あくまきとは、南九州で主に端午の節句に作られる季節の和菓子である。「ちまき」と呼ぶこともある。
「灰汁巻き」と書く。その名の通り「あく」を利用した、鹿児島県、宮崎県、熊本県人吉・球磨地方で作られているお菓子。
あらかじめ一晩ほど灰汁に漬けて置いたもち米を、同じく灰汁または水に二日ほど漬けて柔らかくした竹の皮で包み、麻糸や孟宗竹の皮を裂いて作った紐で縛って、灰汁で3時間余り煮て作られる。材料は勿論、竹の皮の巻き方など何から何まで独特。
特に鹿児島県では比較的メジャーな食べ物であり、全国の郷土料理の特集などでは郷土料理として紹介されやすい。
一説によると、1600年の関ヶ原の戦いに参戦することとなった島津軍が、粘りが少なく、それでいて水分が多いため柔らかく冷めても硬くならないあくまきを兵糧として開発したと言われているが、確固たる参考資料は見つかっていない。
坊津では「唐人巻き」と呼ばれ、その製造法は遣唐使が伝えたと言われている。
灰汁独特の、でんぷんの糊化促進作用と糊化したでんぷんが硬くなりにくい作用により、モチモチとした食感を長く楽しむことが可能となっている。
それプラス、長時間煮込む製造法やアルカリ性である灰汁の細菌の増殖を抑える効果により優れた保存食となる。
灰汁は樫・クヌギ・椎・みかんの木などの木炭、竹の灰、大豆・そば・ゴマのさやなどの灰が好んで使用され、それぞれで風味や出来上がった時の色などに違いが出る。一番使用頻度が高いのは手軽な木炭。
種子島ではこれとよく似た調理法の「つのまき」という、ダンチクの葉で包んだモチ菓子が存在する。
また、山形県や新潟県には「笹巻き」という、同じように灰汁を使う伝統料理が残っており、これらから北前船による交流によって伝わったのではという考察も存在する。
最初にこれを作った人は何を考えていたのか不思議なほど、昔の人の知恵が詰まったモチ菓子なのだが、「灰汁」という言葉の響きゆえか食わず嫌いする人も多い。
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最終更新:2024/04/24(水) 23:00
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