いいですか、落ち着いて聞いてくださいとは (イイデスカオチツイテキイテクダサイとは) [単語記事]

いいですか、落ち着いて聞いてくださいとは、昏睡状態だった患者に衝撃の事実を告げるときの台詞である。

※一般的な日本語でもあるが、当記事ではインターネットミームについて解説する。

概要

ゲーム『メタルギアソリッドⅤ ザ・ファントム・ペイン』の冒頭ムービーの画像を使ったミーム。（数年間）眠っていた患者に対して、医者がその間に起こっていた（あるいは、何も変化していなかった）事実を告げて、患者に衝撃や苦痛を与えてしまうという内容である。

流行し始めた時期は2022年 1月であり、その後、漫画『HUNTER×HUNTER』の休載期間に関する同年2月の投稿が人気となったことでさらに頻繁に使われるようになった。

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このように、医者が告げる内容を様々な衝撃や苦痛を与えるものに改変する事によってミームを読んだ者に衝撃や苦痛などを与えるようになっている。

元のシーンの医者の台詞

インターネット上で使われているものとは若干台詞が異なる。

ああ　落ち着いてください

焦ることはありません

あなたにお話があります　いいですか？

どうか　落ち着いて

あなたはずっと昏睡(コーマ)^[1]状態だった

ええ　ええ　わかってます
どれくらいの長さか？

あなたが眠っていたのは……

９年です

（心音が速くなり、苦痛を訴える）

まずい！

ν ο σ ο κόμ α! ν ο σ ο κόμ α! ν ο σ ο κόμ α!^[2]

看護師(ナース)！

大丈夫

大丈夫

落ち着いて

落ち着いて

そう

大丈夫です

大丈夫です

そうです

休んで……

多くの場合で文章ミームとして衝撃の内容を迅速に届ける為に流れが大きく省略されている事がわかる。

本来はこのように主人公が9年昏睡していた事を告げられ大きなショックを受けてしまうという大変シリアスなシーンなのだが、今ではゲームを開始して早々医者の顔を見て笑ってしまうケースが相次いでいる。

「医者が『落ち着いて聞いてほしい』と語り掛けるという状況」自体の初出？

そもそも「（目を覚ました患者に）医者が衝撃的な事実を伝える」というシチュエーション自体が昔から多くの創作物で見られる。「落ち着いて聞いてほしい」という台詞は、これらの作品でも多く使われてきたと思われる。

しかし、「この場面」や、「落ち着いて聞いてほしい」という台詞の初出については、該当しうる作品が非常に多岐に渡るため、不明である。

創作物よりも先に現実世界で、この場面や台詞が存在していた可能性も高い。

医者のモデル

2022年 3月1日にMGSVのプロデューサー・小島秀夫が、この医者について「モデルさんはNAVI TIMEの人ですよ。CMで緑のヘルメットをかぶっている方」と紹介した（当該ツイート）。モデルとなった人物は、英国出身の俳優・モデルのイアン・ムーアである（事務所プロフィール）。

ニコニコでの流行

ニコニコでも「いいですか、落ち着いて聞いてください」のシーンを使ったMAD動画が一時流行し、数多く投稿されている。
また、ニコニコ静画においては男性医師と女性看護師をアニメキャラクターやゲームキャラクターに置き換えて描いたコラ静画が数多く投稿されている。

日清カップヌードルコラボWEBCM

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何故か該当カットシーンがほぼそのままCMになった。

これは、2023年 9月8日に日清カップヌードル公式Xアカウント(旧Twitter)とYouTube 日清食品グループ公式チャンネルに投稿された日清食品グループによる「特上カップヌードル」シリーズ4品のWeb コマーシャルである。何故このシーンなのかは前述のインターネットミームの評判を受けてだろう。

日清食品グループは、はじめまして松尾です氏のひよこねずみアニメシリーズ・MISO食べたい・夏は食っとけシーフード篇といったインターネットで流行りの癖の強い映像を制作者本人らがセルフパロディしたCMを最近次々出しており、本CMもそれに乗っかったモノと思われる。しかし前者と比べて制作者の意図が介在しない自然発生したミームを基にしたCMは前代未聞である。しかもなんと医者の声優である大塚芳忠氏が声を当てているという気合の入り様。

CMの内容だが構成としては前述のエニグマ伯爵氏によるセリフ改変声真似動画のような感じになっている。最初は原典通りのシリアスな口調で始め、終盤医者がフレームアウトして暗転するとふざけはじめる。という流れを大塚芳忠本人がやっている。
大塚芳忠氏はハードボイルドな声質のキャラを演じる事が多い一方、冥府神ハデスやオカマ魔女のマカオ、ユーモアの8番やピピ美といった常にふざけてるようなキャラを演じるという実績もある為どちらも様になっている。

商品をPRするCMとは原典の構成上そのまま改変すると脈略が無い感じになってしまいそうだが、医者が9月11日発売と言う→主人公の焦燥した表情に夏休みが終わってる事を告げる→突然興奮する患者というようにちゃんとオチが付くように改変されている。こうなると説明口調なのも相まって製品のPRと元ネタの良さを両立したものになったのである。

CMの最後は日清のロゴが入ったダンボールがセリフと共にモゾモゾ動くというものになっており、メタルギアソリッドシリーズの雰囲気を感じられるものになっている。
ちなみにメタルギアソリッドシリーズは「3」でカロリーメイトといった実在商品をゲーム内で登場させたり（没になったがなんと3で日清食品とのコラボレートも考えていたらしい。「即席ラーメン」というアイテムはその名残）、「4」でリゲインとコラボしたCMが制作されたりと昔から食品系の製品とコラボしてきた歴史がある。

監督の小島秀夫氏もX(旧Twitter)において反応した。

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脚注

*音声では「こんすい」と読んでいる
*ギリシャ語で女性看護師。日本語読みなら「ノソコマ」か。字幕にはされていない。

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