スオムス(Suomus)とは、「ワールドウィッチーズ」シリーズに登場する国家である。
小説『スオムスいらん子中隊』シリーズ、コミック『オーロラの魔女』の舞台。
フィンランドをモデルとする共和制国家。首都はヘルシンキ。国旗は白地に水色の十字。
北極圏にほど近い北欧に位置する人口約400万人の小国。「森と湖の国」という異名の通り、国土は森林と湖沼で覆われ、工業化も進められているものの主要産業はあくまで農林業である。政体としては直接選挙による大統領を国家元首とし、行政機関の長として首相を置く議院内閣制を採用している。
サウナ文化で有名なほか、毎年12月末のサトゥルヌス祭の起源地としても知られる。古来スオムスでは夏至祭と冬至祭を盛大に祝ってきたが、この冬至祭がローマの農耕神サトゥルヌスの祭と結びつき、サトゥルヌス神が赤い服に白ヒゲの老人の姿で子どもたちにプレゼントを贈ってまわるという伝説になったという。スオムスでは、サトゥルヌスはラップランドのコルバトゥントゥリ山が故郷であると信じられている。
精強な軍隊を持ち、古くから女性の権利が認められてきたためにウィッチ以外の女性軍人も少なくない。ネウロイ大戦では戦力と兵器の不足を運用の柔軟さとウィッチの優秀さで補い、大規模なネウロイの侵攻を幾度となく撃退して国土を維持し続けている。
北欧、バルト海最奥部の高緯度地域に国土を持ち、東部でオラーシャ帝国と、北部と西部でバルトランドと接する。平坦な国土のうち7割は森林、1割は湖沼が占めており、森林の多くは針葉樹林(タイガ)からなる。湖沼は氷河が作り出したもので、国土全域に点在している。
沿海の暖流の影響で緯度の割には温暖な気候を持ち、四季もはっきりしている。夏は平均気温20℃程度、地域によっては30℃以上を記録する暖かさで、高緯度ゆえに日が長く、北部では白夜となる。一方で冬はマイナス30℃にもなるものの、乾燥しているため体感的にはそれほどではなく、北部は極夜がつづく。夏から春にかけて、夜にはオーロラが空を彩ることもある。
都市としては首都ヘルシンキのほか、東部のリエクサ、ラドガ湖畔のソルタバラなど。
スオムス一帯においてはもともと統一国家がなく、部族単位での居住が長く続いていた。12世紀、スカンジナビア半島の統一にあわせてスオムス地方が併合されたことで状況が変わり、その後はバルト海沿岸一帯に勢力を広げたバルト帝国に含まれることとなる。
成立後のバルト帝国ではしばしば怪異との戦いが発生し、スオムス人は勇猛さによって周辺諸国に実力を認められていった。しかしバルト帝国が17世紀後半から18世紀の絶え間ない対怪異戦で国力を消耗させると、同様に疲弊したスオムスはバルト帝国から離れ、新たに勃興したオラーシャ帝国の庇護下に入った。
1812年、ガリアのナポレオンが黒海方面の怪異討伐に諸国を糾合すると、皇帝自ら率いるオラーシャ軍とならんでスオムス軍も討伐に参加した。この討伐行は無残な大敗に終わったが、スオムス軍部隊が危地に陥ったオラーシャ皇帝を自身の全滅と引き換えに救出する戦功をあげる。オラーシャ皇帝は感激してスオムスの独立を認め、史上初のスオムス地方における独立国であるスオムス公国が誕生した。
その後、スオムス公国でも民主化の機運が高まり、一時的な王制を経て共和制に移行。スオムス共和国の成立に至っている。
兵器開発能力は高くなく輸入に頼るが、鉄鉱石を産するバルトランドと共同して工業化を進めており、運用・整備能力の点では列国最高峰に近い。器用な国民性で、いかなる兵器でも柔軟に活用することで定評があり、各国から支援で送られてくる多彩な機材も問題なく運用できている。
航空戦力の点では独立した空軍を編成するが、ストライカーユニット・航空機についても独自開発能力はほとんどなく、カールスラント、リベリオン合衆国、オラーシャ帝国などからの輸入・供与に頼っている。一応は国営航空機工場で機体開発もしているが、諸国に比べると実戦投入レベルには達しておらず、もっぱら輸入機の組み立てや損傷機の修理に集中している。特に修理・整備技術の高さは諸外国から整備員に引き抜きがあるほど。
1939年9月の第二次ネウロイ大戦勃発後、黒海方面からオラーシャ領を北上したネウロイは、11月にスオムス東方国境に来襲した。“冬戦争”、あるいは第一次スオムス戦役と呼ばれる戦いの始まりである。はじめは、各国のわずかな支援があるとはいえ北欧の小国にすぎないスオムスの陥落は遠くないと見られていた。しかしスオムス軍は、ネウロイの嫌う水場の多い地形、そして寒冷さに助けられ、驚異的な粘り強さによってネウロイの侵攻をしのぎつづけたのである。
なかでも“いらん子中隊”と称された寄せ集めの多国籍ウィッチ義勇部隊、スオムス義勇独立飛行中隊の活躍は伝説的で、のちに第501統合戦闘航空団<ストライクウィッチーズ>をはじめとする多国籍航空部隊が創設されるきっかけとなったことで知られている。
1941年には、カールスラント軍などと共同して北方反攻作戦“バルバロッサ作戦”が実施されたが、国境近くのオラーシャ領内に橋頭堡を築く程度の結果に留まった。1944年4月、大型ネウロイ“シリンダー”を破壊する“ミエリッキ作戦”が行われ、6月にはネウロイ“タワー”の侵攻(第二次スオムス戦役)が発生。翌1945年には前年に北オラーシャに発生した新たなネウロイの巣“グリゴーリ”に対する“フレイアー作戦”にも参加し、破壊に成功している。
人口は少ないながら、優秀なウィッチの比率が高いことで有名。こと視力と忍耐力、射撃技倆に長けたウィッチが多いのは、長い狩猟生活の伝統による可能性が指摘されている。
ウィッチ制服は薄水色の上着と純白の重ね履きズボン、ポーチ付ベルトが標準装備。制服の胸にはスオムス空軍章をつけている。一部の制服上着を着用していないウィッチも、ポーチ付ベルトは装備している。
統合戦闘航空団への派遣は限定的で、スオムス方面を戦域に含む部隊のほかはブリタニア→ロマーニャの501JFWに1名を送り込んでいる程度。なお、戦役緒戦から最前線を支えたスオムス義勇独立飛行中隊は1944年12月、連合軍指揮下の第507統合戦闘航空団<サイレントウィッチーズ>に改編され、スオムス空軍よりハンナ・ヘルッタ・ウィンド少佐が司令に着任している。
小説『スオムスいらん子中隊』シリーズ、『サイレントウィッチーズ スオムスいらん子中隊ReBOOT!』シリーズ、コミック『オーロラの魔女』の舞台となったことから、スオムス義勇独立飛行中隊のカウハバ、ラッペーンランタ両基地や空軍第24戦隊のベルツィレ基地を中心に、各地が作中に登場している。
アニメ『ブレイブウィッチーズ』でも、作中には登場しないものの、「秘め歌」収録のボイスドラマで首都ヘルシンキが舞台となっているものがある。
主要な国家説明は『ストライクウィッチーズ』DVD特典「全記録」第四集、国営航空機工場の詳細については『ストライクウィッチーズ2』特典「全記録 弐」第四集に収録。
アニメ『ストライクウィッチーズ』などで描かれる第501統合戦闘航空団<ストライクウィッチーズ>(配置はブリタニア→ロマーニャ)には、1名のウィッチを送り込んでいる。
アニメ『ブレイブウィッチーズ』などで描かれる第502統合戦闘航空団<ブレイブウィッチーズ>には、1名のウィッチを参加させている。
この他、陸戦・ストライカーユニット回収を担当する補助部隊として1名が所属している。
小説『スオムスいらん子中隊』シリーズと『スオムスいらん子中隊ReBOOT!』シリーズ、『ブレイブウィッチーズPrequel』シリーズで描かれるスオムス義勇独立飛行中隊(のちに再編され第507統合戦闘航空団<サイレントウィッチーズ>)(スオムス)には、明らかになっているかぎりで2名のウィッチが参加。
ただし、ウィンド大尉の着任はレイヴォネン少尉の離任後で、同時に所属していた時期はない。
同部隊は国境近くのラッペーンランタを基地としている(『スオムスいらん子中隊』ではカウハバ)。
『ルミナスウィッチーズ』の舞台である連盟空軍航空魔法音楽隊<ルミナスウィッチーズ>には、1人のウィッチを所属させている。
コミック『オーロラの魔女』で描かれたスオムス空軍第24戦隊の要員として、以下のウィッチが登場する。
同部隊はベルツィレを基地としている。上記のほか、エイラ・イルマタル・ユーティライネン、ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン、ハンナ・ヘルッタ・ウィンドも同部隊の所属者として登場する。
上記のほか、『スオムスいらん子中隊』シリーズ、『スオムスいらん子中隊ReBOOT!』シリーズに以下のウィッチが登場する。
小説『スオムスいらん子中隊』シリーズ、アニメ『ブレイブウィッチーズ』などでは、スオムス陸軍の司令官クラウス・マンネルヘイム元帥が登場している。
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最終更新:2024/04/25(木) 00:00
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