おおいぬ座とは (オオイヌザとは) [単語記事]

おおいぬ座 Canis Major
略符	CMa
象徴	the Greater Dog
起源	古代　プトレマイオス
概略位置	赤経：7 赤緯：-20
正中日時	2月11日 21時
広さ	380平方度(43位)
3.0等以上の恒星数	5
最輝星	シリウス(-1.47等)
メシエ天体数	1
隣接する星座	いっかくじゅう座うさぎ座はと座とも座

おおいぬ座とは、トレミーの48星座の一つ。

冬の季節、南天にみられる星座である。

概要

α 星のシリウスは全天で太陽の次に明るく見える恒星である。
太陽を含め地球に6番目に近い恒星で、距離は8.6光年。

このシリウスとこいぬ座のプロキオン、オリオン座のベテルギウスで冬の大三角形を形成する。
また、シリウス、プロキオン、ふたご座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバラン、オリオン座のリゲルは冬の大六角形を形成している。

主な天体

恒星

α：シリウス(Sirius)
- おおいぬ座で最も明るい1等星で、全天でも太陽に次ぐ明るさ。
  名前は、ギリシャ語で「光り輝くもの」、「焼き焦がすもの」を意味するセイリオスに由来する。
β：ミルザム(Mirzam)またはムルジム(Murzim)
- 2等星。シリウスの前に昇るため、「予告するもの」というアラビア語から名付けられた。
δ：ウェズン(Wezen)
- アラビア語で「重さ」を意味する。
ε：アダーラ(Adara)
- 名前はアラビア語で「乙女たち」。視等級1.513で、1等星に僅かに及ばない。
η：アルドラ(Aludra)
- 名前の由来はアダーラと同じ。2等星で青色超巨星。

データ

名称		視等級	絶対等級	距離(光年)	スペクトル型	変光星型	変光幅	備考
α	シリウス	-1.47	1.424	8.60	A1V			実視連星
ε	アダーラ	1.513	-3.958	404.97	B2Iab			青色輝巨星
δ	ウェズン	1.842	-6.621	1605.91	F8Iab			黄色超巨星
β	ミルザム	2.0	-3.896	492.45	B1II/III	脈動変光星ケフェウス座 β 型	1.93～2.00	青色輝巨星
η	アルドラ	2.40	-6.526	1987.80	B5 Ia	脈動変光星はくちょう座 α 型	2.38～2.48	青色超巨星
ζ	フルド	3.02	-2.05	336	B2.5V			2重星
ο²	おおいぬ座ο²星	3.02	-6.46	2567	B3Ia	脈動変光星はくちょう座 α 型	2.98～3.04	青色超巨星
σ	おおいぬ座σ 星	3.49	-4.37	1216	K4 III	脈動変光星不規則 LC 型	3.43～3.51	橙色超巨星
κ	おおいぬ座κ 星	3.50	-3.42	789	B1.5IVne	爆発変光星カシオペヤ座 γ 型	～3.97	白色準巨星

星団・星雲・銀河

M41 散開星団
- シリウスの南にある散開星団。視等級4.6で、月がない晴れた夜には肉眼でも見ることができる。
NGC 2360　散開星団
NGC 2362　散開星団
おおいぬ座矮小銀河
- 銀河系中心から約4万2千光年の距離に位置する、銀河系に最も近い銀河。
  今後、我々の銀河系に取り込まれていくと推定されている。

ギリシャ神話

ケパロスの猟犬ライラプスは、神により絶対に獲物を捕まえる犬にされていた。テーバイの住民は、悪さをするキツネを退治してもらおうと、ケパロスに犬を借りた。ところが、このキツネも神によって絶対に捕まらないキツネにされていた。捕まっても捕まらなくても神のまじないが無効になってしまうので、大神ゼウスは両者を石にして、ライラプスをおおいぬ座とした。