うどん(饂飩)とは、小麦粉を原料とした日本の一般的な麺料理である。
その麺をお湯で茹でて食べるのだが、様々な種類があり、温かい汁に付けて食べる方法や、一旦冷やし冷たいタレに付けながら食べる方法などがある。また、上に載せるものによる違いもあり、「きつねうどん」や「たぬきうどん」、「カレーうどん」などの種類がある。
うどんの麺(うどん玉)はスーパーなどで数十円ほどで販売しており、家庭で作る際にも比較的安く料理できる。
奈良時代あたりには既に存在したとされ、江戸時代には既に一般的な食べ物として普及していた。
うどんを題材とした落語に「時うどん」「風邪うどん」などがある。
うどんのつゆが関東と関西では異なっているのは有名であり、一般に関東は濃い色で不透明、関西は薄い色で透き通っている、ということがよく言われる。これはうどんのつゆの作り方の違いによる。
つゆの起源はまず関西であり、伝統的には関西のうどんのつゆは「吸い地」、つまり鰹節・昆布でとった一番出汁を薄口醤油、味醂、砂糖、塩などで調味した、そのままでもお吸い物になる料理として発達したものである。ここではうどんはスープの実の性質が強く、長らく都を擁した京都・大阪では出汁がその洗練を極めていったのである。
一方、より新しい歴史を持つ関東のつゆは、蕎麦やうどんを食べるための「たれ」の性質を強く持つ。こちらではまず醤油と砂糖を煮切って寝かせた「かえし」を、出汁で割ってつゆとする。味の決め手のかえしの改良にしのぎを削った結果、香り高い濃口醤油が選ばれ、またかえしを作る過程でメイラード反応も進行するため色はよりいっそう濃くなっていったのである。
出自が違えば味わい方も変わるが、塩分などは東西でさほど違いはない。しかし見た目は白と黒。この色の違いがとりたてて世に広まり、いまやカップうどんも地域によってつゆの種類を変えている。カップうどん会社が上記のような出自、味わい方の違いまでちゃんと汲みとって商品開発しているかどうかは、識者の見解を待ちたいところである。
また、一般的に東日本では「そば」の方が、西日本では「うどん」の方がより一般的であるといわれているが、日本一のうどん消費県のうどん県香川県の次に来るのは埼玉県と群馬県であり、他にも稲庭うどん産地である秋田県など東日本でもうどん消費が多い県は多い。また、西日本でも鳥取県、島根県などソバが主流の県もある。言うまでもなく、東日本と西日本と簡単にくくれる問題ではなく、日本各地に地域に根ざしたうどんがある。うどんという有名な食べ物であるゆえに、歴史的な経緯から鑑みても、江戸から今に続く大阪vs東京の争いに他地方が巻き込まれ、とばっちりを受けているだけである。
言わずと知れたうどん界の星。
麺の腰が強さが特徴で、喉越しの良さが命。釜玉うどんや生醤油うどんなど食べ方も様々。ダシはシンプルに、ジャコから採る。
また、ご当地では100円代から食べられる店もあるため、観光客のみならず現地の人の主食としても愛されている。
水不足でダムが涸れようが、うどん店の排水が公害として問題になろうが、うどんのほうが大事なのである。
さぬきうどんの項も参照のこと
麺は細めで腰は弱め。むしろ、麺はつゆを吸わせるものであり、柳麺とも呼ばれるほどしなやかさが求められる(柔らかければいいものではない)。ちなみに、関東でいうつゆは、関西ではだしといい、関西でつゆといえばそうめんつゆのように、もっぱら付け麺用のつゆを指す。
この関東と関西での、だしの価値観の違いは「にんべん」のウェブサイトにすごく詳しく書かれている。https://shop.ninben.co.jp/blog/?p=472
吸い地として発展したため、出汁に対するこだわりは他の追随を許さず、甘みの強い真昆布や枯れ節などの鰹節、そして辛味を出す炒り子、甘みを引き立てる椎茸など様々な材料を使って複雑な味を求めている店が多い。また、二番出汁から作ったかやくごはんと一緒に食べることも多く、うどんは飲み物汁物である。応用が効くため、きつねうどん、肉うどん、うどんすき、かすうどんなど大阪で生まれたとされるうどん料理も多く、天ぷらうどんや月見うどんなど、力うどんなど、そば料理から派生したものも定番。ところで、うどん屋でそばを頼むと、高い確率で、うどんつゆでそばが出て来るので注意しよう。
京都だと更に麺が細めとなり、ダシも塩気のある利尻昆布が利いたものとなる。まさしく、府外の人が抱く京風の薄味の料理にほど近い。また、たぬきうどんという葛餡のツユに浸かったうどんなど京都独自の調理法もある。また、おうどんと丁寧語で親しみを込めて呼ぶ(そばもおそばと呼ぶ)ことが多い。
秋田県の名物。元は県南部、稲川町ご当地の名産だったが、県が観光立県宣言しているため、いぶりがっこ、比内地鶏、きりたんぽらとともに県内の至る所で販売されるようになっている。細めで平べったい乾燥麺が特徴。喉越しの良さで知られる。付け麺として食べられることが多い。三大うどんとかいう呼び名には必ず讃岐うどんと一緒に文言に用いられるほど、知名度は高い。
極太麺に醤油ベースの濃厚な出汁。
麺の特徴から1時間もの茹で時間を必要とし、くったくたに茹で上がった状態なので好みは分かれるが、好きな人はとことんはまる。
武蔵野など武蔵国は国内指折りのうどん文化圏。ほのかに色の付いた太麺。強烈な腰があり麺が硬く感じるほど。豚肉を煮込んだ「肉汁うどん」が代表メニュー。
細めの麺で腰はほとんどない。出汁は関西風うどんに近いが、それよりシンプル。
ごぼうの天ぷらを乗せた『ごぼ天』、丸く平べったいさつま揚げ風の練り物が乗っている『丸天』などのトッピングがある。ちなみにここがうどん発祥の地である。(承天寺境内に発祥の碑有り)
名古屋名物の鍋焼きうどん。赤味噌仕立ての濃厚な出汁と太くて固い麺。
一人用の土鍋で調理されることが多く、様々な具が入る。
うどんの亜種とされるきしめんとともに名古屋を代表する麺料理として知られる。
麺の作り方が他のうどんと大きく違い手延べ式で、断面はほぼ円形をしている。また椿油で麺同士がくっつかないようにしている。出汁はあごだし(トビウオ)がよく使われる。中国から直接伝来したらしい。
埼玉県加須市(かぞ)に伝わるうどんで、近年うどんを盛んに売り込み中の埼玉県の産地では最もよく知られている。腰の強さに定評がある。釜揚げを蒸籠に盛って食べるのが定番。
群馬県の伊香保温泉付近で食されるうどん。三大うどんとか勝手に名乗っている。細めながら弾力が強く、腰も強い。それゆえ、ざるに上げて冷たくして食べることが多い。ほかにも群馬県は桐生、館林などご当地のうどん産地が多い。
徳島県阿波市(旧・土成町)の名物料理。うどんをたらいの上にあけて、それを食べる徳島名物。つけ汁で食すが、昔は地元で獲れるジンゾクという川魚で出汁を採っていた。
山梨県富士吉田市。伝統的な郷土料理であり、某食通漫画に「ゾウの足のよう」と形容されたほど、とにかく暴力的なほどの腰の強さと硬さ、太さで知られる男のもてなし料理。ダシは椎茸と煮干しで採る。
また、山梨はうどんの原型ともいわれるこんとんに似たほうとうが有名であり、東日本有数のうどん文化園である。
徳島県鳴門市。とにかく腰がないほど不揃いで柔らかい麺が特徴で、吸い地として発展したうどんの極致ともいえるだろう。「鳴ちゅるうどん」なんて愛称まである。元々は塩田で働く労働者のために供されていたもので、消化に良く、食べやすいように作られた。観光客向けにはちくわの天ぷらを乗せる場合がある。
石川県小松市。知られざるうどん処であり、松尾芭蕉の奥の細道にも登場するほど。麺が細く、柔らかいのが特徴で、またダシは鰹節などをベースにしたあっさり系。
富山県氷見市の名物で、江戸時代から続いている産地。稲庭と同様、油を使って伸ばさず、手延べで作るうどん。輪島から技術が伝わり、素麺作りの技術を活用している。
大分県佐伯市の名物郷土料理。ごまだしという手間ひまかけて拵えたエソの身をほぐし、ゴマなどの薬味ですりつぶした調味料をうどん玉の上に乗せ、湯を掛けて溶かしながら食す。
知っていたら相当のうどん通。蕎麦処信州にしては珍しいうどん産地で、長野県坂城町の名物料理。ねずみ大根という辛口大根をすりおろし、味噌を溶かしたつゆで食す。
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最終更新:2024/10/10(木) 07:00
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