Et tu, Brute?
「ブルータス、お前もか」とは、共和制ローマ末期の政治家であるガイウス・ユリウス・カエサルが暗殺される際、暗殺犯たちの中にいたブルータス(ブルートゥス、ブルトゥスとも)に放ったとされる言葉である。
この台詞はネットでもネタとして度々登場する。
古代ローマ史に詳しくないという人でも、織田信長の「是非に及ばず」に相当するセリフと言えばわかりやすいだろう。
紀元前44年3月15日、共和制ローマの伝統に反し終身独裁官となっていたカエサルは、共和制崩壊の危機感を持った元老院の反感を買った為に、ポンペイウス劇場の議事堂で複数の元老院派によって刺殺された。その際に暗殺に加わったブルトゥスの姿を認めると、これを慨嘆したという伝承が残されている。
ただし、あくまで伝承の一つであって、「言葉を残す間もなく死んだ」とか「言葉ではなく仕草で示した」という伝承もあることに注意されたい。
その後、かのシェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』において「Et tu, Brute?— Then fall, Caesar!(ブルータス、お前もか……ならばここまでか、シーザー)」という言い回しで登場し、前半が人口に膾炙して定着した。
良い子のみんなはこの台詞を使う(使われる)事のないような人生を送ってね☆
ところで、この”ブルータス”は誰を指すのか、という問題が存在する。というのは、暗殺犯の中に”ブルータス”は2人存在するからで、しかもどちらもカエサルとそれなりに深い関係にあったからである。
『ジュリアス・シーザー』においては”ブルータス”は問題なくマルクスといえる。なぜなら同作の主人公がマルクスであり、デキムスはほとんど出てこないからである。
また、伝承にある「Καὶ σὺ τέκνον(息子よ、お前もか)」という表現もマルクス説を補強する。
ところが、フィクションを離れてはデキムスを推す声も根強い。
マルクスはほとんど軍務経験もなく、カエサルとポンペイウスとの抗争ではポンペイウス側についた。にもかかわらず戦後に属州総督に任じられたのはコネ人事という他ない。一方、デキムスはガリア戦役以来の部下であり、目立った失敗もなく、留守を安心して任せられる数少ない人材であった。
カエサルの遺言にも、デキムスはオクタヴィアヌス(後のローマ帝国初代皇帝アウグストゥス)に次ぐ第2位の相続人の一人にして、オクタヴィアヌスの実質的な後見人に選ばれているが、実子説のあるマルクスの名前はない。
ただし、どちらの”ブルータス”にせよ、カエサルと深い関係にあり恩を施してきた人物であることに変わりはなく、むしろそれが二人とも自分に刃を向けてきたという事実は、カエサルを絶望させるに十分であったことは察せられる。
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最終更新:2024/04/25(木) 14:00
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