あぶくま型護衛艦とは、海上自衛隊が運用している護衛艦である。
1986年に日本沿海における警備任務を主眼においた護衛艦として計画され1993年までに6隻が建造された。
本級の護衛艦記号は『DE(乙型護衛艦)』とされ諸外国では『護衛駆逐艦(フリゲート)』を指す。
なお、本級以後の『DE』を持つ護衛艦は2021年現在新造されておらず、本級の後継となるもがみ型護衛艦は『FFM(甲V型護衛艦)』の記号を持つ。
全長109m、全幅13.7m、基準排水量2000tの船体は先に建造されたゆうばり型護衛艦とその原型のいしかりとは違いちくご型護衛艦に近いレイアウトのシルエットを有している。
具体的には全通式の甲板に76㎜単装両用砲、艦橋+第1煙突、8連装アスロックランチャー、第2煙突を中心に3連装Mk.32短魚雷発射管と4連装ハープーン発射機2基づつと各種通信アンテナを備えた船尾楼、そしてファランクスCIWS1基と続くレイアウトとなる。
これはいしかり、ゆうばり型が元々従来地方隊の主戦力だった駆潜艇の更新・強化を目指したが、予算に由来する計画の制約から規模を制限されたため窮屈な艦形になった反省に由来する。
この結果、船員室は護衛艦史上初めて2段ベットを採用、談話室エリアも新設する事で居住性が向上した。
但し主砲とハープーン、CODOG推進方式(ディーゼル+ガスタービン)は受け継いでいる。
その一方で将来的に艦橋と主砲の間に21連装MK.31発射機(RAM近SAM用)や曳航式ソナーを装備するとされるが現状では退役するまで装備は行われない見通しである。
因みにヘリポートは有していないがホバリング状態での給油と物資補給(船側)用のスペースが艦尾に設けられている。
本級は元々いすず型護衛艦4隻(戦後国産DE第2世代)と先述のちくご型11隻(戦後国産DE第3世代)の更新用として計画されたが建造されたのは6隻に留まった。
これは新世代汎用護衛艦(DD、むらさめ型護衛艦etc)の新造に伴って旧世代DD(はつゆき型護衛艦、あさぎり型護衛艦)を2線級部隊である地方隊へ回す事で水上艦戦力の全体的な質の底上げを狙った海上自衛隊上層部の政策によるもので本級以後はDEの新造が行われる事はなくなり、冷戦終結に伴って災害派遣はともかくとして海上自衛隊の警戒活動に対する世間の関心は薄れていった事に加え、新世代DDとイージス艦の導入は本級の存在を浮いた存在にしていった。
そうした中、1999年に『能登半島沖不審船事件』が発生しネームシップ『あぶくま』が警戒任務に出動したが後の海上警備行動に直接対応したのははるな型護衛艦『はるな』とこんごう型護衛艦『みょうこう』で事件後にははやぶさ型ミサイル艇の導入と存在が注目され本級に注目は集まらなかった。
しかし2001年以降国際情勢の変化(アメリカ同時テロ特措法、ソマリア海賊問題)で数隻の護衛艦が日本近海を離れる事が常態化したため本級の警戒活動における地位は結果的に高くなり、2010年代には延命用部品整備の予算が計上されたため2020年代までは配備は継続される。
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最終更新:2025/04/07(月) 23:00
最終更新:2025/04/07(月) 22:00
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