『あぶない刑事』とは、横浜を舞台に二人の刑事(タカ、ユージ)の活躍を描いた刑事ドラマである。
主演は舘ひろしと柴田恭兵。
日本テレビ系列でテレビドラマが2シリーズ放送され、劇場版映画が7作品公開されている。
特定の年代を生きた人間には至極当然のごとく読む事ができるが、タイトルは「あぶない『デカ』」と読む。
間違っても「アブないけいじ」などと表記せぬように気をつけたい。
略称は「あぶ刑事(デカ)」。
本放映開始からそろそろ30年を経過しようとしているが、幾度となく映画化されるなどその人気は一向に衰えず、1980年代を代表する刑事ドラマとして名高い。
あぶない刑事の内容自体は「太陽にほえろ!」以来続く刑事ドラマの王道を踏襲し、プロット(ドラマの構成)も言わば過去の刑事ドラマの焼き直しとも言える作品もあった。しかし、それでも高い人気を誇ったのは「太陽にほえろ!」に代表される刑事ドラマは数多くの個性的な刑事が活躍する言わば群像劇的な雰囲気であったのに対して、「あぶない刑事」は程度の差はあれど、ほぼタカとユージの二人がメインを張るスタイル(「バディもの」)となっていた点が大きい。この作品の数年前にはアメリカで「マイアミバイス」が放映され、この作品が「あぶない刑事」に与えた影響は少なくない。
また、特にタカの原型ともなるキャラクターは既に「西部警察」に登場しており、舘ひろし演ずる鳩村英次はやや血気盛んな部分はあるが、全体的な装いや性格は鷹山とほぼ同一である。この他、大門軍団内のNo.2的な刑事と組んだ際の軽妙なやり取り、たまに舞台が横浜である事など、あぶない刑事の下地はこの頃から既に見られた。
それまでの刑事ドラマでは主流となっていた熱血や哀愁のような部分に反し、主人公の2人のチャラさ、軽さがクローズアップされ、ギャグ面での振り切り感も人気の秘訣となっていた。いずれにせよ、この2人の存在が従来の刑事ドラマにはない新鮮でおしゃれな雰囲気作りに及ぼした影響は大きい。他局でも二匹目のドジョウを狙おうとして、似たような番組が登場したほどである
また、これまで刑事ドラマと言えば「東京=警視庁」が多かったが、敢えて「横浜=神奈川県警」とした所も大きい。東京ほど乾いた空気がなく、本牧周辺の米軍住宅跡などの描写に代表される異国情緒漂う雰囲気、そして東京にはないファッショナブルさが好評を博した。
彼らの服装と言った小物も注目された。それまでの刑事ドラマにありがちな服装はスーツであったが、DCブランドに身を包んだ2人は非常にオシャレで新鮮であり、当時、ドラマで舘ひろしと柴田恭兵が着ていた服は、ブランドに問い合わせが殺到するなど反響は大きかった。他にも刑事ドラマの常連である日産は彼らの自動車に日産・レパードを提供した。画面を所狭しと爆走する姿は視聴者に強い印象を与え、現在もなお根強い人気がある。
設定資料ではもう少し掘り下げられた性格や家族構成、意外なバックグラウンドを持っている人物像が描かれている。
あぶない刑事が与えた影響は非常に大きく、似たような構成の刑事ドラマが誕生した。
シリーズの原点ともいうべきテレビドラマ第一作目で、ファンからは「無印」とも呼ばれている。日本テレビにおいて、毎週日曜日夜9時から放送された。当初は2クールで終了の予定だったが、人気が高かったことから2クール延長となり、1年間放送されることとなった。
作品の序盤はハード・シリアス色の強い作風で、刑事ものらしい解決をする回も見られたが、後半になるにつれてコミカル色が強くなり、視聴率も後半になるにつれて20%超えを記録するなど上昇している。年末年始の期間に放送された第12話と13話のみ視聴率が一桁台と伸び悩んでいるが、残り49話では全て10%以上の視聴率は記録している。
第11話と13話で松山ロケ、31話と33話で長崎ロケ、47話と49話で仙台ロケがおこなわれている。
おもなゲストとして山田隆夫(第2話)、河合美智子(第4話)、宮内洋(第11話)、苅谷俊介(第12話)、宍戸錠(第13話)、永瀬正敏(第15話)、一色彩子(第19話)、内藤剛志(第23話、第47話)、勝俣州和(第27話)、遠藤憲一(第29話)、中野英雄(第29話)、山田辰夫(第31話)、萩原聖人(第32話)、原日出子(第34話)、黒部進(第34話)、余貴美子(第35話)、竹内力(第38話)、斉藤暁(第38話)、別所哲也(第43話)、中村あずさ(第45話)、好井ひとみ(第46話)、室田日出男(第50話)が出演している。
テレビドラマのヒットを受けて製作された劇場版シリーズの第1作目。後の劇場版シリーズと比較するとテレビドラマの流れに沿っており、捜査方針を巡ってタカとユージが対立してしまうなど、テレビドラマではあまり見られなかったシリアス寄りなストーリーになっている。興行収入は26億円を記録し、1988年の邦画配収第3位、1988年の正月映画では第1位というヒット作品となっている。
監督は長谷部安春、脚本は柏原寛司と大川俊道が手掛けている。ゲストとして室田日出男、小野みゆきが出演。
前作のヒットを受けての劇場版第2作。興行収入は18億円を記録し、1988年の邦画配収第8位にランクインし、前作と共にこの年のトップテン入りを果たしている。タカのバイクアクションに加え、ユージが走って車を追うシーン、トオルがバズーカを持ったままデートへ行くなど、ファンの間で語り草となっている場面が多い作品である。前作と比べるとシリアス色が薄まっており、後に続く劇場版シリーズの源流ともいえる。
監督は一倉治雄が手掛けており、これが映画監督デビュー作となった。脚本は前作と同じく柏原寛司と大川俊道が担当。ゲストとして、伊武雅刀、片桐竜次、宮崎美子、赤井秀和(浪速のロッキー)が出演している。
テレビドラマシリーズの第2作。レギュラー陣の変更はないが、前シリーズよりもコミカル色が濃くなっており、タカとユージ以外の登場人物の衣装も刑事らしからぬゴージャスなものになっている。第6話ではテレビシリーズ最高視聴率の26.4%を記録。放送は25話だったが、平均視聴率は20%を超えており、シリーズの人気を確固たるものとした。
テレビ朝日で放送された「ゴリラ・警視庁捜査第8班」の撮影時期と重なったこともあり、後半の回になると舘ひろしの出演シーンが少なくなっている。そのため、ユージとトオルのコンビがメインになる頻度が増え、後に日本テレビで放送された「勝手にしやがれヘイ!ブラザー」へと引き継がれている。
第11話で函館ロケ、第18話と第21話で静岡ロケがおこなわれている。
おもなゲストとして吉川十和子(現・君島十和子)(第3話)、八名信夫(第8話)、黒部進(第10話)、遠藤憲一(第12話)、奈美悦子(第13話)、一色彩子(第17話)、河合美智子(第19話)、苅谷俊介(第20話)が出演。
劇場版作品の3作目であり、あぶない刑事の総決算として作られた作品。本作ではテレビシリーズの頃からの宿敵であった銀星会との決着が描かれ、神奈川県警までも敵に回した壮大なアクション映画となっている。また、作中で当時建造中だった横浜ベイブリッジが映っており、貴重な映像になっている。この作品を最後にあぶない刑事シリーズは一旦区切りが付けられており、テレビシリーズから続くレギュラー陣が揃った作品としてはこれが最後の作品となっている。
監督は村川徹が手掛け、脚本は柏原寛司が担当。ゲストとして、真梨邑ケイ、柄本明、苅谷俊介が出演。また、演じていた中条静夫が1994年に逝去したため、名物キャラだった近藤課長の登場はこの作品が最後になっている。
なお、本作品をモチーフにしたファミコン用ゲームソフトが発売されたが、ある意味伝説のゲームとなっている。
前作「もっとも」から7年の空白を経て製作された劇場版第4作目。本作より港署の課長として小林稔侍が演じる深町課長が登場する。捜査課のメンバーも新たな顔ぶれが加わり、リニューアル化されることとなった。また、デジタル合成やコンピュターグラフィックが使用され、アクションシーンが大幅にスケールアップされている。
監督は村川透。脚本は柏原寛司と大川俊道。港署の新メンバーとして関口知宏、島崎和歌子、他にも伊原剛志、大竹一重、倉田てつをが出演している。また、野際陽子が友情出演している。
日本テレビ開局45周年記念番組として製作され、一連のエピソードの前篇を「金曜ロードショー」のスペシャルドラマとして放送。テレビドラマとしては「もっと」から9年ぶりの放送となり、視聴率は25.7%を記録している。シリーズでは初めて主題歌が起用され、国際テロ組織が相手とスケールアップが施されている。サブタイトルは「act1.点火」。
監督は一倉治雄。脚本は柏原寛司と大川俊道。キャストとして竹内結子、永澤俊夫、チャック・ウィルソン、藤森夕子が出演。また、これまで吉田刑事を演じていた秋山武史が撮影終了直後に他界したため、本作が遺作となっている。
劇場版作品の第5作目であり、ドラマスペシャルで放送された一連の事件の決着篇。サブタイトルは「act2.爆発」。シリーズ史上スペクタクル性がもっとも顕著な作品となっており、過去作との時代の流れを感じるのも特徴となっている。ラストシーンからこれがシリーズの終焉かと思わせるものがあり、ここから再びシリーズは7年間の休止期間に入る。
監督は成田裕介。脚本は柏原寛司と大川俊道。キャストには加藤雅也、マイク真木、本上まなみ、永澤俊夫、西岡徳馬が主演。また、友情出演として中山秀征が出演し、犯人グループの1人としてアニメーターの庵野秀明が出演している。
前作から7年ぶりに製作された劇場版シリーズの6作目。タカとユージが海外に赴任し7年ぶりに横浜に戻り、港署へ帰ってくるという設定になっている。本作はレギュラー陣の人事異動が特徴的であり、トオルが捜査課課長、カオルが少年課課長にそれぞれ昇進。港署の顔ぶれにも新メンバーが多く入り、過去作からのメンバーと新メンバーの世代間ギャップもテーマの一つになっている。また、シリーズ初となる海外ロケがおこなわれている。
監督は鳥井邦男。脚本は柏原寛司と大川俊道。港署の新メンバーとして佐藤隆太、水川あさみ、窪塚俊介が出演。他にも、原沙知絵、大沢樹生が出演している。
もはや新作は作られないと思われていたが、前作から10年3カ月ぶりの新作となった劇場版7作目であり、シリーズの最終作として作られた作品。長年横浜の平和を守るために戦ってきたタカとユージが定年まであと5日という設定で物語が始まり、定年後の新たな人生もテーマになっている。刑事生活最後の敵としてスケールの大きな犯罪組織が登場する。
シリーズの最終章ということもあり、キャスト陣がテレビ出演、イベント出演などのプロモーション活動をこれまで以上に精力的にこなしていた。公開当時、同タイトル同キャストによる刑事もの映画の作品数としては「ダイ・ハード」シリーズを超えた世界最多記録となった。
監督は村川透が「リターンズ」以来およそ20年ぶりにメガホンを採った。脚本は柏原寛司が務め、旧ドラマシリーズに原点回帰した顔ぶれとなる。撮影はこれまで一貫してフィルム撮影がおこなわれていたが、本作は初めて全編デジタルHD撮影がおこなわれている。キャストには、菜々緒、吉川晃司、吉沢亮、片桐竜次、LiLiCoが出演。
掲示板
51 ななしのよっしん
2023/11/01(水) 22:19:11 ID: Zk+/OxyNOu
映画『あぶない刑事』8年ぶり最新作発表 舘ひろし「また帰ってきちゃいました(笑)」 来年5・24公開
https://
52 ななしのよっしん
2023/11/03(金) 17:01:47 ID: iOUijP/BVD
>>38
良くも悪くも『皆が観る』ものだからねぇ…。中々世の中そうそう、刑事ドラマや時代劇と雖も外道だからとは言え未成年者を安易には殺せないんでしょう。『アンフェア』みたいな例外もあるにはあるが…。
53 ななしのよっしん
2024/04/10(水) 18:16:57 ID: vH3+b2svLL
子供の頃夕方の再放送でやってたのを度々観てて、その時は何とも思わなかったけど
今改めて観たら浅野温子ガチで可愛いなコレ!ってなってる自分にびっくりしてる
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/24(水) 17:00
最終更新:2024/04/24(水) 17:00
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