ヘルムート・レンネンカンプ(Helmut Lennenkamp)とは、「銀河英雄伝説」に登場する髭である。
CV.渡部猛(石黒監督版OVA)、志賀克也(Die Neue These)。
ローエングラム元帥府に所属する提督の一人で、本編初登場時大将。後に上級大将、同盟駐在高等弁務官。「ミスター・レンネン」として知られる。石黒監督版OVAにおける旗艦は帝国最大の戦艦「ガルガ・ファルムル」。
リップシュタット戦役の後にラインハルト麾下に加わり、“神々の黄昏”作戦時にはロイエンタール上級大将の指揮のもと艦隊を率いてイゼルローン要塞攻略に参戦。フェザーン経由の本隊と合流した後、シュタインメッツ艦隊の増援としてヤン・ウェンリーと対戦し痛撃を受ける。バーラトの和約後はハイネセン駐在高等弁務官の任を受けたが、ヤンが後代の禍根となると考え逮捕しようとしたことが仇となり、逆に人質として捕縛される羽目に陥り、自殺した。
外伝では「黄金の翼」(および石黒監督版OVAオリジナル「奪還者」)においてイゼルローン要塞駐留艦隊査閲部次長、大佐として登場。「グリューネワルト伯爵夫人の弟」としてなにかと差別されがちなラインハルトに対し「私は卿の過去の評判などどうでもよい」と、部下として公平に扱ったことでラインハルトの評価を得た。
たくましいカイゼル髭が特徴で、「髭がしゃべっている」などと評されるが、そもそも髭が本体なので当然である。ただし寄生している貧相な中年男性の(ジークフリード・キルヒアイス曰く、「およそみばえはしないし、かたくるしい」)体が首を吊ると髭も巻き添えで死ぬ。
戦闘においては第九次イゼルローン要塞攻防戦より参戦。敵将ヤン・ウェンリーを自らの尺度で計り、ヤンはイゼルローン要塞を固守すると判断したことで早々に戦略家としての能力の低さを露呈してしまう。その後アッテンボローが旧式輸送艦を囮とし要塞を脱出すると見せかける罠を仕掛けた際にも見事引っ掛かり痛撃を受けるが、この輸送艦追撃においては艦隊を二手に分けて挟撃を企図する非凡な戦術センスを見せ、戦術家としてはロイエンタールに賞賛された。
ヤンがイゼルローンを放棄したのち、ガンダルヴァ星域のウルヴァシーにおいてローエングラム元帥率いる本隊と合流。シュタインメッツ艦隊がヤン艦隊を発見した際、増援としてライガール、トリプラ両星系間の戦いに赴き、僅かな反撃のみで後退するヤン艦隊を「孔明の罠」と断定、追撃中止と艦隊再編を命じた。しかしそれ自体がまさしく孔明の罠であり、後退したところをヤン艦隊の強力な攻撃を受け艦隊は混乱、敗走状態に陥る。結果としてヤンを取り逃がして叱責を受け、更にはラインハルトをおびき出す挑発扱いされてしまった。ヤンに「ミスター・レンネン」などと呼ばれてしまったのもこの時である。
同盟が降伏すると、ハイネセン駐在の高等弁務官に任命される。麾下の艦隊は部下であったアルフレット・グリルパルツァー、ブルーノ・フォン・クナップシュタイン両提督の艦隊に分割され、後にマル・アデッタ星域会戦や第二次ランテマリオ会戦に参戦することとなる。
ハイネセンに着任し、わずかな陸戦部隊の護衛のみでホテル・シャングリラに執務室を構えた彼は、当時退役、結婚して悠々自適の生活を送っていたヤンに不信の目を向けた。はじめは部下ラッツェル大佐に命じてヤンを監視させる程度であったが、レサヴィク星域での500隻以上の艦の強奪、ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ生存の噂、同盟旧要人などからの「密告」、そして首席補佐官ウド・デイター・フンメルとパウル・フォン・オーベルシュタイン元帥による使嗾の結果、ついに同盟政府とジョアン・レベロ議長に対し、ヤンの逮捕を「勧告」するに至った。
こうしてヤンを処断し、新帝国の禍根を絶つつもりであったレンネンカンプだが、直後に思わぬ反撃を受けることになった。ヤン逮捕をフレデリカ・グリーンヒル・ヤンから知らされたアッテンボロー、シェーンコップ等旧部下たちが、“薔薇の騎士”連隊を率いてレベロ議長を誘拐。更に帝国との取引のため、ホテル・シャングリラを強襲するという挙に出たのである。7月23日早朝、ホテル十四階と十五階の間で行われた激戦、「血の流水階段」の結果、レンネンカンプはライナー・ブルームハルトによって捕縛された。
彼は囚われの身となっても、なお諦めず逆転の契機をうかがっていた。獄中でヤンのみならずレベロに出会い、自らが同盟政府により「売られた」ことを理解した彼は、ついに自らの破滅を悟る。この屈辱と敗北感に正気を失った彼が可能な手段はただ一つ、死しかなかった。彼は部屋の中に落ちていたロープに目をやり、7月23日昼、自慰自縊によって死に至った。
オーベルシュタインは彼について「生きていれば元帥に相応しくない男でも、死せば元帥となれる」と語ったが、結局彼は死しても上級大将のまま、元帥位を追贈されることはなかった。
「よき軍隊」を理想とし、上司に忠実、部下に公正、艦隊指揮能力も高く、極めて理想的な軍人である。部下からの信頼も高く、彼の弔報が届いた後、かつての部下が宇宙艦隊司令長官ミッターマイヤー元帥に対して復仇戦を嘆願するほどであった。また、彼の部下にいた頃のキルヒアイスからも、上司として「最良の部類」との評価を得ている。
しかし、イゼルローン要塞攻略戦の際にロイエンタールが「戦争屋」と評したように、艦隊司令官として理想的であっても総司令官としての大局を見る視野や政治的な判断能力については欠如しており、また軍人としての規範から外れたヤン・ウェンリーのような男を理解できるような柔軟な頭脳も持ちあわせてはいなかった。彼は、ヤンへの敗北を赦し、さらに高等弁務官の顕職をあたえた皇帝ラインハルトの信任にこたえるべく、「新王朝一〇〇〇年の計のため」障害物となる存在の除去と同盟の完全併呑への道筋づくりに尽力したが、結局それが自身の死をまねくこととなったのだった。
掲示板
175 ななしのよっしん
2024/02/19(月) 21:02:43 ID: czo2Y98UpP
>>174
ただ、ヤンは帝国側の守備に就いてる艦隊司令官がメックリンガーで有ると把握してる形跡は無いからね。
だからヤン自身、最悪陽動ではなく敵艦隊を戦力的に無力化するつもりで艦隊を動かしていたかもしれないんだよね。
176 ななしのよっしん
2024/03/20(水) 23:55:14 ID: d4yHMxAVYd
敵方の艦隊司令官ってどのくらいの精度で把握できるもんなんだろうか
作中見ると把握してる場合としてない場合が見られるが
177 ななしのよっしん
2024/03/29(金) 08:31:37 ID: J9PfrjFjyo
ほぼ、「旗艦の分析」がメインじゃないかと……なんとか逆に、自分が乗ってないヒューベリオンでロイエンタール釣り出してるし。
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最終更新:2024/04/18(木) 10:00
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