km台なのは、本サーキットだけである。

コース全長が短いため、このサーキットでの差は他のサーキットの差よりも大きい価値がある。「ザクセンリンクの0.5差は他のサーキットの1.0差に相当する」といった具合に考えておいて良い。

コーナー数は13ヶ所で(資料exit)、2018年2019年MotoGPが開催された19ヶ所のサーキットの中で上から15番である。

前半区間はぐるっと回り込んだコーナーばかりで、アクセルを全開にせずハーフスロットルにして、ひたすら慢・耐・辛抱する。このため速度も低速で、2018年2019年MotoGPが開催された19ヶ所のサーキットの中で上から17番である。

前半区間は回り込んだコーナーが延々と続き、常にマシンが左右のどちらかに傾いている。ライダーコーナーで体を酷使して直線で体を休めるものなので、ライダーにとって休む暇がい。

コース幅が狭く複合コーナーが多くラインが一本しかいので、後方から追い上げていくことが難しい。ゆえに、予選を頑ってスターティング位置を上げ、より前の位置からスタートする方が有利になる。予選が重要なサーキットとなる。

MotoGP最大排気量クラスにおいて、ホンダ2010年から10連覇を飾っている。なぜホンダマシンが速いのかと問われたダニ・ペドロサは、「このサーキットは(リアタイヤの)グリップを失いやすいサーキットだが、ホンダマシンリアタイヤの滑りを制御しやすい。そのためホンダの成績が良いのだろう」と発言している(記事exit)。

ザクセンリンクは山に作られたサーキットで、斜面だらけである。が降った後に先にくのは、斜面となっている。斜面の方が面よりもを浴びやすく、きやすい。

こちらexitMotoGP公式サイトの使用ギア明示動画である。一番低いギアは2速で、1速を使わない。

なパッシングポイントメインストレートエンドの1コーナー(Coca-Cola)exit8コーナーexitバックストレートエンドの12コーナー(Sachsen)exit最終13コーナー(Queckenberg)exitである。
 

左コーナーが極端に多い

コーナー10ヶ所に対し右コーナーは3つのみでタイヤの右側が冷えやすく、右コーナーの転倒が多い。1コーナーCoca-Cola)や11コーナーといった右コーナーでの転倒が立つ。

コーナーが極端に多いので、2015年ブリヂストンは「左右非対称のフロントタイヤ」を導入した。左に硬めのコンパウンド(ゴムのこと)、右に柔らかめのコンパウンドを入れたフロントタイヤである。この左右非対称のフロントタイヤ2014年後半のフィリップアイランドサーキットバレンシアサーキットで先行導入しており、2015年はザクセンリンクにも導入された。ライダーからの評判は上々だった。右が柔らかいコンパウンドなのですぐに温まり、11コーナーで安全に走れるようになったのである。

ところがフロントタイヤというのはブレーキング時にほとんどの荷重を受ける場所で、柔らかいコンパウンドだときっちりマシンを止めることができない。ゆえに左右非対称のフロントタイヤだと1コーナーでのハードブレーキングがイマイチになった。「1コーナーではイマイチになるけど11コーナーで安全になるから、まあいいか・・・」と各ライダー達は妥協して考えていたという。

このレースの前に左手・左腕・左肩・左足といった左半身のどこかを怪していると大変である。左半身に負荷を掛ける左コーナーが多く、怪の痛みが身に沁みる。
 

狭いコース幅で抜きにくい前半区間

ザクセンリンクはコース幅12mと発表されているが、これは最も広いメインストレートの数値である。1コーナーから急に幅が狭くなり、コース幅が12mよりもはるかに狭くなる。その狭っ苦しいコーナーが延々と続き、とにかくパッシングしにくい。

このページの地図exitはザクセンリンクの4つのセクターを色分けして表示している。

セクター1が、スタートラインから2コーナーと3コーナーの中間地点まで。セクター2が、2コーナーと3コーナーの中間地点から7コーナー立ち上がり地点まで。

セクター1セクター2は、1コーナーを例外として、パッシングすることが非常に難しい。
 

高低差が激しく、ブラインドコーナーが多い

丘陵地帯のサーキットなので高低差が大きく、アップダウンがある。そうしたアップダウンしさは、四輪オンボード動画を見るとはっきり分かる(動画1exit動画2exit

アップダウンが多いので、コーナーの先が見えないブラインドコーナーが多く、コースとしての難易度が高い。ブラインドコーナーは先が見えない状況で感覚を頼りにアクセルを開けねばならず、ライダーにとって度胸と想像と頭の良さを問われるとても難しいコーナーなのである。

ブラインドコーナーというのは遅いライダーがさらにペースを落とす場所であり、予選の中で走行ペースを上げてタイムを出していくときに遅いライダーに邪魔されやすい場所である。そうしたブラインドコーナーが多いので、予選でタイムを出すのがなかなか難しい。
 

マルク・マルケスの庭

マルク・マルケス2010年から2019年まで10年連続ポールトゥウィンという大記録を達成している。

2010年125ccクラス2011年2012年Moto2クラス2013年からは最大排気量クラスが降ろうがドライ路面だろうがやたら速く、もはや手が付けられない。
 

メインストレート~1コーナーCoca-Cola)進入

MotoGPスタートラインチェッカーラインは位置が異なっている。スタートラインはこの白線exitで、チェッカーラインは最終コーナーを立ち上がってすぐの白線exitである。

レース動画を見てもよく分かる。スタート動画こちらexit、フィニッシュの動画こちらexit

メインストレートに起がある。最終コーナーを駆け上がってチェッカーラインまで上り勾配で、そこからはしばらく坦。ピットウォールが終わるあたりで急な上り勾配になり、そして下り勾配になりながら1コーナーに入る。動画exitで見ると、勾配の変化がよく分かる。

ピットレーン出口がかなりの上り勾配で、ライダーは坂を駆け上がってコースに入る(動画exit)。その上り勾配は隣接するメインストレートにも生じているわけである。

1コーナーCoca-Cola)は数少ないパッシングポイントである。それと同時に転倒多発地帯でもあり、フロントタイヤを滑らせてスリップダウン転倒したり、リアタイヤが滑ってその次の間に急にグリップが戻りライダーが放り出されるハイサイド転倒したり(動画exit)、止まりきれずオーバーランしたりして、グラベル)のなかに突っ込むライダーが後を絶たない。右コーナーが少ないサーキットなのでタイヤ右側が冷えやすく、右コーナーが転倒の魔所になる。
 

1コーナーCoca-Cola)脱出~3コーナー(Castrol Omega)進入

1コーナーCoca-Colaの脱出から3コーナーCastrol Omega)の進入まで下り勾配で、右に傾いた状態から左へ切り返し、左へ傾いた状態から右へ切り返す。下り勾配の中のマシン切り返しを2回行う難しい場所である。

1コーナーから2コーナー方面を見る画像exitや、1コーナー進入から始まるこの車載動画exitを見ると、下り勾配の急さがよく分かる。

急な下り勾配を一気に駆け下りつつ切り返すので、フロントタイヤの消耗がしい。それゆえ、レース序盤からレース中盤においてわざとこのあたりをゆっくり走り、フロントタイヤの消耗を抑える工夫をすることがある。2013年Moto3クラス決勝にてルイス・サロムがそのように走り、しっかり2位台を確保した。
 

3コーナー(Castrol Omega)

3コーナーCastrol Omega)は、背の高い木々が生える小高い丘の麓(ふもと)をぐるっと回る。

小高い丘に背の高い木々がいっぱい生えていて、その麓をバイクがぐるっと優雅に旋回していくexit

3コーナーCastrol Omega)の前半の進入部分はかなりの下り勾配で、3コーナーの後半の脱出部分はかなりの上り勾配である(動画exit)。
 

4コーナー~5コーナー進入で転倒が多発する

4コーナーは上り勾配で、右に傾いた状態から左にマシンを切り返す。5コーナー坦な左コーナーである。

4コーナーと5コーナーの両方とも、転倒多発地帯になっている。

4コーナーは上り勾配の中の切り返しで、フロントタイヤの荷重が抜けやすい。5コーナーは急に坦になって左右のカント(傾斜)も少ないので、リアタイヤの荷重が抜けやすい。

4コーナーく上りきりたいという心理も働くので、アクセルを思い切り開けたくなってしまう。タイヤが滑って転倒することが多い。
 

5・6・7コーナー~短い直線

5・6・7コーナーはよく似た左コーナー3連発である。このページexitの画像と空撮画像exitを見べておきたい。

5コーナー坦、6コーナーと7コーナーがかなり急な下り勾配になっている。


この動画exitカメラマンを6コーナーに配置し北東の5コーナーカメラを向けて撮した。5コーナー特有の旗が映っている。

この動画exitカメラマンを7コーナーに配置し北西の6コーナーカメラを向けて向けて撮した。6コーナーには旗がない。

7コーナーKarthallen)の進入部分の外には赤い観客席がありexit7コーナーKarthallen)の中間部分の外には青い観客席があるexit赤・青と来るのが7コーナー(Karthallen)exit、となっている。

7コーナーKarthallenを終えると下り勾配がくなり、ほんのわずかだが直線になる。
 

青い歩道橋~10コーナー

8コーナーの直前にはコースの上に青色の歩道橋(フォルクスワーゲン・ブルッケ)exitが架かっている。

歩道橋の下をくぐって8コーナーを過ぎると、長い上り勾配が始まる。9コーナー脱出まで上りが続く。

9コーナーを脱出したあたりから、コース左側に金網があるexit。この網は11コーナーまで続く。

10コーナーは坂を登り切って坦になっている。

10コーナーを抜けて右の11コーナーへ進入していくところは、インの壁で視界が遮られて先が見えない状態になっている(動画exit)。
 

転倒多発地帯の11コーナー

11コーナーは左に傾いた状態から右に切り返しての下りの右コーナーで、転倒多発地帯となっている。

3コーナーCastrol Omega)以来久々の右コーナーで、タイヤ右側は冷えきっている。ところがこの11コーナーを全速で走らないと次のバックスレートで遅れてしまうので、どうしてもアクセルを開けていかなければならない。

11コーナーの外には広大なグラベル)があり、毎年多くのライダーがこのグラベルの世話になる(動画1exit動画2exit


この11コーナーは危険すぎる、というライダーの発言が相次いでおり、コース修も検討されている。

ただ、11コーナーの付近は崖で、その崖の下に民家もある。11コーナー自体をいじる修は難しい。11コーナーの前に右コーナーを追加してタイヤ右側の加温を促進する程度の修しかできないとされる。
 

バックストレート~最終コーナー

バックスレートジェットコースターを連想させるほどの急な下り坂になっている。12コーナーSachsen)を下から見た動画こちらexitで、滑り台にしか見えない。ここだけで21mの高低差があり、7階建てビルに相当する。

ここをアクセル全開で加速して前のライダーの背後にぴたりと付き、スリップストリームの恩恵を受け、バックスレートエンドの12コーナーSachsen)でインに飛び込んで抜く、というのが多い。

12コーナーSachsen)は急な下り坂をアクセル全開で走る後なのでハードブレーキングが必要である。ところがこのコーナーは直に近いコーナーなので一杯速を落とすわけにはいかず、ある程度ブレーキを緩めて速を保ちたい。ハードブレーキングが必要だが止めすぎてもダメ」という、難易度の高いコーナーである。


最終コーナーQueckenberg)は進入部分から急な上り坂のブラインドコーナーで、最後の勝負所となっている。12コーナー(Sachsen)の観客席からの動画exitを見ても、相当な上り勾配になっていることがわかる。ブレーキングを遅らせインに飛び込むか、ブレーキングをめて立ち上がり重視のラインを通るか、二者択一となっており、先行するライダーと後続のライダーの駆け引きとなる。

最終コーナーを立ち上がってすぐのところにチェッカーラインがあるので、最終ラップ・最終コーナーでの攻防がそのままレース結果になりやすい。

最終コーナーの立ち上がり部分も急な上り勾配になっている(動画exit)。歩いて登っていくのは苦労しそう。
 

コース学習用動画

関連リンク

関連項目

この記事を編集する

掲示板

掲示板に書き込みがありません。

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
熱情の律動[単語]

提供: かふぇお~れ

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2024/04/20(土) 06:00

ほめられた記事

最終更新:2024/04/20(土) 06:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP