アルファ
α(アルファ)とは、ミノルタおよびコニカミノルタ、ソニーの一眼レフカメラあるいはレンズ交換式カメラのブランド名である。
αはレンズマウント(レンズを取り付ける穴の規格)によってAマウントとEマウントの2種類のラインが展開されている。AとEでそれぞれに取り付けられるレンズは基本的には別であるが、Eマウントではマウントアダプタを介してAマウントレンズを装着し(制限付きではあるが)利用可能である。
コニカミノルタからソニーが引き継いだαの本流。レンズの取付部分の規格はAマウント(αマウントと呼ばれることも)。一眼レフカメラや一眼レフっぽい形をしたカメラのブランド。後述のミラーレス機のEマウント機に比べると、ある程度大きさがありしっかり握れて、オートフォーカスも速く、特に動く物へのオートフォーカスの追随が優れているのが特色。レンズは現行のカメラでもミノルタ時代からのほとんどすべてのα用レンズが、オートフォーカスも手ぶれ補正機能も含めて利用可能な後方互換性を保っている。
ラインナップはエントリー向け小型機のα3シリーズ、エントリー向け普通サイズのα5シリーズ、α7シリーズのダウングレード版でちょっと豪華なエントリー機のα6シリーズ、αのAPS-Cセンサモデルでは最上位の中級機のα7シリーズ、35mm判センサを積んだフラッグシップのα9シリーズを展開。
Aマウント用レンズはフルサイズ対応レンズと、DTレンズ(Digital Technologyの略)の大きく2種類に分けられる。DTレンズはいわゆるデジタル専用レンズと呼ばれるもので、該当製品の型番にDTの文字が入っているため、それが入ってない物はフルサイズ対応レンズということになる。2種類のレンズを各種カメラに装着した場合以下のようになる。DTレンズには制限が多いと思われるかもしれないが、その分コンパクトで軽く安価なわりに写りの良いレンズができる。
その他、レンズの商品名に入る略号の解説
ソニーのαになってから出来た、いわゆるミラーレス一眼に分類されるもの。レンズの取付部分の規格はEマウント(フランジバック長18mmのEighteenから)。フランジバックの短い新規格によりコンパクトさを追求したボディが特徴。その製品名称からNEXシリーズなどとも呼ばれるが、同じEマウントのレンズを利用できるハンディカムや業務用ビデオカメラにもNEXの名前が付けられているので、スチルカメラだけを指す言葉でないこともある。
ラインナップは、ボタンやダイヤルが少なくコンデジからの移行で戸惑わないNEX-3シリーズ、Eマウント機の基本シリーズで小型化を追求したNEX-5シリーズ、カメラらしいインターフェースのNEX-6シリーズ、独自のトライダイヤルナビなどを搭載したフラッグシップのNEX-7シリーズを展開。
現在世に出ているαEマウント用のレンズは、すべてのNEXシリーズ機で利用可能。以下にはレンズ固有の機能を解説する。
αショック
一眼レフカメラにおいてイマイチ流行らなかった自動ピント合わせ装置『オートフォーカス』を、ミノルタ(現・コニカミノルタ)はカメラ本体やレンズといったカメラシステム全体で実現する新シリーズのカメラを発売し、広く一般にも受け入れられ記録的な大ヒットを飛ばした。それがαである(ヨーロッパではDynax、北米ではMaxxumブランドを使用)。従来ミノルタが発売してきたSRマウントのレンズとの互換性をなげうってまで行ったシステムの刷新と、マニュアルフォーカスのカメラは以後さっぱり売れなくなるというその成果により、他のメーカーも次々とレンズマウントなどのシステム刷新を行って追随するという、カメラ業界への大激震を引き起こし「αショック」などと言われた。
自動化と先進性
その後もミノルタは自動化・ハイテク路線を邁進し、ICカードで撮影設定や新機能を追加するインテリジェントカードシステムやら、ファインダーを覗くと自動でズームしてカメラが構図を決めるオートスタンバイズームなど、先進的なんだかよく分からないシステムなども実装したり、保守的な路線に立ち返ってみたりと紆余曲折を経つつ、キヤノンのEOS Kissに対抗してα-Sweetを初心者向けに出すなどで、業界の二番手か三番手あたりのシェアに落ち着く。さらにプロ用にRD-175という三板式で巨大ではあるが、当時としては比較的安価(68万円)なデジタルカメラも発売する。
ミノルタはAPSにも本気、ところでαは?
αにとって不幸だったのは、ミノルタが35mmフィルムの次の規格としてAPSフィルムカメラに本気で取り組んだことである。35mmフィルム用のシステムであるαではAPSの利点である小型化が活かせない、そのためミノルタは、従来のαマウント(Aマウント)に代えてVマウントを採用した、新シリーズの一眼レフカメラVECTISと多数の専用レンズなどを取りそろえ、αを立ち上げたときのように新しいシステムを構築しにかかったのだが、結果はAPSごと忘れ去られることになった。その後Vマウントで二板式のデジタル一眼レフカメラRD3000などを出してる間に、αシステムのデジタル化は立ち後れることになる。
待望のαのデジタルカメラ
時は流れデジタル一眼レフの多くは35mmフィルム時代のマウントやレンズを引き継いだシステムになるという趨勢が決し、ミノルタがコニカと合併してコニカミノルタというカメラへの収まりの悪い長い名前になったのち、やっとのことでα初のデジタル一眼レフカメラα-7 DIGITALが発売され、さらにエントリー向けのα-Sweet DIGITALなどの発売にこぎつける。まだαのレンズを売り飛ばして他のメーカーに移っていなかったユーザーの需要などでそれなりに売れて利益は出していたものの、コニカミノルタはコンパクトデジタルカメラが不調でカメラ部門は赤字だった。そもそもミノルタとコニカの合併は、イメージされやすい「カメラ屋とフィルム屋の合併」ではなく「コピー機などを売る事務機屋同士の合併」だったらしく、カメラ事業の縮小や撤退が噂されるようになり、α用のレンズも次々とディスコンされ、発売されるレンズはタムロンのOEM品ばかりということが続いた。
デジカメ長者ソニー
コニカミノルタのようにデジタル化で泣くメーカーもあれば笑うメーカーもあり、その典型がデジタルカメラから参入して、キヤノンに続く世界第2位のカメラメーカーに上り詰めていたソニーである。キヤノンなどのように高価なレンズ交換式カメラをラインナップに持っていないにも関わらず、コンパクトデジタルカメラによって地位を確立したソニーであったが、コンパクトデジタルカメラの低価格化とデジタル一眼レフの低価格化が押し寄せ、高性能化で価格を維持しようにも安くなった一眼レフカメラに客は移ってしまうわけで、ビデオカメラでも民生から業務用まで大きなシェアを持つソニーである、一眼レフカメラ(あるいはレンズ交換式カメラ)への参入はもはや秒読み段階と言われていた。
コニカミノルタ・ソニーの提携、そしてコニカミノルタの電撃撤退
レンズなどのシステムの構築や、一眼レフ特有のメカトロニクスや光学設計はソニーが参入に二の足を踏ませるのに十分大きな障壁であったが、カメラ部門へテコ入れしたいコニカミノルタと思惑が一致、両社はαシステムのデジタル一眼レフカメラの共同開発を始めることとなった。ソニーがイメージセンサ、コニカミノルタが一眼レフのノウハウなどを持ち寄り、完成したならば両社で別々のパッケージで売るという流れだったのだが、コニカミノルタはカメラ自体やめたいという話になり、それならばということでソニーがブランドや人員などの資産を引き取ったとのこと。
ソニーα
ソニーとコニカミノルタが共同開発していたカメラは、順当にα-Sweet DIGITALの改良版といった形ののカメラα100で結実し、ソニーのαの第一号機となった。ソニーはαを自社ブランドにするにあたり、海外でDynax(ダイナックス)やMaxxum(マクサム)というブランドで販売が行われていた地域も含め、αを世界統一ブランドに据えることとなった。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2021/03/07(日) 22:00
最終更新:2021/03/07(日) 22:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。