あお向け/仰向けとは、背中を地面につけて寝る姿勢である。⇔うつ伏せ
歯科などで椅子に座って、その椅子の背もたれを倒した時のような、顔、胸、腹を天井、空に向けて寝た姿勢のこと。
仰臥位と難しい言葉では言う。「仰向け」「あおむけ」とも表記される。
人間の就寝時の基本姿勢とされることが多い。特に、うつ伏せで赤ちゃんを寝かすと死ぬ可能性があるので赤ちゃんを寝かせる場合は仰向けが推奨される。(ただし頭蓋変形や老人であれば床ずれに注意)
病院の診察台の上での心電図検査やCTスキャン検査などを行う時は通常は仰向けで行われる。
仰向け、という背中を床などにつけてしまう体勢と言うのは、外部への反応にどうやっても遅れが生じてしまうのは避けられない状態である。人間の基本体勢は直立二足歩行であるが、仰向けからその状態への復帰はすぐに完了させることはできない。
これがうつぶせであったなら、手を体の下に入れ、ひざを曲げることで手足と言う運動効率の良い体の部位を使用することができるため、直立状態への復帰はたやすい。ビーチフラッグなどの運動ではいかに早くうつぶせ状態から復帰出来るか勝利の大きなカギとなる。
が、仰向けの場合、こうはいかない。人間の手足は基本的に体の前面で動かすことを前提としているのに、仰向けの状態では体の前面に運動の支えとなるものは何もないのである。体を起こすための反動を作り出すためには手足以外の部分を使わなくてならず、それが起き上がるまでのタイムロスを作り出している。
逆説的に言えば、仰向けになれるのは生活の中で最もリラックスしているときである。この体勢になってしまうと、すぐに反応ができなくなる以上、活発な活動が求められる状態で仰向けになるのはまずないだろう。安心してリラックスできるからこそ、仰向けと言う無防備な状態でいられるのである。
ニコニコ静画などでは仰向けの状態を描いたイラストが多数投稿されている。
これは前述した「リラックス状態」状態を描いたものと、より性的な「お誘い」をしているものに分けることができるかもしれない。
例えば、夏の昼下がりの畳の上。例えば、散歩に出かけた公園の芝生の上。例えば、ひさしぶりに遊びに行った幼馴染の部屋。例えば、恋人の膝枕の上。
そのような場所では他の人が居ようとも仰向けになってリラックスしたくなるものである。そのような無防備になった瞬間を切り取ったイラストは、可愛さにあふれ、保護欲を刺激するものとなっている。
人が最も長い時間仰向けをする場所はどこだろうか。そう、ベッドである。
当然ベッド上で仰向けをしているイラストも多く、もちろん上記のリラックス状態のものや中にはリラックスしすぎてすっかり居眠りしてしまっているものもあるが、それ以上に仰向けのまま視線だけはこちらに向けているというイラストが目立つ。
その視線が意味するのはもちろん相手へのお誘いであり、すでに自分はベッドの上で準備万端だよ、という据え膳にもほどがある状態を相手に伝えているのである。
さらにいうのであれば、このようなお誘い仰向けイラストの中でも上半身しか映っていない物に関してはすでにことに至る直前の状態であるかもしれない。下半身が映っていないのは視線を向ける相手が至近距離過ぎて視界が上半身のみに固定されてしまっているからであり、それほど至近距離ということはあと数瞬後には身体的接触が起こるのは避けられないだろう。また、至近距離からであるがゆえに、胸部も非常に強調されており、思わず揉みたくなるのは当然と言えるだろう。
上記の「お誘い」のシチュエーションにおいて、仰向けは胸部が強調されると書いたが、貧乳な女性が仰向けになってしまうと、胸部がより平坦になってしまう。ちっぱいなキャラにとっての仰向けはひたすら悲しいものなのかもしれない。
通常、野生動物では腹などの急所をさらす仰向けで寝るということは虎やライオンのような襲う動物がいない動物に限られるが、飼育下ではイヌやネコなどもこの姿勢で寝ることがある。基本的にはリラックスしている証拠である。
一方、オオカミやイヌなどは群れのボスなどに恐怖を感じると攻撃されないように自らあお向けになることで、降伏・服従の意を示す。イヌが仰向けになっている時はよく観察してから対応しよう。
昆虫やクモなどの節足動物は、死ぬときはほとんど仰向けで死んでいる。これは身体の重心が背中側にあるためである。生きている間は脚部で踏ん張ってひっくり返ることを防いでいるが、衰弱して死にかけると踏ん張りが利かなくなり、ひっくり返って仰向けになってしまうのである。
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最終更新:2024/04/19(金) 12:00
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