うしかい座

うしかい座 Boötes
略符	Boö
象徴	the Plowman
起源	古代　プトレマイオス
概略位置	赤経：15 赤緯：+30
正中日時	6月15日21時
広さ	907平方度(13位)
3.0等以上の恒星数	3
最輝星	アルクトゥルス(-0.04等)
メシエ天体数	0
隣接する星座	りょうけん座 かみのけ座 かんむり座 りゅう座 ヘルクレス座 へび座(頭部) おとめ座 おおぐま座

うしかい座とは、トレミーの48星座の一つ。

北斗七星のひしゃくの柄を追うと、夜空にネクタイのような大きな星の並びを見つけることができる。

概要

α星アルクトゥルスは春を代表する1等星。おとめ座のスピカとの対比が美しく、夫婦星と呼ばれる。
このアルクトゥルスとスピカ、しし座のデネボラを結んだ三角形は春の大三角形という。

うしかい座は英語でBoötesと綴られる。この記号"¨"はドイツ語のウムラウト記号ではなく、トレマと呼ばれる分音符である。これが無いと、[bouóuti:z]（ボウオウティーズ）の発音が[bú:ts] （ブーツ）となってしまう。

主な天体

恒星

• α：アルクトゥルス(Arcturus)
  • うしかい座の1等星で黄色巨星。「熊を護るもの」という意味のギリシャ語が由来。
    固有運動が大きく、140km/sでおとめ座の方向へ移動している。このため5万年後には、夫婦のごとくアルクトゥルスとスピカが並んで輝くという。
• ε：イザール(Izar)またはプリケルマ(Pulcherrima)
  • アルクトゥルスに次いで明るい2等星。
    2重星の様子が美しいため、ラテン語の「最も美しいもの」という意味のプリケルマという別名が付けられた。

データ

名称		視等級	絶対等級	距離(光年)	スペクトル型	変光星型	変光幅	備考
α	アルクトゥルス	-0.04	-0.297	36.70	K1.5III	変光星	ごく僅か	大きな固有運動
ε	イザール	2.39	-1.576	202.48	A0			2重星
η	ムフリッド	2.68	2.41	37	G0IV
γ	セギヌス	3.04	0.96	85	A7IIIvar	脈動変光星 たて座δ型
δ	プリンケプス	3.46	0.69	117	G8III	変光星		連星 巨星
β	ネカル	3.49	-0.64	219	G8III
ρ	アル・ハマライン	3.57	0.27	149	K3III			橙色巨星
ζ	うしかい座ζ星	3.78	0.06	180	A3IVn			2重星

その他

• GRB 080319B
  • 肉眼で観測できた唯一のガンマ線バーストであり、肉眼で見えた最も遠い天体(103億6000万光年)である。
• SCP 06F6
  • 123億光年の距離に突然現れ突然消えた天体。超新星か類似の現象と考えられているが、現在でも正体は分かっていない。
• QSO J1415+1129
  • うしかい座方向にあるクエーサー。重力レンズ効果で像が4つに分裂しており、「四つ葉のクローバークエーサー」の異名を持つ。

由来

うしかい座のモデルはおおぐま座を追う牛飼いとされるが、誰なのかはっきりとしていない。

一説には、ギリシャ神話に登場する天を支える巨人アトラスであるとか、ディオニューソスからブドウとブドウ酒の製法を教わったアッティカ王イーカリオスであるという。
その他には、兄弟によって財産を奪われて追放され、世界中をさまよった男という説がある。

また、メソポタミア文明以前の羊飼いが考案した現存する最古の星座だという説もある。

関連コミュニティ

関連項目

• 星座の一覧
• おとめ座
• りょうけん座