Μμとは、東方project関連動画の投稿者。Bad Apple!! PV字コンテを考えた人物として知られる。
2008年6月8日、氏は彗星の如くニコニコムービーメーカーによる一本の投稿とともに現れた。
それは「【UP主が見たい】Bad Apple!! PV 【誰か描いてくれ】」。
東方projectの楽曲「Bad Apple!!」の二次創作(東方ヴォーカル)である「Bad Apple!! feat,nomico」のPVを妄想したという動画であったが、それを見た視聴者は驚きを隠せなかった。
初っ端から「れ い む」と名前しか書いていない画面を見せられ、その後にエビフライと化した魔理沙がよぞらを飛行する。その後も圧倒的な低クオリティ非常に味のあるタッチで、墓石と化したキャラなどによって出てくる順番を表すという、絵コンテにも満たない、字コンテと呼ばれるようなプロットだったのである。
うpされた当初、この雑な絵にコメントによる批判もあったのだが、一方で字コンテに光るものを感じたのか、コンテの希望通り描いてくれる絵師が次第に登場、ランキングに載る位人気を博すPVも現れた。
完成したPVが高クオリティだった事もあり、元ネタとして紹介された字コンテはそのギャップの凄さから驚きとともに認知されていき、PVを作る絵師も増え、新しいPVが出来るたびにこの字コンテもランキングに載り……という連鎖反応を起こしだした。
完成した高クオリティのPVとの落差が凄ければ凄いほど、字コンテ自体のインパクトも増していく事となる。こうして次第に字コンテを元としたPVが東方絵師の間でブームとなり、投稿主は調子に乗った。なんとBad Apple!! feat.nomico PV fullバージョンをUPしたのである。
相変わらず鬼発注と呼ばれるほどひどい絵であったのだが、この動画にも派生作品が生まれ人気を獲得していった。あと、ミリオンいったら良い加減ニワンゴに金払うわwwwとか言い出したりした。次第に「鬼発注と神下請け」という言葉が生まれ、Μμさんは「鬼発注の人」と呼ばれるようになっていった。
この字コンテブームも去ったと思われた頃、それは投稿される。あにら氏作の「【東方】Bad Apple!! PV【影絵】」である。
鬼発注の字コンテから生まれたこの影絵調の3DCGによるハイクオリティなPVは過去最大の祭りを巻き起こし、もちろんその動画でも元ネタとして紹介された字コンテも飛躍的に再生回数を伸ばした(東方カテゴリーで当時影絵PVに次いで2位となっている)。字コンテと影絵のクオリティの落差は凄いが、その構成は字コンテに忠実である事を忘れてはならない。漫画で言う原作と作画の関係に似ている。
こうして影絵が人気動画になり、Μμ氏はさらに調子に乗った。なんと2作目を作ったのである。
2作目「【UP主が見たい】End of Daylight PV full【ぴーひゃらら】」。影絵PVで祭りとなった時、Alstroemeria Recordsのブログで発せられた発言を受けて制作されたと思われるそのPVは、同時投稿されたショート版・full版ともにやはり鬼発注だった。
絵が雑である。本当に雑である。
しかし、墓石や名簿と呼ばれる雑な絵だが、逆に言えば必要最小限の情報で自由度が高い。構成は東方キャラクターの設定と歌詞のリンクに定評があり、例えば「時の」=「十六夜咲夜」など、東方ファンなら納得できるキャラ配置である。
その上に時系列を曲に合わせて作るのが上手い。例えばBadApple!! PVでは、曲に合わせて東方project作品順に並べ、ほぼ矛盾無く(時系列の一部が前後している所があるが、キャラと歌詞のリンクを崩さない為と思われる)時系列を完成させながらキャラの設定と照らし合わせても破綻していない構成となっている。
実はΜμ氏のPVにはもう一つ特徴がある。設定をPVとして展開する上で、隠し要素を必ず入れているのである。BadApple!!のPVでは、一番最初の時系列となる東方幻想郷が一番最後に配置されている。
これは、主人公である霊夢と魔理沙を起点にループさせる演出が前提で配置されたものと思われる。演出の一番重要な要素を隠していた(ペイントの機能を使いこなせていない為、単に動画内の説明を書けなかった可能性もある)のだが、その演出により時系列が成立するのは鬼才と言える。
二作目に当たるEnd of Daylight PVでは、字コンテの情報量が少ないのを逆に利用して隠し要素を構成している。一見地霊殿ストーリーから非想天則ストーリーを追っている構成のように見えるが、イントロで東方projectの全ての時系列を消化している。これは冒頭の歌詞の「日が沈む すべて終わる」からだが、説明などは全くない。気づく人に伝わればいいというスタンスなのか、説明は動画説明文に少しある位で、動画内には全くと言っていいほど演出上の重要な説明は無い。正に鬼発注の人と呼ばれる事となるのも納得できる。
何より一番の特徴は東方projectの設定への深い造詣と愛情だと思われる。PV内では東方projectの設定のバックストーリーや2次設定への深い知識が伺える。2作目のEnd of Daylightでは、地霊殿のバックストーリーなどを展開しているのだが、地霊殿の場面に星蓮船の妖怪を入れている場面がある。これは星蓮船の妖怪が地霊殿の舞台となった地底に封印されていた設定があり、その設定をPV内で活用しているのである。
また、氏は巡回動画はマイリストして動画ごとにコメントを残すなど、派生動画投稿者への感謝やリスペクトを欠かさなかった。それから「ミリオンいったらドワンゴに金払う」とか言っていたが、これは単にプレミアム会員になるというだけのことではなかったようで、ニコニコポイントを購入してのニコニ広告を派生動画に対して積極的に行なっていた。こうしたところからも、コンテンツへの情熱、愛が窺えるというものだろう。
掲示板
1 ななしのよっしん
2015/02/04(水) 04:27:27 ID: KRuSvqtfP+
「Μμ」の読みは「エムマイクロ」ではなく
「ミューミュー」または「ミューマイクロ」では?
2 ななしのよっしん
2015/05/15(金) 03:18:01 ID: NivsHRExZK
東方の設定と歌詞を合わせ、構成を練るのが凄い上手い。東方の世界観がとても好きなんでしょうね。それと、作品を作ってくれた人への感謝をコメントしているとか、作ってくれで終わりにしていない。技術は無かったけど、この人がいなかったら出来ていない作品が多いという功績はもっと評価されるべきだと思います。
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最終更新:2024/12/07(土) 05:00
最終更新:2024/12/07(土) 05:00
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