止め絵単語

トメエ

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止め絵とは、セルアニメーションにおいて動画を使わず一枚絵を表示し続けることをす。

ハーモニー処理

止め絵で多用される技法。

通常セルアニメでは絵の具で描いた背景の上にベタ塗りしたキャラクターセル画を重ねるが、ハーモニー処理では背景を人物込みで描き、その上に線画トレスしたセルを重ねることで、絵画のような一枚絵を作る。本来なら背景から浮き上がる人物を染ませるーー調和させることから「ハーモニー」と呼ばれるようになった。[1]

セルアニメーションにおいては2013年に「サザエさん」がデジタル処理に移行したことで、日本でのセル画によるアニメーション制作はもう行われていない。それ故、ハーモニー処理をする場合は「塗り」によって分けられ、デジタル処理でデジタル色彩する際の色彩設定にて人物を「セル塗り」したものに、背景との過程で印だたせるために共通した処理をすることにより、背景キャラの塗りの界を極なくす事で融合させ、スチー写真や絵画で切り取ったような印的演出をうみだす事である。

セル画背景全に分散した通常の止めとは違い、キャラクター背景融合させるために処理したカットで、原画ラストカットの絵を背景レイアウト融合させ、そのまま背景で仕上げたものにセル線画レイヤー部分のみ乗せた処理が一般的である。但し、製作工程は監督制作会社によっても異なり、一概には定義出来ない。

キャラクターの見得きりや必殺技を出すシーン、会話の区切り、ギャグボケ等のシーンシーンカット、またEDパート終了時に多様される事が多くカメラワークと共に使用される事もある。

現在ニコニコ動画投稿されている動画(**してみた~・MMDアニマスMADなど)にも多数ハーモニーが見られる。現在SAIフォトショップなどで静止画テクスチャレイヤーを加えるだけでハーモニー処理のように見える事が出来るが、これはそのようにデジタル処理し描写しているだけであり、「塗り」を背景融合させるという意味では違うものである。

主な歴史・経緯

ハーモニー処理を編み出したのは「あしたのジョー」等で有名な故人アニメ監督出崎統氏である。

日常生活の中の、ある間が裏に焼きつくみたいな、そういう"間の美"を残したいということです。アニメでは、質感がなかなか出しにくいわけね。(キャラクターが置かれた)その状況への臨場感というか、重量とか立体感とか、物の持つ重さを出したい、量感を出したいというのが狙いです」(、『アニメック』20号 連載「ザ・プロフェッショナル 1」、81年)
と述べており、技術について「表現したいことのために必然的に出てきたもので、技術自体を見せるのが的ではない」としている。

また「予算面等から、作画枚数に制約を受けた状況を踏まえて編み出した手法か」との記者の問いに対し、「それはまったく考えていなかった」(刊OUT1980年11月号)とも述べている。

その他「透過」・「ストップ・モーション」、「画面分割」、「入射」、「繰り返しショット」等現在アニメーションPVドラマにも使われている多くの表現技術を残した。これらを総称して「演出」と呼ばれる場合が多い。この演出は近代で手がけた劇場版Air劇場版CLANNADに大きく反映されている。

関連動画

関連項目

脚注

  1. *ハーモニーという名画 ―アニメの「止め絵」に込められた命の瞬きが熱いexit 2015.12.19
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最終更新:2024/03/29(金) 01:00

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